マシンデザイナー、テクニカルディレクターとしてF1で輝かしい実績を残してきたエイドリアン・ニューウェイ。彼はチャンピオンチームのレッドブルに所属しているが、当面チームを離れるつもりはないようだ。
先日65歳になったばかりのニューウェイは、1980年代にレイトンハウス(マーチ)でテクニカルディレクターを務めてその名を知らしめた。そしてウイリアムズ、マクラーレンと渡り歩き、自ら設計したマシンでドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを6度ずつ獲得した。
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その後ニューウェイはレッドブルに移籍。2010年代にはブロウンディフューザーなどを駆使し、セバスチャン・ベッテルの4連覇に貢献すると、グラウンドエフェクトカー時代に突入した現在も、ニューウェイがデザインを主導するレッドブルのマシンは圧倒的な強さを見せている。
現在のニューウェイは以前ほど日々のデザイン業務に関わることも少なくなり、その他のプロジェクトにも自由に参加できる立場となっているが、未だチームの重要な戦力であることには変わりなく、今年初めに新たな契約を締結。しばらくはF1を去るつもりはないようだ。
レッドブルの一員であることを楽しんでいるかとmotorsport.comに尋ねられたニューウェイは、こう答えた。
「もちろんだ」
「ウイリアムズ時代やマクラーレン時代は、チームが優勝やチャンピオンを経験していて、既に偉大なチームであった。だからインフラ面で求められることはあまりなく、デザイン面で少しでも貢献できればというところだった」
「だからこそ、私は(当時新興チームだった)レッドブルに移籍したのだ。当時は多少リスクがあったが、私はまた、チームの発展に立ち上げ当初から関わりたかったんだ」
「そういう意味で言えば、クリスチャン(ホーナー)やヘルムート(マルコ)と共にイチからどのようにチームを発展させるかに取り組んできたのに、なぜそこから離れたいと思うだろうか?」
逆にニューウェイにとって、レッドブルを離れたい瞬間はなかったのだろうか? これについてニューウェイは、F1がターボハイブリッドエンジンに移行し、メルセデスが圧倒的な強さを誇るようになった2014年が、唯一チームからの離脱を考えた瞬間だったと語る。当時のレッドブルは2013年まで4連覇していたものの、2014年のルノー製パワーユニットは競争力に欠け、チャンピオンを争うことはできなかった。
「(チームを離脱)しそうになっていたのは2014年だけで、それも全く異なる理由だった」とニューウェイは言う。
「シンプルに言えば、当時のパワーユニットはパフォーマンスが足りていなかった。もちろんそういうことはよくあるがね」
「(ファクトリーで働く)スタッフではなく、メーカーの上の人間から野望を感じられなかった。状況を変えるような投資をしようとしなかったのだ」
「知っての通り、チャンピオンになるためにはドライバー、シャシー、エンジンという3つの要素が重要で、そのどれかが欠けると勝てなくなってしまう。そういう意味では、当時は少し気の毒な状況だった」
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