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【試乗】1.4LターボのVW「The Beetle R-Line」はちょうどいいスポーティさ

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【試乗】1.4LターボのVW「The Beetle R-Line」はちょうどいいスポーティさ

ザ・ビートルが内外装と装備の変更をメインに改良!

フォルクスワーゲン(VW)の原点、そしてアイコンであり、今でも多くのファンをもつビートルの現代版「ザ・ビートル(The Beetle)」が4年ぶりに改良された。目玉は大きく分けて3つ。まずはデザイン。前後バンパーを刷新し、VW最新モデルに準じたデザインを採用。より精悍かつスポーティーなルックスになっている。

【試乗】スマート待望のターボモデルをフォーツーとフォーフォーで乗り比べ

インテリアも新しいインパネデザインとしつつ、「ザ・ビートルデザイン」ではダッシュパッド、ドアトリム、ステアリングトリムをボディカラー同色に。インテリアの華やかさが一段と増した印象だ。

2つ目は安全性の強化。新型パサートほどではないが、新たにドライバー疲労検知システムを全車に標準化。さらにブラインドスポットディテクション(後方死角検知機能)、リヤトラフィックアラート(後退時警告・衝突軽減ブレーキ機能)を最上級の2.0Rラインに標準、それ以外のグレードにOP設定。ただし、1・2Lターボエンジン、7速DSGなどパワートレーンはこれまでのままである。

そして3つ目の大注目ポイントが、11月9日に発表・発売される1.4リッターターボエンジン搭載の「ザ・ビートルRライン」の追加。これまでの1.2リッターと2リッターRラインの大きく開いた排気量差を埋める、ファンに熱望されていたグレードだ(限定車には存在した)。

1.4リッターは2リッターターボと共通の挑戦的なデザイン

エクステリアでは前後バンパーデザイン、デュアルエキゾースト、リヤスポイラー、17インチタイヤ&アルミホイールなどが新しく、インテリアはインパネ上部の3連メーター(油温、ストップウオッチ、ブースト計を含め)最上級のザ・ビートル2.0Rラインと共通のデザインを採用。

1.4リッターターボのスペックは最高出力150馬力、最大トルク25.5kg-m+7速DSG。JC08モード燃費はブレーキエネルギー回生システムの効果もあって、車重が40kg軽い1.2リッターターボの17.6km/Lを凌(しの)ぐ18.3km/Lを達成している。

さらにいえば、今回の改良でVWが提供するオンラインサービスCar-Netのひとつ、App-Connect搭載の純正インフォテイメントシステムを標準装備。最新の純正ナビゲーションシステムの採用と合わせ、コネクティビリティは大きく進化したといえる。

そんな新型ザ・ビートルデザイン(1.2リッター)に試乗すると、デビュー当時とはちょっと印象が異なっていた。つまり1.2リッターターボエンジンの105馬力、17.8kg-mという動力性能は今ではかなり穏やかに感じられ、パワー的に山道の登坂や急ぎ足の際に十分とは決していえないものだったのだ。ステアリングの応答性にしてもかなりおっとりしたもので、キビキビ感とは無縁。

とはいえ、あとに乗ったパワー的に優位な1.4リッターモデルと比べ、褒められる部分もある。たとえば16インチタイヤを履く乗り心地で、よりマイルドで体に優しく、ロードノイズを含めた全体的な静粛性の高さでも上まわる。

パワー、トルク不足を補うためエンジンを高回転まで回してもエンジンノイズは音質よく、まったく耳障りではないことなどだ。ビートルの雰囲気をスローライフ的に楽しみたいというユーザーには、これはこれで十分と思える。

1.4Rラインが示した圧倒的にスポーティな走り

一方、ザ・ビートルよりずっと大きく重いパサートやトゥーランを軽々と走らせる1.4リッター、150馬力、25.5kg-mユニットを搭載したRラインは、なるほど十二分なパワー、トルクを柔軟に、ウルトラスムースに発揮。

タイヤサイズが1.2リッターモデルの16インチから17インチなることもあって、ステアリングの応答性は1.2リッターモデルとは別次元。よりキビキビ感、軽快感あるしっかり硬めの乗り心地、フットワークを味合わせてくれるのだ。

とくにサスペンションのしなやかな動き、ストローク感、自然なロール感はゴルフを思わせるもの。Rラインにはパドルシフトも備わっているから、山道でも走りやすく、飛ばすほどにトルキーでひらりひらりとしたスポーティな走りを楽しみ尽くせる。

そう、Rラインの名に恥じないザ・ビートルなのである。ザ・ビートルを最新のスタイリッシュさ極まるデザインや雰囲気だけでなく、走りの質にも満足したいなら迷うことなくこちらだ。

ただ、ゴルフやパサートにはない、荒れた路面でのロードノイズ由来のこもり音の発生はちょっと気になったし、ザ・ビートル全体を見れば、MQBプラットフォーム以前のモデルゆえに自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロールが未装備で、インフォメーションも英語表記のみ(ゴルフ7以降のモデルは日本語表記に)など、改良を受けてもデビュー年次の古さを感じさせる部分はないでもない。それが解決されるのは進化したMQBプラットフォームが採用されるはずの次期型まで待つしかない。

では今、ザ・ビートルは買いではないのか? そんなことはない。くり返すけれど、最新かつ待望の1・4リッターTSIエンジン搭載のRラインの出来映えはよく、限定車やゴルフGTI譲りのパワーユニットがおごられる2.0Rラインを除くザ・ビートルの走行性能全般を一気に現代のレベルへと引き上げている。

購入時に1.2リッターと1.4リッターモデルを比較試乗すれば、その排気量差、価格差ぶん以上の違いが走りだした瞬間からわかるはずである。

(文:青山尚暉/写真:増田貴広)

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