サーキット走行に備えるチューニングの第一歩
サーキット走行をする上でラップタイムやフィーリング、クルマの耐久性を向上させるためのカスタムやチューニングはいくつもあるが、安全面を考えて必ず交換しておきたいのがブレーキパッドだ。もちろん、それ以外にも重要なパーツはたくさんあるがが、最低でもブレーキパッドだけはサーキット走行に対応したものへと交換しておくことをオススメする。
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サーキット走行を想定していない純正パッド
なぜ純正ブレーキパッドでサーキット走行するのが危険なのかというと、完全に役者不足であるから。国産車の純正パッドはそもそもサーキット走行のような激しいブレーキングを想定しておらず、ブレーキが効かなくなるフェードポイント(温度)が300℃~350℃程度と低い。
純正パッドのままサーキットを攻めると、下手をすれば2周目にはフェードを起こして効かなくなることもある。ミニサーキットだからと油断すると、ストレートが短いせいでブレーキの冷える時間がなく、現実には大規模なサーキットよりも過酷な状況だってあり得るのだ。
サーキット用はローター適正温度を基準に選ぼう
では、どのようなブレーキパッドに交換すればいいのだろうか? 各メーカーからサーキット対応のブレーキパッドが数多くリリースされているが、具体的に何を基準に選べば良いのか悩んでいる人もいることだろう。 ここでひとつの判断材料といえるのが、ローター適正温度域だ。サーキットでの激しいブレーキングを考慮すれば、上限値は600℃以上を推奨する。もちろんコースや車両重量、乗り方によってブレーキへの負担は変わってくるので、あくまで参考値として考えてほしい。
意外に見落とされるのが下限値で、街乗りも考慮するなら常温域にも対応しているパッドを選ぶのが基本だ。サーキットに特化したブレーキパッドの場合、下限値が300℃からという極端なものもある。冷えている時に効かないブレーキパッドは、使い方を心得たサーキット上級者用と言えるだろう。
材質は「メタル含有系」が主にスポーツ走行向き
ローター適正温度域と一緒に悩むのが材質だが、おおむねノンアスベスト系とメタル含有系に大別できる。細かく見るとグラスファイバーやカーボン、セラミックなどの材質も混ぜられているのだが、これらの材質をどのような配合にするかでブレーキパッドの性能が決まってくるのだ。
一般的にノンアスベスト系はローター攻撃性が低く、鳴きも抑えられていてストリート向きの性格が強い。逆にメタル含有系はローター攻撃性が高くて鳴きも多くなるが、高温への耐性が高いことからスポーツ走行用となる。ただ、最先端の素材開発によってノンアスベスト材は進歩しており、スポーツ走行対応モデルも存在する。 材質に関しては、ブレーキパッドで重要な要素となる「コントロール性」にも深く関わってくるので、各種インプレッションを参考にすることも大切だ。ジムカーナのような特殊な競技では、ゼロ発進からいきなり急制動したりリヤをロックさせてスピンターンするなど、独特のブレーキ性能が求められるケースもある。自分の車種や乗り方を考慮し、有益なインプレッションを参考にしてもらいたい。
ブレーキフルードの交換も忘れずに
最後に忘れてはならないのが、必ずブレーキフルードもスポーツ走行に対応したものへ交換すること。ノーマルのままでは高温によってブレーキフルードが沸騰し、空気を噛んで「ベーパーロック現象」を起こしてしまう。いくら高性能なパッドでも、押し付ける力が働かないのでは無意味になってしまうからだ。
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みんなのコメント
フルードの性能や状態のほうが優先順位は上だと思うが。