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日本で売ってほしい!! 高級SUVのド本命インフィニティQXシリーズの魅力と実力

掲載 更新 25
日本で売ってほしい!! 高級SUVのド本命インフィニティQXシリーズの魅力と実力

 日産が海外で展開する高級車チャンネル「INFINITI(インフィニティ)」。インフィニティは本社機能を日本(横浜の日産グローバル本社)におきながら、日本では販売展開していない。

 そのためか、トヨタの「レクサス」に比べて国内で認知度が低いインフィニティであるが、海外向けらしい優雅で大胆なデザインは、日本でもファンは多く、なかでも、インフィニティの高級SUVラインアップである「QXシリーズ」は、「カッコイイ!!」 「日本でも売れそう!!」と、話題になることもしばしば。

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 実際、日本車にはないデザインは新鮮で、日本で見かけたらかなり目立つであろうし、人気が出そうだ。

 今回は、そんな高級SUVのド本命インフィニティ「QXシリーズ」の魅力と実力を、余すところなくお伝えしていこうと思う。

文:吉川賢一
写真:INFINITI

【画像ギャラリー】日本では激レア!! インフィニティの高級SUVラインアップをギャラリーでチェック!!

インフィニティのQXシリーズは全4車種

 インフィニティもレクサスもアキュラも、1980年代のバブル景気を後押しに、日産、トヨタ、ホンダそれぞれが、世界市場を視野に立ち上げたブランドだ。インフィニティとレクサスは1989年に、アキュラは1986年に設立された。

 このうち、日本でも販売されているのは、レクサスのみ。レクサスは、ブランド設立から16年後の2005年に、日本導入となった。

 インフィニティは現在、北米、中国、そして欧州市場で販売されており、主戦場である北米では現在、Q50(日本名:スカイライン)、Q60、QX50、QX55、QX60、QX80(アルマーダの兄弟車)の6車種が販売されている。お気づきの通り、「Q」とつくのが、セダンもしくはクーペ、「QX」とつくのが、SUVだ。

 QXシリーズには、メルセデスベンツAクラスのシャシーを流用したコンパクトクロスオーバーSUV「QX30」もあったが、2019年に生産終了。また、スポーツクーペSUV「QX70」というモデルも存在したのだが、2017モデルを最後にラインアップから消えてしまった。

メルセデス・ベンツAクラスとシャシーを共用していたQ30。その車高を上げ、クロスオーバーSUVとしたのがQX30

2代目FXことQX70。V8エンジンを積むクーペSUVとして、根強い人気があった

 その「QX70」の後継車的な位置づけで2021年2月に登場したのが、QX50をベースとした高級クーペSUVの「QX55」だ。

ドイツ車に負けてないスタイルが自慢の「QX50」

 筆者が日本導入をもっとも熱望しているのが「QX50」だ。全長4690ミリ、全幅1900ミリのミドルクラスSUVであり、レクサスNXよりも大きく、RXよりはちょっとだけ小さい。スタイルが良く、ドイツメーカーのSUVと比べても、まったく見劣りがしないデザインクオリティだ。

QX50は北米販売の主力車種となっている

 パワートレインは、日産の秘密兵器、VCターボ(2.0リッター直4可変圧縮、最大出力268ps)を搭載。マニュアルシフトモード付の無段変速機と、インテリジェント全輪駆動システムを組み合わせる。このパワートレイン、燃費とパフォーマンスで使い分けができる点が優れており、海外での評判がすこぶる高い。日本で味わえないのが非常に悔やまれるエンジンだ。

全長4690ミリ、全幅1900ミリのミドルクラスSUVであり、レクサスNXよりも大きく、RXよりはちょっとだけ小さい

 余談になるが、このVCターボは、欧州向けの新型SUV「キャシュカイ」のe-POWER(1.5リッターVCターボ+e-POWER)の発電専用エンジンとして搭載されることが発表されており、中国向けの新型エクストレイルにも、このVCターボが搭載されることが発表されている。

 日本でもおそらく、今秋の登場が期待されている新型エクストレイルで、(発電専用エンジンとしてか、駆動用エンジンとしてか、あるいはそのどちらもか、はわからないが)何らかの形で、このVCターボが登場してくるだろう。

おしゃれさが際立つ「QX55」

 QX55は、インフィニティのラインアップで最新のモデルだ。かつてインフィニティで成功したモデルのひとつ、「QX70(2013モデルまでは「FX」という名)」の後継車的な位置付けで登場した。

 そのため全体的なプロポーションは、初代FXのマッシブなデザインテイストを受け継ぎ、ダイナミックで存在感のあるエクステリアが印象的だ。フロントグリルやエアインテークの模様は、日本の折り紙に着想を得てデザインしたそう。QX50のルーフラインとは全く異なり、クーペSUVらしさがあふれている。

2021年2月に登場したインフィニティの最新クーペSUV「QX55」。標準採用となっている20インチの大径タイヤホイールによって、キャビンのコンパクトさが際立っている

 ちょっと残念なのは、QX70の血統を受け継ぐSUVとしては、エンジンが物足りなく感じるところ。さらにハイパワーなエンジン、例えば、Q50 RED SPORT(日本だとスカイライン400R)に搭載されている400ps級のV6ツインターボ版もあってほしかったところだ。

リアウィンドウが大きく傾斜した、クーペSUVスタイルのQX55。ピアノタイプのテールランプも特徴的

ファミリー向け高級3列SUV「QX60」の次期型もデビュー近し!!

 また、2020年9月には、次期型QX60を示唆する3列シートSUV「QX60 Monograph(モノグラフ)」が公開されている。ファミリーにむけた使いやすいMPV的な存在として、ラグジュアリーで落ち着いた雰囲気を醸し出しているデザインだ。量産モデルは、2021年に発表されるとのこと。

2020年9月に発表されたコンセプトカー「QX60 Monograph」。デザインの誇張はあると考えられるが、表面に凹凸のないスタイリッシュなデザインは、高級感が漂っている

リアスタイリングもシンプルでカッコよい。ドアハンドルは隠すタイプとなっている

当面は、日本導入は考えにくい

 日産と同じく、インフィニティも販売は不調だ。インフィニティにとって、QX50、そしてQX55は、ブランド存続をかけた重要なモデルであり、これらのモデルがヒットしなければ、インフィニティは、ブランド消滅も否定できない。

 まずは、メインマーケットである海外市場で、QX55をしっかりヒットさせること。そうして体力をつけたのちには、ぜひお膝元である日本市場への導入も検討してほしい。

 日本で、メルセデスベンツやBMWよりもレクサスが売れている理由には、もちろんデザインや他の要素もあるだろうが、どこかで日本人が「日本メーカーのクルマがいい」という思いがあるからではないか、と筆者は考えている。そう考えれば、インフィニティ、そしてアキュラにも勝算はなくはない。

 魅力的なSUVがあるのに、生まれ故郷の日本で購入できないのは非常に惜しい。インフィニティの日本導入は、国内における日産ブランドにとってもプラスに働くはずだ。日産、そしてインフィニティがここからどんな戦略を見せてくれるのか、楽しみにしている。

【画像ギャラリー】日本では激レア!! インフィニティの高級SUVラインアップをギャラリーでチェック!!

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みんなのコメント

25件
  • これより、マグナイトを日本で発売して欲しい。
  • 採算が取れないから売らないんでしょ。
    実際のところ国産のSUVのラインナップが飽和気味だし、お金持ってる人は外車のSUVを選ぶのにわざわざ日本で展開する意味がない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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