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衝撃の全車電動化で実際どう?? ボルボの旗艦PHV XC90リチャージは国産電動SUV以上の実力派!?

 世の中は脱炭素の時代。これからはクルマのEV化が加速していくと考えられる。しかし筆者自身、心に迷いは残る。日本は、特に日本はね。島国です。どうするの? 発電は。つまり電源のこと。

 みなさん、お家にくる電力会社の請求書。今月は〇〇〇kWh使いました、のようなことが書かれているはず。kWh(キロワットアワー)は、kW(電力)×h(時間)という意味で、消費電力のことです。筆者が常時使っている仕事部屋が季節によって上下しますが、月平均すると300kWhぐらい。

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 いっぽう日産 リーフのバッテリー容量はいちばん大きいモデルで62kWh。これでWLTCモード458kmの航続距離。使用条件によってここまで走るとは思えないので、仮に62kWhフル充電で400km走るとしましょう。約5回フル充電で2000km走ると筆者の部屋の1か月分の電力を消費するのです。

 月2000km、年間24000km。ここまで走るドライバーはいないにしても、2~3か月でこれだけの電力を消費するわけで、クルマのEV化というのは新築の家やマンションが増えるのと同じくらいの電力が必要になるのです。

 つまり、EV化には充電設備の拡充も重要な案件ですが、そもそも論として発電を増やさないといけないのです。

 とはいえEVも作らなくてはいけません。これは欧州や北米カリフォルニア等で、自動車に対するCO2排出量規制がスタートしているから。非常に前置きが長くなりました。

 なぜEVの話をしたかというとボルボ社のプラグインハイブリッド(PHV)試乗会に出席してきたから。実はボルボは2019年から全モデルの電動化に舵を切りました。

文/松田秀士 写真/VOLVO、TOYOTA、MITSUBISHI

【画像ギャラリー】国産SUVのPHEVモデル「トヨタRAV4 PHV」、「三菱アウトランダーPHEV」、「三菱エクリプスクロスPHEV」をみる

ボルボ電動化の本丸! XC90リチャージは後輪をモーターで駆動するAWD

ボルボXC90リチャージ PHV T8 AWD INSCRIPTION(全長4950×全幅1960×全高1760mm/価格 1139万円~)

 そうはいっても今すべてのモデルをEVにするということではなく、2019年から発売されたモデル全てにモーターを搭載しているのです。

 ディーゼルエンジンは廃止し、ガソリンエンジン搭載車も必ずモーターを装備したマイルドハイブリッド、また外部充電が可能なPHV、そして完全な電気自動車(EV)にしてゆくというわけ。

 そこで今回試乗したのがSUVのフラッグシップモデルであるXC90リチャージ PHV T8 AWD INSCRIPTION。外部電源から充電が可能なPHVです。XC90 リチャージは3列シート7人乗りのSUV。全長4950×全幅1960×全高1760mmという日本では大型SUVの部類に入る。

2.0L直4ガソリンターボエンジンとツインチャージャーが搭載。エンジンの最高出力 233kw(318ps)/400Nm。電気モーターの最高出力 34kw/160Nm(フロント)・65kw/240Nm(リア)

 もちろん、エンジン(ガソリン)が搭載されていて、2.0L直4にターボとスーパーチャージャーのツインチャージャーで武装し、この出力が233kw(318ps)/400Nm。これにフロント34kw/160Nm、リア65kw/240Nmの電気モーターが装備される。つまりAWDのリア駆動は電気モーター。

 XC90にはもともとガソリンのみディーゼルのみというモデルが存在したことから、AWD用のプロペラシャフトが通るセンタートンネルが存在するのだがXC90 Rechargeでは、その部分にプラグインハイブリッド用のリチウムイオンバッテリーが搭載されている。

 このバッテリーは96セルから成る350Vで34Ah(アンペアアワー)とカタログに表記されている。ちなみに34Ahは34Aの電流を1時間(h)取り出せるということ。1Aなら34時間です。これを前述のkWhに直すとW(電力)=V(電圧)×A(電流)なので350V×34A=11,900Wh=11.9kWhとなります。

