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「演歌の世界」ばかりが「デコトラ」じゃない! いま波がキテる「アメリカンカスタム」とは

掲載 更新 7
「演歌の世界」ばかりが「デコトラ」じゃない! いま波がキテる「アメリカンカスタム」とは

トラックカスタムは日本だけじゃない! 欧米スタイルのデコトラも存在

 ここ日本で「カスタムしたトラック」と聞いたら、一般の方ならいわゆる「デコトラ」と呼ばれるスタイルを思い浮かべるだろう。もちろんそれは正解で、ほとんどのカスタムトラックがそれをルーツにしているが、海外のカスタムトラックを模したイジりをしている車両もいる。

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 ちなみに海外のトラックカスタムは欧米(アメリカン)と欧州(ユーロ)スタイルで趣が違う。もちろんベースとなるトラックが異なるのも見え方の違いの理由になるが、カスタムに対する「土地柄」というものもやはりあり、それが出ているようだ。

 そこで今回は日本のトラックに、アメリカンカスタムのスタイルを注入している3台にクローズアップしていく。

1)カラーリングとパイプで魅せる革命車/三菱ふそうスーパーグレート

 ベースは平成26年式のスーパーグレート。ポイントはマジョーラカラー塗装と、そこに合わせて奢られた丸パイプの飾り付け。「デコトラも好きなのですが、現場に行くと怒られるんですよ。違法改造にも厳しい時代ですから、なるべくノーマルに近いカタチでデザインできないかなと。塗装は違法にならないですからね」とはドライバーのOさん。

 メッキのフロントバンパーに合わせて丸パイプの飾りを多投。屋根上の風防はハイキャブ用がないため、シングルキャブ用を加工して取り付けたという。一緒に付けた丸パイプやランプを埋め込んだドロップバイザーも大きな見所。フロントパネルのペイントとグリル開口部の丸パイプやワイパーガードも、一般的な「デコトラ」のそれとは全く違う。

 アメリカントラックらしさの象徴が202φという極太の煙突マフラー。その後ろが道具入れになり、そのリア側のペイントと合わせて迫力満点、まさにショーカーと呼べる一台。 サイドミラーもマジョーラ塗装。そこに入れたピンストライプは塗装とステッカーで仕上げた。

 ヘッドの踊り場部分にも丸パイプが。一貫性のあるアートアップが、兎にも角にも魅力的。カプラーカバーは米国製で、スムーズに脱着できるように加工。サイドスカートにも丸パイプをオシャレにアレンジ。

 後輪2軸間の処理も斬新で、丸パイプによるガードと角オコシの菱飾りなどが組み合わせ。

 4連テールの入ったリアバンパーや、ビッグリグカスタム製のロングフェンダーとマッドフラップが雰囲気向上に拍車をかけている。

2)アメリカンに魅せられた女子トラッカー/日野レンジャープロ

 一般雑貨を運ぶ、働き者の姫トラ車(女性ドライバートラックをそう呼ぶそうだ)のステアリングを握るKさんの日野レンジャープロ。「ワイド仕様なのでデコトラにしようかと思ったのですが、US仕様にしてみました」。

 このレンジャープロがアメリカンたる所以のひとつがフロントマスク。ウインドウの上に奢られた「ドロップバイザー」や、その上に並べられたマーカーランプもアメリカンカスタムらしい雰囲気を出すのに効果抜群。フロントバンパーにはスチールスポイラーを装着し、重厚感をだしている。

 左右ドアの寝台窓には荷物を持つオリーブと花を持つポパイの絵が描かれているのだが、女性ドライバーなので、あえてオリーブに荷物を持たせているのだという。米国仕様のサイドミラーには、同じく米国製の新作というアンテナを合わせて装着している。

 いわゆる「腰下部分」にも注目で、例えば長物にも対応させた米国風のデザインで仕上げた工具箱やフレームに台座を取り付け、燃料タンクをやや外側にオフセット。ボディから吊らずに固定している。ホワイトレタータイヤも和製デコトラではまず見ないカスタム。ちなみにここはKさん自らハンドメイドしたという。

 リアフェンダーの後方には11発のテールランプを並べている。さらに荷台の観音扉を開けると自由の女神と星条旗が。気分はとことんアメリカンだ。

3)ペイントとメッキ使いで「らしさ」全開/日野スペースレンジャー

 和風のデコトラもこよなく愛する筋金入りのトラック好きのYさんは、「オールドスタイル」と呼ばれている古いアメリカンコンボイも好き。そんな背景もあって現在の「アメリカン仕様」に至ったという。「以前に乗っていた“レトロアート”のデコトラ(いわゆる一般的なデコトラ)の時よりは『爽やかになったね』ってお客さんに喜ばれます(笑)」。

 アイボリーとブラウンで塗装されたキャビンでは、コンボイなどで使用されている角目4灯のヘッドライトを輸入して取り付け。ドロップバイザーと丸ビッグ、ルーフマーカーも違和感なく収め、小振りな風防もアイボリーで塗装。あえてかすれたような仕上がりを見せる、味のあるペイントも特徴だ。

 メッキをかけたワイパーまわりやAピラーのダミースポットライトは、旧いトラックやローライダーなどを参考に。フロントパネルをスッキリとスムージング。コーナーレンズにはピンストライプを奢りアメリカンに。

 変化をつけるためにアイボリーで塗ったアオリに赤系のラインを追加。左右に取り付けた燃料タンクにはリアフェンダーと同様にブラを装着。フレームのピンストライプと縞板仕様の工具箱、フレアラインが描かれた米国製のホーンもアイキャッチとして十二分。ワイヤーホイール仕立ての後輪はイベント仕様とのことだ。

 新調したというリアの観音扉からもレトロアメリカンな雰囲気。米国ではフレームにテールランプを装着するため、センターよりにランプ類を集結。バック時にはドクロの目が光る。次なる課題はリアまわりとのこと。「できるだけ本場のアメ車に近づけたいけれど、日本車なので難しいですね」と苦労話を聞かせてくれた。

 このようにド派手なスタイルからシンプル系まで、同じ「アメリカン」でもそのアプローチ方法は全く異なる。和装デコトラばかりを見てきた我々からするとただ驚くばかり。

 そして最初に紹介したとおり、トラックカスタムにはユーロスタイルというのもある。これは近日改めて紹介していきます。

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みんなのコメント

7件
  • アメリカンというよりもアジアンって感じですね。
    紫のやつなんかタイで見ますもん。
  • あんまりアメリカンな感じしない。
    デカいハンバーガー目指したらアメリカンドッグになっちゃったというか…。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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