「最近取材で新車ディーラーを回っていると、新車ディーラーの敷地内で中古車を扱う店舗が増えている」と言うのは、新車販売事情に詳しい自動車ジャーナリストの遠藤徹氏。
同系列の販売会社が、新車ディーラーとは別の敷地に自社の中古車店を展開しているケースはこれまでもあった。しかし、最近は新車ディーラーの店舗で中古車を販売しているというのだ。それは、どうしてなのか? 遠藤氏が解説する。
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文/遠藤 徹 写真/TOYOTA、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新車ディーラーで中古車を併売する店舗の現状を写真でチェック!!
■新車販売の伸びが低下していることなどが影響
最近、首都圏の幹線道路沿いにある新車ディーラー(正規店)では、新車だけでなく、中古車を展示販売する店舗が出現している。
新車販売店の敷地内で認定中古車を販売しているディーラーが増えている
以前は、新車と中古車は明確に分けて売られていた。それが同じ新車ディーラーの店舗の敷地内に中古車展示場も併設されて、同じ営業マンが新車と中古車を併売しているケースが目立って多くなっているのである。
都内の幹線道路沿いにあるこのトヨタディーラーは道路に向かって右側は新車ショールーム、左側が中古車展示場になっているようだ
その理由は何か? 従来だと自動車メーカーは傘下ディーラーに対して新車を優先的に売らせて、中古車は二の次という方針だった。
それが最近は少しずつ変わってきたのである。それは新車の販売の伸びが以前よりも低下したのと、ライバル社とのシェア争いの度合いが減少し、自社の保有ユーザーを増やすことのほうに重点を置き始めたことが影響している。
ダイハツ、スズキなど軽自動車中心の店舗は以前から新車を売る店舗の敷地内に中古車の展示場を併設し、新車と中古車の両方の車種を売っていた。それでも新車販売を常に優先し、中古車は別の専門展示場でも販売するのが一般的だった。
ダイハツやスズキのディーラーは以前から中古車も扱う新車ディーラーもあった
それがここにきてスタンスが大きく変わっている。併設の店舗に出向くと営業マンが応対し「要件は新車購入ですか、それとも中古車希望ですか。」といった切り出し方をしている。
■新車ディーラーで扱う中古車は高年式の極上車
都内の某トヨタモデリスタ東京の併設店に出向くと、営業マンが応対し、以前は新車の販売のみだったのが、「つい最近になって自社銘柄の中古車を販売するようになりました」という。おもに新車販売の際に下取りしたトヨタの中古車を商品化して展示販売しているのである。
販売される中古車で最も多いのは、5年落ちで走行距離5万kmあたりという比較的程度のよい車種に限られる。アクアSタイプだと、135万~138万円の表示価格だった。新車の半額くらいで購入できるケースが多い。
売れらている中古車は、例えば5年落ちで走行距離5万kmあたりという比較的程度のよい車両。価格はアクアSタイプだと135万~138万円くらい
同じ営業マンが新車、中古車両方を売っているのであるが、毎月売るノルマの数え方が異なる。中古車は2台売らないと新車の1台分のノルマにならないのだ。中古車は価格が安く、展示場での販売に限られるので、その販売台数を稼ぎやすいという評価の仕方をしているためである。
販売する場合の条件も差がある。基本的には表示価格どおりに売り、値引きはしない。
割賦販売にしても新車は残価設定クレジット、残価据え置き型2回払い、通常ローンなどいろいろ支払い方法を選べるが、中古車だと残価設定クレジットや残価据え置き型は利用できない。通常ローンか現金払いのみとなる。
また、ローンの支払いは実質金利が新車よりも1%以上高い傾向がある。
扱う中古車は自社銘柄が多く、他社銘柄は余程コンディションのいい高年式車でない限り、滅多に扱わないケースがほとんどである。下取り車で発生するものに限られ、一般の中古車販売のようにオークションやユーザーからの直接買い入れなどは行わない。
新車ディーラーで販売される中古車は高年式のきれいな車両ばかり
下取り車は自社銘柄だけを扱い、他銘柄は自社の中古車専門展示場で売るか、取引のある中古車専売業者に卸売りする。
新車店舗で売る中古車の年式は5年落ち以降の中高年式車であり、それ以前の低年式車は廃車処理にするか、商品化できる車両であれば自社の中古車専門展示場で販売するか、他銘柄であれば取引のある中古車専業店に卸売りし、そこからユーザーに販売する。
■新車価格の高騰と在庫管理の進歩が中古車販売を後押し
新車を扱うディーラーが自社で下取りする車両を売るようになっているのはほかにも理由がある。最近の新車はハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車、燃料電池車などの電動化、安全対策強化、便利装備の充実などで車両価格が跳ね上がり、これが新車販売の頭打ち傾向に繋がっている。
中古車であれば5年落ちだと新車の半額くらいの価格で買える。2~3年落ちの高年式車であれば、自動ブレーキなどの安全対策採用モデルも増えているので、高齢者が入手しやすいという事情もある。
さらに在庫管理もしやすく、ベストの中古車が捜しやすい状況になっているのも追い風になっている。
以前だと幹線道路沿いにある中古車街にユーザーが直接出向いて展示車を1台ずつチェックし、探し回る努力が必要だった。それが最近では営業マンが携帯するタブレッドやスマートフォンで、在庫車、展示車を短時間で簡単に探せる。
希望の車種、価格、装備、ボディカラー、年式がわかれば展示してある現場に出向き、直接現車を見て購入を検討することもできるようになっている。
■今後も新車と中古車の併売店舗は増えるのか?
最近はコロナ禍であり、営業マンがユーザーのもとに出向き、対面で商談を進める機会をつくりにくくなっていて、ユーザーがショールームに来るのを待ち構える売り方が中心になっている。
こうした方法はこれまでの中古車の売り方と同じだから、新車と中古車の併売は余計に効率よく進めやすいといった事情もある。
従来のダイハツ、スズキのほかに、特に新車と中古車の併売店舗が目立つようになっているのは、登録車メインの系列店ではトヨタをはじめホンダ、マツダ、スバル、三菱自動車などが上げられる。
日産はまだ少なく大型の中古車展示場で新車も扱うといった逆の対処法の店舗も目立つ。
日産は新車ディーラーの敷地内で中古車を扱うケースはまだ少ないが、系列中古車店が隣接する店舗はある
ただ新車ディーラーがあまり本格的に中古車販売に力を入れ過ぎると肝心の新車販売がおろそかになり、マイナス効果になりかねないので、そのサジ加減が難しいといった側面もありそうだ。
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