新型コロナウイルスにより市販車販売が停止、レース活動も中断され経済的に大きな打撃を受けたマクラーレン。チームの存続に向けて緊急に資金を調達する必要があったことから、借り換えのため歴代マシンなどの担保を解除しようとしたが、債権者グループがそれを拒否したため、法的措置をとっていた。
マクラーレンは法廷文書の中で、担保解除の緊急性について「キャッシュフローの危機と、破壊的な倒産」のリスクを防ぐために、7月17日までに2億8000万ポンド(約374億円)を調達する必要があると訴えた。
■チーム存続に向け正念場のマクラーレン、バーレーンの銀行と約200億円の融資契約に合意
マクラーレンは法的措置と並行して、友好的な関係にあるバーレーンの国立銀行、NBBと交渉を進め、1億5000万ポンド(約199億円)の融資をとりつけることに成功した。これにより、レースと市販車生産の再開に先立ち、マクラーレンは危機的な状況をある程度脱したと考えられる。
法廷文書により、マクラーレンが直面している問題の規模に対して懸念が生じたものの、F1チーム代表のアンドレアス・ザイドルは、チームの将来に疑いの余地はないと語った。
「私とザク(ブラウン/CEO)は実際に何が起こっているのかについて同じ知識を共有している。我々が活動を続けられなくなるようなリスクはなかった」
「だから、マクラーレンが来年グリッドにいないのではないかという疑念を持ったことはない」
「ザクは金融面で何が起こっているかについて、常に最新の情報を提供してくれていた。結局のところ、この危機を乗り越えた後にベストなポジションにいられるようなベストな選択肢を確認していたんだ。そして、それが見つかるのは時間の問題だった」
ザイドルは、NBBによる融資が承認されたことをチームは歓迎しており、中核的な活動に集中できるようになったと付け加えた。
「それはチームの全員にとって大きな後押しであり、さらなるモチベーションをもたらす」
「我々が最もやりたいこと、そして最も得意とすることに再び焦点を合わせることができる。優れたレーシングカーの開発と生産、およびそのレースに集中することができるんだ」
7月5日に行なわれるF1の開幕戦オーストリアGPに向けて、ほとんどのチームは中断期間中に開発したアップデートパーツを持ち込むと見られる。motorsport.comが、アップデート開発が止まるなど、マクラーレンの財政問題が短期的な見通しに悪影響を与えたか訊くと、ザイドルは全く問題なかったと答えた。
「我々はかなり早い段階で対策を実施した。給料をカットし、シャットダウンと並行してスタッフを一時解雇した。率直に言って、今季と来季に大きな悪影響はない」
「我々は冬に設定した計画通り、順調に進んでいる。オーストリアから定期的にクルマにアップデートを提供する予定であると同時に、来年のクルマの準備に全力で取り組んでいる。例えば、最大のトピックは言うまでもなく、メルセデス製パワーユニットとの統合だ」
一方でマクラーレンがトップチーム復帰を目指して進めていた、新しい風洞やシミュレータなどの主要なインフラ建設プロジェクトは保留されていることから、コロナ危機はチームに長期的な影響を及ぼしていると言えるだろう。
ザイドルは、これについてもできる限り迅速に再開するため懸命に努力していると語ったが、2020年のカレンダーが不確実なことから、チームの予算計画が確定できないと述べた。
「この危機が起きた時、我々が取り組んでいる全てのインフラプロジェクトも保留にしなければならなかった。そして現状でも、今年の収入がどうなるかを正確に把握できていないので、慎重になっている」
「我々は再びグリーンライトが灯るまで待つ必要がある。ご想像のとおり、これらの様々なインフラ建設をできるだけ早く再開できるように、私は懸命に努力している」
「これが、F1でトップチームに戻るための道のりにおいて鍵になることは誰もが知っている。なぜなら、トップチームと比較して、劣っているのはそこだからだ」
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