フランスのル・マン、サルト・サーキットで行われる第90回ル・マン24時間レースは、6月5日のテストデーの走行セッション後、6日(月)、7日(火)は走行がなく、各チームがレースウイークに向けた準備などを行った。
また、7日にはサーキットが観客に開放され、ピットウォークなどのイベントが設けられたほか、恒例の全車集合写真撮影なども行われ、レースウイークへの熱はいよいよ高まってきている。
【基本情報まとめ】2022年ル・マン24時間レース スケジュール/エントリーリスト/放送・配信予定etc.
そんな火曜日のパドックから、写真とともに各種トピックスをお届けする。
■“記念写真撮影デー”到来
火曜日の夕方、第90回ル・マン24時間レースに出場する4クラス・62台の集合写真撮影が、サーキットのストレート上で行われた。また、これとは別に全186名のドライバーの記念写真も、グリッドで行われている。
さらに、トヨタ、ポルシェ、フェラーリなど、参戦する各マニュファクチャラーは、この走行前のタイミングでそれぞれの記念写真撮影に臨んだ。
■これはいわゆる“タイヤ交換選手権”では
また、この日のサルト・サーキットは、サポートレースを含めて走行がなかったが、ピットレーンでは多くのイベントが行われた。ファンを対象にしたピットウォークとオートグラフ・セッション(サイン会)、そしてル・マン初となるタイヤ交換競争が、午後から開催された。
ピットレーンに大勢の観客が集まるなか、4人のメカニックが4本のタイヤを交換するスピードを競うというこのイベント。各カテゴリーの最速クルーとタイムは、次のとおりだ。
ハイパーカー:トヨタGAZOO Racing8号車(10秒1)
LMP2:TDSレーシング×バイヨン13号車(11秒6)
LMGTEプロ:ポルシェGTチーム(タイム非公開)
LMGTEアマ:TFスポーツ(10秒1)
■トