現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型ホンダ・シビック・タイプR 開発責任者の思い 電動化時代でもタイプRは不滅

ここから本文です

新型ホンダ・シビック・タイプR 開発責任者の思い 電動化時代でもタイプRは不滅

掲載 78
新型ホンダ・シビック・タイプR 開発責任者の思い 電動化時代でもタイプRは不滅

シビック・タイプR初公開

ついに、新型ホンダ・シビック・タイプRの実車が、東京オートサロン2022(2022年1月14日~16日)で世界初公開された。

【画像】新型タイプRまもなく【先代タイプRと新型シビックと比較】 全165枚

とはいっても、実車は外観をカモフラージュした状態でステージに置かれており、内装は報道陣にも未公開。

また、エンジンスペックなど技術詳細についても、ほぼ未公開という状況だ。

それでも、世界中のタイプRファンにとっては、これまでホンダのSNSなどで小出しされてきた関連情報がついに具体化した感動的な瞬間であろう。

こうした中、発表当日に新型シビックタイプRの開発責任者、柿沼秀樹氏に筆者(桃田健史)からいくつか質問をぶつけてみた(以下、Q&A形式での記述とする)。

――これまでの開発について振り返って、今どう感じるか?

「2017年デビューで2020年に商品改良した現行モデル、FK8の開発もわたしが担当した。同モデル開発を受け持つと決まった時点で、その前のタイプRはより速く走るために無駄なものを削ぎ落とすという発想だった」

「サスペンションセッティングもかなり硬めとなっていた。一方で、ベース車としてシビックは(商品戦略によって)車格が上がり、またタイプRでも環境対策への考慮も必要となっていた。力技で速さを求めるには限界を迎えていたと感じていた」

自分で作ったものを、自分で超える

――つまり、タイプRの変化は必然だった?

「乗って感じる信頼感があり、そのうえで快適性がある、クルマの基本性能を満たしたスポーツカーを目指した」

――そうした間口を広げた考え方がユーザーにも響いた?
「新しいお客さま、そしてもちろんタイプRフリークにも(そうした考え方が)理解され、(結果的に)歴代タイプRの中で販売台数が最も高くなった」

――そのモデルを今回さらに進化させる難しさは当然あったと思うが?

「自分で作ったものを、自分で超える。酸いも甘いも分かっている。そのうえで、何を大事にして進化させようかと……」

「(タイプRなのだから)速さは当然ついてくる。(ちょうどブース内で鈴鹿サーキット走行の様子が映り)あの時もわたし自身で鈴鹿を走ってるが、目指したのは、もっとクルマを信頼して走れるような、人中心の意のままのハンドリング。タイプRとドライバーとの一体感をもっとよくできると考えた」

――それでどう進めたのか?

「5ドアのシビックで進化が礎(いしずえ)にある。それをいかに磨きあげるかと考えた」

――具体的には?

「(きょうの段階では詳細を公開することができないが)例えば、エンジン関連のソフトウエア系をブラッシュアップした。もっともっとよくできると、(そうした実感を持ちながら開発を)やりきった」

競合は気にしない、タイプRを極める

――ひとことで、このクルマを表現すると?

「タイプRに期待していただいているお客さまに、これは現行車と比べてどれだか良くなったのかと聞かれたら、『ふた皮むけた』と言いたい。それくらい、磨き切った。コンセプトは、アルティメイトスポーツ。究極のスポーツ性を目指したクルマだ」

――現状で、ライバル車を含めて、シビック・タイプRの商品としての立ち位置をどう考えているのか?

「(業界内での)立ち位置ということよりも、スポーツ(性能という領域)やモータースポーツはホンダにとって切っても切り離せない。そうした中で、現在のホンダ四輪商品群ではスポーツ(性能を強調するクルマ)が少なくなっている」

「ホンダとして新しいスポーツ(という領域)を背負っているのが、タイプRだ。(そもそも)競合車がどうだとか、気にしたことはない。よそは、よそ。こちらは、タイプRを極めるだけだ」

――そのモータースポーツとの関わりは新型シビック・タイプRとしてどうなるのか?

