カワサキはスーパーチャージャー搭載の高性能ツアラー「Ninja H2 SX」「Ninja H2 SX SE」の国内正規モデルを3月1日より発売。998ccで最高出力200psを誇るモンスターマシンである。(REPORT:北秀昭)
「Ninja H2 SX」と「Ninja H2 SX SE」は、スーパーチャージャー付きエンジンの新たな可能性を追求した超高性能なスポーツツアラー。スーパーチャージャー独特の強烈な加速力と扱いやすさを両立した同モデルは、既存のツーリングモデルの概念をくつがえす高いパフォーマンスを秘めているのが特徴だ。「Ninja H2 SX」はスタンダード、「Ninja H2 SX SE」はNinja H2 SXに豪華な装備を盛り込んだゴージャスな特別仕様という位置付け(両モデルの違いは下記参照)。
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パワーユニットは究極の性能を求めつつ、日常での扱いやすさも重視したバランス型のスーパーチャージドエンジン。街乗りなどの低中速回転域では、ベースモデルのNinja H2を凌ぐパワーを発揮する一方、優れた燃費性能を実現。エレクトロニッククルーズコントロールや数々の電子制御技術により、長距離走行をサポートしているのも見逃せないところだ。
新設計のトレリスフレームは、タンデムライディングとリヤに装着するパニアケースに対応。リラックスさとスポーティーさを求めたライディングポジションは、ワインディングから高速走行まで幅広いシーンに適応してくれる。快適性の高いシートは、ライダーとタンデムライダーに上質な走りを提供。灯火類はヘッドライトからナンバー灯にいたるまで、すべてにLEDを採用するなど、フラッグシップモデルに相応しい機能&ツアラーモデルに求められる多くの条件を満たしている。
"バランス型"のスーパーチャージドエンジンに味付け
エンジンはNinja H2と同じ、スーパーチャージャー搭載の水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ998cc。スーパーチャージャーとはエンジンの駆動系と過給機をベルトや歯車などでつなぎ、コンプレッサーを動作。エンジン内に多くの空気を送り込むことで酸素濃度を増やし、ガソリンの燃焼量を増加させるシステムだ。余談だがスーパーチャージャーとは飛行機用エンジンに開発されたもの。酸素濃度の薄い上空でも出力を得られるようにするのが目的だった。スーパーチャージャーはH2にも搭載されているが、Ninja H2 SXとNinja H2 SX SEは"ツアラー"というコンセプトにより作動する回転数が異なっている。
優れたエンジンの熱効率により、エキゾーストシステムには軽量タイプを採用。エンジンブレーキの効き具合を選択できるカワサキエンジンブレーキコントロール、耐久性の向上に貢献するトランスミッション用オイルジェット、最適な混合気をエンジンに供給する電子制御のスロットルバルブ、優れた吸気効率を実現する内部形状を最適化したアルミ製インテークチャンバー、スピーディなシフトチェンジを可能にするドッグリングトランスミッション、軽い操作感とバックトルクリミッター機構を備えたアシスト&スリッパークラッチ、好みや条件に合わせてフル、ミドル、ローの3モードから選択可能なパワーモードなど、最新のテクノロジーも随所に盛り込まれている。
新設計のフレームと強靭な足周りを採用
フレームは剛性と柔軟性を高次元で両立した、新設計の軽量トレリス型を採用。パニアケースを装備した高速走行でも良好な安定性を実現するため、ホイールベースを最適に設定しているのもポイントだ。
フロントフォークは快適性とスポーツ性能を両立した、専用セッティングのフルアジャスタブルφ43mm倒立型。スイングアームは軽量化と安定性向上を目指し、マウンティングプレートを装備。良好な安定性を実現するKYB製のフルアジャスタブルリヤモノショック、優れたブレーキ性能とフィーリングを獲得したラジアルマウント型のフロントディスクブレーキ、高速走行時の安定したパフォーマンスに貢献する17インチの専用アルミホイールなど足周りも充実。
カワサキの高性能ビッグバイクではお馴染みの機構となった、様々な状況で車体を安定させる「カワサキ・トラクション・コントロール(KTRC)」、スーパースポーツ用の高精度ブレーキ制御システム「カワサキ・インテリジェント・アンチロック・ブレーキ・システム(KIBS)」なども装備済みだ。
