ジャパンモビリティショーのBMWブースにはFCEV(燃料電池車)の「iX5ハイドロジェン」が展示されている。JMS開幕前日に燃料電池車の開発を進めるBMWとトヨタ関係者によるシンポジウムが開かれていた。この催しに参加した小川フミオ氏のレポートをお届けする。
再エネでグリーン水素製造が理想的
BMWジャパン、日本でiX5ハイドロジェンの実証実験を開始。市販燃料電池車の開発に活かす
BMWジャパン(正式にはビー・エム・ダブリュー株式会社)は、水素を燃料とするFCEVの実証実験を、2023年7月25日から開始している。
その車両「iX5ハイドロジェン」を、私も、2022年にアントワープでの国際試乗会でドライブしたことがある。
なんでアントワープだったかというと、巨大な港湾都市であり、船舶や大型貨物車の次世代燃料として、水素が有力視されていて、水素ステーションも増えているため相性がいい、と説明された。
水素を解析して、イオンを取り出し、それを電気エネルギーとしてバッテリーに充電してモーターを駆動する。つまり、水素を燃料とした電気自動車である燃料電池車のiX5ハイドロジェン。
アントワープを走り回ったところ、好印象。トルクがたっぷりあって、加速はスムーズ。燃料としての水素と、窒素化合物の排出ゼロの燃料電池車の可能性を実感させてくれるものだった。
そんななか、「ジャパンモビリティショー2023」開催とタイミングを合わせて、BMW本社で、水素技術におけるジェネラルプログラムマネージャーを務めるドクター・ユルゲン・グルドナー(Dr. Juergen Guldner)が来日した。
ショー開催前の10月24日には、ジャーナリストを招いて「燃料電池車をテーマとしたシンポジウム」が、BMWジャパン主催で開催され、2011年より基礎研究を共同で行っているトヨタ自動車の担当者らも出席。
モデレーターを務めたジャーナリストの清水和夫氏が「風力などで発電した電気の貯蔵は喫緊の課題で、電気から水素を作り(グリーン水素などと呼ばれる)エネルギーとして使うのがひとつの理想型」とするなど、可能性が示唆されたのも印象的だった。
EUは200kmごとの水素ステーション設置を義務化
下記は一問一答の形式で、水素を使う燃料電池車をめぐる、ドクター・グルドナーとのやりとりだ。
ーーゼロエミッションビークルについては、BMWは従来からBEV(バッテリー駆動のEV)に力を入れていますが、水素を使うEVである燃料電池車を開発している理由を教えてください。
「テクノロジー的にどちらも補完関係にあるのです。乗用車から大型トラックまで、従来のICE(エンジン車)をみた場合、BEVはほとんどの使用事例に適合しますが、すべてではありません。たとえば、大型バッテリーは大型トラックには合いませんし、充電施設が少ない地域もあります。充電時間が長すぎると感じるユーザーもいますし、寒冷地域のユーザーは航続距離が短くなることを望みません。タクシーには燃料電池のほうが向いているし、欧米に多い、牽引を定期的に利用するユーザーもそうです」
ーー燃料電池の導入プログラムは現実的でしょうか。
「EUでは、2030年末までに、人口10万人規模の都市はその周辺に水素ステーションを200キロごとに設置することを義務づけています。最初は商用車が中心ですが、この水素ステーションのなかには、乗用車用の700バール拠点も含まれていて、数にすると600以上の水素ステーションが見込まれています。従来のサービスステーションからのコンバートが容易であることや、少なくとも欧州では日本のように特別な資格(国家試験である高圧ガス製造保安責任者試験に合格した高圧ガス保安監督者)なしで、ドライバーが自分で充填できるし、ステーションは24時間空いています」
そうなると、燃料電池車がぐっと身近な存在に感じられてくる。BMWではEUと歩を揃えて前に進んでいるのだ。そうは言っても、BMWは商用車を作っていないではないですか、と指摘すると、ドクター・グルドナーは「そこにコラボレーションをする意味があるのです」と語るのだった。
次回へ続く
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みんなのコメント
ここまで増やさないとFCVも普及しないか。
日本は増やすといいながら実際は水素ステーションの新規設置数がどんどん減っていると言うのにどうするんだろうね?