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ラディカルRS10へ試乗 2.3L 4気筒ターボで431ps お買い得なサーキットマシン

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ラディカルRS10へ試乗 2.3L 4気筒ターボで431ps お買い得なサーキットマシン

最高出力431psに車重725kg

スポーツカーブランドによる、伝統をオマージュしたような値の張るサーキットマシンは少なからず存在する。だが、このラディカルRS10は生粋のサーキットマシン。公道での走行は認められていない。

【画像】サーキット専用 ラディカルRS10とケータハム・セブン 420R 公道向けの過激モデルも 全133枚

公道用モデルをベースとしたGT3マシン以上の速さや、サーキットの走行会で周囲を黙らせるラップタイムを刻みたいなら、ラディカルRS10を超えるモデルはほぼないだろう。コストパフォーマンスという面でも、かなり強い。

2022年のモデルイヤーに向けた改変で、SR1やSR3よりも上位に位置するモデルとして、SR10が設定された。エンジンECUのマッピングが改良され、ステアリングコラムは再設計。ドライビングポジションも改善している。

オプションとして高性能ブレーキと、最新F1マシンのハロ(Halo)ように、コクピットを包むドライバー・プロテクションも装備できる。高められたスピードを受け止めるために。

最高出力431psに対して車重725kgだから、パワー・ウエイト・レシオは多くのハイパーカーを凌駕する。冷えた状態のスリックタイヤでは、とても受け止めきれない。

サウンドも公道用モデルを圧倒する。試乗させてもらった場所はポルトガル南部のアルガルヴェ・サーキット。数台のSR10とともに走ったが、終始轟音が周囲を包んでいた。

ただし、走りを眺めてワクワクするのと、実際に運転するのとは別問題。スリックタイヤとダウンフォースを活かし切ることは、とても容易なことではない。

大パワーを解き放てる軽量なシャシー

ミドシップされるエンジンは、比較的お馴染みのユニットがベース。2.3L 4気筒ターボのフォード・エコブーストに、入念なチューニングが施してある。間違いない部品を利用し、軽く能力に長けたシャシーへ強力な推進力を与えている。

耐久性にも優れており、リビルドが必要になるインターバルは、サーキット走行の条件下で約40時間。特別に組まれたレーシングエンジンと比べると、遥かに長いといえる。

反面、ヘルメットを通じてだが、サウンドは凡調でキャラクターが薄い。レッドライン付近まで回しても、音響的な喜びは得にくい。

中回転域のトルクは極太。リミッター付近まで回さずにシフトアップしても、加速力に目立った影響はないほど。変速せずにロングコーナーを旋回するような場面では、とても有用に感じられた。

シャシーを慎重に扱う必要はない。簡単に手懐けられ、大きなパワーを解き放てる。スリックタイヤが温まるとトラクションも増加していくから、コーナーのどのポイントでアクセルオンするべきか、慎重に探っていく必要はある。

グリップ力の限界付近での加速を試みれば、勢いは息を呑むほど。後を追うスーパーカーのドライバーでさえ、たじろぐだろう。

公道用モデルと最も異るブレーキ特性

フロントタイヤのグリップ力も同等に高い。ステアリングはダイレクトでバランスも良く、明瞭。高速域ではダウンフォースが働き、ステアリングホイールは明らかに重くなる。SR10が本領を発揮すれば、コーナリング時の横Gは、最大2Gに達するそうだ。

ステアリングコラムの取り付けが見直され、力は込めやすくなっているというが、オプションのパワーステアリングが欲しいところ。試乗を終える頃には、ジムでトレーニングしたような腕の疲労感だった。

ブレーキング時の特性は、公道用モデルと最も異る。ディスクはスチール製で、カーボンセラミックのように突発的な制動力は得られない。だがペダルへ力を込めるほど、強力さが高まっていく。

ABSは備わらず、踏みすぎるとスリックタイヤは簡単にロックしてしまう。滑り始める挙動は突発的で、ブレーキングの限界を見極めることは、当初は難しいと思う。

筆者が試乗したデモカーにはドライバー・プロテクションが備わっていなかったが、助手席に座った別のSR10には装備されていた。フレームがロールケージのようにコクピットを包み、乗り降りしにくい。ルーフがないにも関わらず、かなり圧迫感もあった。

だが数周もサーキットに集中すれば、その存在は気にならなくなった。正面の視界は、わずかに影響を受けるけれど。

サーキットでの能力を考えればお買得

ラディカルRS10の英国価格は、まだ発表されていない。従来モデルの12万3500ポンド(約1914万円)は、大きく超えないようではある。

決して安い金額ではないが、サーキットでの能力を考えれば、間違いなくバーゲンプライス。ドライバーの態勢次第では、上級の走行会だけでなく、実際にレースへ参戦することも可能となる。

ラディカルRS10以上にスリリングな体験は、他のモデルでは簡単に得られるものではない。価格帯を上に広げても。

ラディカルRS10のスペック

英国価格:12万5000ポンド(約1937万円/予想)
全長:4077mm
全幅:1799mm
全高:1093mm
最高速度:289km/h
0-100km/h加速:2.4秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:725kg
パワートレイン:直列4気筒2261ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:431ps/6900rpm
最大トルク:52.4kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速シーケンシャル・マニュアル

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