約40km走れるEVモードも搭載

XC90に搭載されているリチウムイオン電池の容量は11.9kWh。EVモードの走行距離は約40.6km

 この11.9kWhのリチウムイオンバッテリーがフル充電で走行できる距離は40.6km。通勤やスーパーへの買い物なら充分な距離。エアコンの使用頻度や季節によってガソリンエンジンの燃費が変わるように、電気だけで走れるEVモードの走行距離も変わります。

 したがってこの40.6kmはおおよそ。実際試乗の走り出しからバッテリーを使い果たしてエンジンが始動するまでに約35km近く走行した。

EVモード、ハイブリッドモード(急加速除く)でのエンジン始動音の静粛性が高い。センターディスプレイで走行モードを簡単に変更することができる

 もちろん1人乗車なので多人数や荷物満載ではもっと距離は短くなるだろうが、エンジンが始動するまでは静粛性が高く逆にロードノイズなどが耳障りではないがよく聞こえる。

 でもエンジン始動したハイブリッドモードになってからも急加速をしない限りよくわからないほど静かだ。

 アクセルを一気に踏み込んで急加速をさせればスーパーチャージャーのブロワーのような音が大きくなるだけ。もちろんその時の加速力はかなりのもので、7人フル乗車でもまったくストレスを感じないはず。

 ちなみにセンターディスプレイから「チャージモード」を選択すれば、停止/走行中に関わらずエンジンが始動して発電し強制的に充電を開始する。この時の走行そのものはハイブリッドモードです。

ハイブリッド走行での「走り」の実力は?

 ハイブリッドモードでは信号からのスタート時はアイドリングストップからモーターだけで走り始めて、後追いでエンジンが始動する。2370kgの車重なので、これを停止状態から動かすのにはかなりのエネルギーが必要。その最初の転がりをモーターが行うことで燃費節約に貢献するのだ。

 バッテリーがゼロになっていても停止時からのスタートではモーターアシストが常におこなわれたので、そのぶんの電力は確保されているらしい。

今回の試乗会での走行距離は約300km、燃費はバッテリーによるモーター走行も含めて11.0km/L台だった

 今回の試乗会での全走行距離は約300kmで燃費はバッテリーによるモーター走行も含めて11.0km/L台と非常に優秀だった。写真にもあるように砂浜を走行できる千里浜を走ったのだが、リアモーターのAWDゆえに不整地でも問題なく走行できた。

 試乗では立山方面に向かい、雪の残る山深く走ったがエアサスゆえの乗り心地が快適で、やんわりしている割にコーナーではふんばるロールでコーナリング性能は思いのほか高かった。タイヤは275/40R21を前後に履いていて、そのパフォーマンスをしっかりと生かすサスになっている。

 金沢への帰路は北陸道を走ったが、パイロットアシストによるACC(先行車追従型クルコン)+LKA(レーンキープアシスト)によって疲れ知らずのクルージングができた。

国産PHEVと比較するとどう?

国内SUVのPHEVモデルは、RAV4 PHV、アウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVの3車種。XC90 リチャージは、これらにないエグゼクティブな室内環境を体感できる

 国産PHEVでは現在発売が中断されているRAV4 PHVやアウトランダーPHEV/エクリプスクロスPHEVがあるが、これらと比べてもXC90は車格が上なので単純比較できない。

 加速力ではRAV4 PHEVはいい勝負をするだろう。ただ、機能面では三菱の両EVは急速充電も可能だ。また室内電源に100Vコンセントは装備されていない。

 とはいえXC90 リチャージを選択する人にとってはどうでも良いことだろう。このエグゼクティブな室内環境は国産のPHEV/SUVにはないもの。

 さらに電動化を旗印に環境への一手を次々に打ち出すボルボに乗ることは、グリーンビジネスが注目され始めている今、既にそれ自体がステータスになっているのだ。

【画像ギャラリー】国産SUVのPHEVモデル「トヨタRAV4 PHV」、「三菱アウトランダーPHEV」、「三菱エクリプスクロスPHEV」をみる

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