ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回はベストカー名物の「ランキング企画」より、2014年4月号の「300万円以下・エコだけど走りの楽しい日欧コンパクトカー」カテゴリーのランキングをプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
選考:石川真禧照、鈴木直也、国沢光宏、片岡英明、渡辺陽一郎/構成:編集部
スイフトがボルボV40 ゴルフ フォードフィエスタを迎え撃つ!!! 300万円以下「エコだけど走りの楽しい」日欧コンパクトカーランキング2014【ベストカーアーカイブス】
【画像ギャラリー】スイフトがボルボV40 ゴルフ フォードフィエスタを迎え撃つ!!! 300万円以下「エコだけど走りの楽しい」日欧コンパクトカーランキング2014(8枚)
■「300万円以下・エコだけど走りの楽しい日欧コンパクトカーカテゴリー」ここがポイント!
ノミネートは28車種!
今回のランキング企画では、5名の選考委員がエントリーされたモデルたちのランキングを各々決定、各モデルに付けられた点数を合計し「点数の小さいもの」を上位として総合ランキングが決定……、という方式を採用した。
当然ながら各選考委員の価値観や判断基準で採点・評価が大きく違う車種もある。本文ではそのあたりを各選考委員に解説してもらっている。
* * *
このカテゴリー、最近ではどうしても輸入車が多くなっているのが現実。この4台と真っ向対決できる日本車よ!
300万円以下で買える『エコで走りの楽しいコンパクトカー』、実に28車種がエントリー。上のノミネート表が安い順に並べたリストだが、VW up!、ルノールーテシアに200万円を切るモデルが設定されていることをあらためて知らされて、ちょっと意外な発見、という気持ちになった。
いっぽう、「国産車が少ないなぁ……」というのもあらためて思い知らされた事実。220万円前後の価格帯で「日欧コンパクトカーライバル対決」が繰り広げられたら、このカテゴリーはより面白くなるだろう。
そして、昨年(2013年)12月に日本での発売が開始された、フォードフィエスタのランキングが気になるところだ。
300万円以下・エコだけど走りの楽しい日欧コンパクトカー・全28車種のランキング結果。各選考委員の順位を合計して、合計点の低いクルマが高順位となる
■石川真禧照氏に聞いてみた
1位 ボルボV40 T4……石川氏の14位にもめげることなく総合トップに輝いたのはボルボV40。ゴルフかV40かは、クルマ好きなら「好みの問題」というレベル。180ps/24.4kgmのエンジンはパワフル。289万円で安全装備満載なのは魅力的だ
【編集部からのクエスチョン】5名の皆さんの総合ランキングでトップになったボルボV40ですが、石川さんは14位と低い順位です。また、総合2位となったゴルフも11位にしています。いっぽう、フィエスタを1位にされていますが、どのような理由で!?
* * *
エコだけど走りが楽しいベーシック&コンパクト、というと、ボルボV40やゴルフをトップに挙すことはできない。
エコという部分ではちょっとムリがあるからだ。ボクの実走燃費データではどちらも10~14km/L。さらに走りの楽しさ、クルマとの一体感という点ではもっとコンパクトでもよいのかな、という気持ちだ。
フィエスタは3気筒1Lという新開発のコンパクトエンジンを搭載しつつも、100psを発生。しかも6速のパワーシフトATは、デュアルクラッチを採用し、シフトフィールもよい。
さらにハンドルを握っていてワクワクするのは、アドバンストラックという車両安定技術が、本当に速くて安全なコーナリングを味わわせてくれるから。このコントロールのしやすさは誰もが恩恵を受けることができる。
その点、ボルボV40は、走りの楽しさというよりもスタイリングの美しさや、安全装備の充実ということに関しては文句なくトップにランクさせることができるものの、表題に対しては、ほかにも上のクルマもいる。
ゴルフに関しては、軽快感は旧型よりも上だが、ノーマル仕様では物足りない。むしろGTiがノーマルゴルフのレベルだったら、かなり上位にランクインさせていた。
■鈴木直也氏に聞いてみた
2位 VWゴルフTSIコンフォートライン……もはや『定番』の安心感を持つVWゴルフ。トップのV40とは1ポイント差で、どちらが1位でもおかしくはない実力拮抗。269万円のコンフォートラインは1.2Lターボで105ps/17.8kgm。トルクフルな走りだ
【編集部からのクエスチョン】総合ランキングで1位、2位となったボルボV40、ゴルフよりも直也さんはスイフトスポーツやフィットハイブリッドを高くランキングしているのが印象的。その理由は!?