「いままで以上にモータースポーツとの関係性を高めていく。わたし自身、現行タイプRでスーパー耐久に参戦しているが、お客さまに対しても、量産タイプRを使うモータースポーツ連携の活用方法をもっと広げていきたい」

電動化の中でどう進む?

――電動化が必然となるこれからの時代、タイプRの将来をどう見ているか?

「目的はカーボンニュートラルであり、電動化は(あくまでも)手段だ。タイプRはホンダとしてのスポーツに対する思いを形にしたモデルであり、レシプロ(内燃機関)がなくなるとタイプRがなくなるとは思えない」

「ホンダが大切にする四輪車のスポーツ性能は、手段変わっても、ずっと生み出し続ける」

――つまり、タイプRは不滅か?

「(ホンダが掲げる2040年EV/FCV100%で)いきなり電動化へシフトするわけでない。内燃機関に対して高い技術があるホンダとして、(水素を活用するなどの)新しいフューエルを含めて、カーボンニュートラルを求めるすべは残っていると思う」

「(そのうえで)タイプRとしてホンダのスポーツを表現するとき、どのタイミングで何がベストかという考え方で、これから進んでいけば良い」

タイプRに向けた思いを、ホンダがユーザーや販売店に対して、これからも丁寧に説明し続けていくこと。それが、タイプR存続にとって最も重要であるのだと、柿沼氏の話を聞きながら感じた。

時代がこれからどう変化していこうとも、ホンダにとってタイプRは必然。

ホンダとしてタイプRをなくしてはならないと、強く思う。

こんな記事も読まれています

最高時速349.4キロは当時の世界最速市販車! 30年前の個体なのに走行距離5600キロの極上ジャガー「XJ220」を発見 どんなスーパーカー?
最高時速349.4キロは当時の世界最速市販車! 30年前の個体なのに走行距離5600キロの極上ジャガー「XJ220」を発見 どんなスーパーカー?
VAGUE
トヨタ新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待の声! 爆速「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」がスゴイ! 開発進む「GR最強モデル」に反響殺到!
トヨタ新型「和製スーパーカー」まもなく登場に期待の声! 爆速「V型10気筒エンジン」搭載もある「超ロングノーズ」がスゴイ! 開発進む「GR最強モデル」に反響殺到!
くるまのニュース
メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
メルセデスベンツ、アップルウォッチで車両情報を確認可能に
レスポンス
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
製造期間わずか[10カ月]!? 初代[シビック]のスポーツモデルである[シビック1200RS]が想像以上にヤバい
ベストカーWeb
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
同乗者が12歳未満だらけなら7人乗りミニバンに10人乗れるってマジ!? 安全面で問題のある道交法の「乗車定員」の考え方は見直すべきだろ!
WEB CARTOP
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
トランプ再選で「台湾軽視」加速? 日本企業3000社以上進出、有事リスクをどう捉えるべきか
Merkmal
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
「すごい横転事故…」 首都高羽田線が一時「通行止め!」 東品川の“合流部”で「衝突事故」発生 「完全ストップ」で2車線ふさぐ… 湾岸線や海岸通りも大混雑に
くるまのニュース
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
ソニー・ホンダの次世代EV『AFEELA』にZoom導入、車内会議が可能に
レスポンス
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
トヨタ、WRCマニュファクチャラー選手権4連覇。エバンス今季初優勝、全3台がラリージャパンの上位占める
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
レッドブル&HRC密着:バトルよりタイヤ温存を優先。ノリスの前でフィニッシュするための戦略を遂行したフェルスタッペン
AUTOSPORT web
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
マーベリック・ビニャーレスの最新レプリカモデル「RX-7X マーベリックオークリー」がアライヘルメットから登場!
バイクブロス
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
ガッチリ固定・ワイヤレス充電「スマートフォンホルダー +e」がデイトナから発売!
バイクブロス
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
レスポンス
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
くるまのニュース
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
バイクブロス
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
レスポンス
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
ベストカーWeb
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
AUTOSPORT web

みんなのコメント

78件
  • 言ってる事は理解したいがホンダという会社がその方向を向いているかと言われるとかなり疑問が残る状態
  • 貧乏リーマンには今のタイプRは手が届かない
    400万程度で売ってくれないかなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村