フラッグシップモデルならでわの豪華な外装&メーター類
美しいカウルはスポーティー&優れたウインドプロテクションを確保する形状にデザイン。ヘッドライトは大光量かつコンパクトなLEDタイプを採用。足着き性の良さに貢献する幅を絞ったスリムな形状のフロントシート、タンデムライダーの快適性を確保する幅広でフラットな形状のリヤシート、液晶パネルとアナログ式タコメーターを組み合わせたスタイリッシュなインストゥルメントパネル、様々な電子制御技術をさらに緻密にしたボッシュ製IMU(慣性計測装置)など豪華な仕様に設定されている。
スロットル操作なしに自動でスピードを維持するエレクトロニッククルーズコントロール、スタイリングを損なわずパニアケースを容易に脱着可能なクリーンマウントパニアシステム、イグニッションキーでパニアケースの解錠ができるワンキーシステム(別売り)、標準装備されたETC2.0車載器キット、タンデムライダー用フットペグのヒールガード部に装備された便利な荷掛けフックなど、ツアラーならでわの装備も充実。
充実の装備!豪華仕様の「Ninja H2 SX SE」
「エメラルドブレイズドグリーン×メタリックディアブロブラック」のツートンカラーを採用した「Ninja H2 SX SE」。スタンダードモデルの「Ninja H2 SX」を凌ぐ、豪華な装備が盛り込まれている。Ninja H2 SXとの違いを挙げてみよう。
・「ツーリング」「スポーツ」の2つのモードから表示を選択できるフルカラーTFT液晶メーターパネルの採用
・車体のバンク角に応じて順番に点灯するLEDコーナリングライトを採用
・2,500rpm以上の回転域であればクラッチ操作無しでシフトアップとシフトダウンが行える「カワサキクイックシフター(KQS)」を採用
・発進時に最も効率的に加速するための電子制御システム「カワサキ・ローンチ・コントロール・モード (KLCM)」を搭載
・ホイールスポーク部切削加工&クリア塗装の採用
・リヤホイールカップリング切削加工&クリア塗装の採用
・ステンレスメッシュブレーキホースの装備
・DC電源ソケットの装備
・大型ウインドシールドの装備
・センタースタンドの装備
・プレミアムフロントシート(ロー)の装備
・プレミアムリヤシートの装備
・グリップヒーターの装備
・タンクパッドの装備
・ニーパッドの装備
・ホイールリムテープの採用
■主要諸元■
※(カッコ内)はNinja H2 SX SE
全長x全幅x全高:2,135mm×775mm×1,205mm(1,260mm)
軸間距離:1,480mm
最低地上高:130mm
シート高:820mm
キャスター/トレール:24.7°/103mm
エンジン種類:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC4バルブ
総排気量:998cc
内径x行程/圧縮比:76.0mm×55.0mm/11.2:1
最高出力:147kW(200PS)/11,000rpm
最大トルク:137N・m(14.0kgf・m)/9,500rpm
始動方式:セルフスターター
点火方式:バッテリ&コイル(トランジスタ点火)
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:4.7L
燃料供給方式:フューエルインジェクション
トランスミッション形式:常噛6段リターン
クラッチ形式:湿式多板
一次減速比 / 二次減速比:1.480(74/50)/2.444(44/18)
フレーム形式:トレリス
懸架方式:前 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 43mm) 後 スイングアーム(ニューユニトラック)
ホイールトラベル:前 120mm 後 139mm
タイヤサイズ:前 120/70 ZR17M/C 58W 後 190/55 ZR17M/C 75W
ホイールサイズ:前 17M/C×MT3.50 後 17M/C×MT6.00
ブレーキ形式:前 デュアルディスク320mm(外径) 後シングルディスク250mm(外径)
ステアリングアングル:(左/右)30°/ 30°
車両重量:256kg(260kg)
燃料タンク容量:19L
乗車定員:2名
最小回転半径:3.1m
価格:1,998,000円(2,376,000円)
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