* * *
これは簡単にいえばコストパフォーマンスを考慮したから。
このジャンルの“適性価格”は200万円というのがぼくのイメージ。V40もゴルフも魅力的なクルマだけど、175万円のスイフトスポーツや193万円のフィットHVと比べると、やっぱりかなりお高く感じるわけです。
だって、普通の若いサラリーマンが「走りの楽しいクルマが欲しいな」と思ったとして、乗り出し300万円オーバーというのはちょっときついでしょ?
高出力とか、快適性とか、ブランドイメージとか、そういう余計な(といっちゃ言いすぎか?)モロモロを抜きにすることで、スイフトスポーツはすごく買いやすくなってる。しかも、いちばん大事な「走りの楽しさ」のコア部分は、とても上質で充分満足できるものが残ってる。
このあたりが、ぼくの順位づけの理由です。
そんなこと言うと「でもお前は300万の208GTiを2位にしてるじゃん」、というツッコミが入るかもしれませんが、ゴメンナサイ、このへんは完全に個人的な好みです。
プジョー208GTiはこのクラスのスポーツHBの中で珍しく古典的な“ホットハッチ”感覚を色濃く残したクルマで、スイフトスポーツ同様「ぜひMTで走りたい!」と思わせるキャラクター。ここに惚れて2位ということにいたしました。
総合で1、2位となったV40とゴルフについては、まったくその結果に異存はないのですが、強いて注文をつけるとすれば、この上位2車には「若々しさが足りない」という感じでしょうかね。
■国沢光宏氏に聞いてみた
229万円の価格で登場したフォードフィエスタ。直列3気筒の1Lターボエンジンは100ps/17.3kgm。コンパクトカーの新たな魅力を見せてくれる
【編集部からのクエスチョン】国沢さんが16位と、低めの順位付けとしたフィエスタを石川さんはトップにランキングしています。そのあたり、どのように思いますか!?
* * *
私の順位はあくまで「私が魅力を感じるかどうか」という観点から決めている。
だからこそVWゴルフを高く評価しつつも(知人や友人から相談されたら最初にゴルフ7を挙げる)、1位にランクしたボルボV40を買ったのだ。
石川兄はクルマのハードで順位を付けているのかもしれません。石川兄がこのジャンルから1台自分のクルマを買うとすれば、100%フィエスタにゃならんと思う。
私がこのリストのなかからフィエスタを買う確率は、やっぱり16番目くらいだと考えます。なぜか? よいクルマと楽しいクルマって違うからだ。
レヴォーグの紹介記事で「欧州フォードのクルマは凄くよいけど日本じゃ売れない」と書いた。この文法がキッチリとフィエスタにも当てはまる。ハンドル握るとホントによくできたクルマだと思う。大先輩の石川兄が1位にしちゃうのだってよ~く理解できるけど「だったら日本車でもいっか」になるワケ。
ここまで読んで「それでも16位はないだろ!」と思うかもしれません。繰り返しになるが、ハードの評価だけすれば、余裕のシングル順位になる。
簡易型ながら自動ブレーキ標準装備だし、このクラスじゃ珍しくツインクラッチATを採用。装備内容を考えたら、お買い得感満点の価格設定かと。でも輸入車を買うのなら、趣味性の高いモデルを選ぶ。
■片岡英明氏に聞いてみた
【編集部からのクエスチョン】VWup!のトータルランキングは22位とずいぶんと低いです。片岡さんは10位に入れていますが、そのあたり、どのように見られますか!?
* * *
世界中で最も数多くのクルマが生産され、自動車メーカーが並々ならぬ力を注いでいるのがCセグメントの2BOXカーだ。最近は、このクラスもダウンサイジングが進んできた。排気量を1.5L以下とし、ターボなどの過給機を積んで燃費などのエコと高性能を両立させるクルマが増えてきている。
予想通り、トップになったのは走りがスポーティで、安全性能も世界トップレベルのボルボV40だ。リーズナブルな価格設定も魅力的と映る。2位はファミリーカーとして秀でたバランス感覚のゴルフTSIコンフォートラインだった。
そして3位にはスズキのスイフトスポーツが食い込んでいる。スイフトはRSも5位と大健闘だ。エンジニアがまじめに作ったクルマであることがよくわかる。ちなみに4位になったのは、ワインディングロードで気持ちいい走りを楽しめるプジョーの208GTiだ。
意外だったのは、鳴り物入りで登場したフォルクスワーゲンのup!だ。予想もしなかった22位となっている。運転してみるとクルマを操る楽しさはビンビン伝わってくるし、VWらしい質の高さも損なわれていない。
だが、マニュアルをベースとした2ペダルのシングルクラッチトランスミッションは、慣れてコツをつかまないとギクシャクする。MT車の楽しさを知っている人にはいいが、AT育ちだと違和感があり、乗りづらいと感じるだろう。また、ウィンドウの開閉なども戸惑うなど、使い勝手はいま一歩。これが足を引っ張って下位に沈んだ。
■渡辺陽一郎氏に聞いてみた
3位 スズキ スイフトスポーツ……日本車で唯一『リアルホットハッチ』と呼べる存在がスイフトスポーツだ。1.6L直4エンジンは136ps/16.3kgmを発揮。このエンジン、豪快に吹け上がり楽しいエンジンだ。価格は174万8250円とこれまた魅力的
【編集部からのクエスチョン】スイフトRSを4位にしています。これはゴルフやボルボV40よりは低いですが、ベンツA180やプジョー208GTiよりも高い順位です。その理由を教えて下さい。
* * *
スイフトRSは1.2Lのノーマルエンジンを搭載する。1~3位に挙げたゴルフ、V40、ポロなどに比べて動力性能は低く、後席の居住性や装備も見劣りする。
その代わりスイフトRSでなければ味わえない個性がある。RS専用の足まわりと1tを下まわる車両重量で、操舵感はとても軽快。後輪の接地性を相応に保ったうえで、車両の向きを変えやすい。アクセル操作によるコントロール性を含め、運転の楽しさを実感できる。
しかもバランスのよさを備えたうえ、スイフトスポーツほど旋回性能は高くない。さまざまなユーザーが、自分の運転技量に応じてスポーティに走れる。
エンジンも同様だ。5速MT仕様を選べば、さほど速度を高めずに性能をフルに引き出せる。表現を変えれば、動力性能の高いエンジンならシフトダウンの必要を感じない場面でも1.2Lでは力不足に陥ることが多い。
つまりスイフトRSでは、高回転域まで引っ張ってシフトアップしたり、ヒール&トゥでシフトダウンする作業が、「ムダな遊び」ではなく「速く走らせるために必要なテクニック」になる。少し非力だった昔のスポーティハッチバックに通じる運転感覚だ。
それでも走行安定性は現代のクルマらしく底上げされ、車両の動きは素直だから、ベテランドライバーはもちろん初心者にも適する。運転を正しく覚えて上達するための教材にはピッタリだ。
4月に日本導入予定の3代目となる新型ミニ。クーパーに搭載されるエンジンは1.5Lの直3ターボで136ps/22.4kgmを発揮する
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このカテゴリー、欧州車が多くなるのだが、そのなかでもスイフトスポーツ&スイフトRSの健闘が目立った。100万円台という価格も魅力的だ!
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
投稿 スイフトがボルボV40 ゴルフ フォードフィエスタを迎え撃つ!!! 300万円以下「エコだけど走りの楽しい」日欧コンパクトカーランキング2014【ベストカーアーカイブス】 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
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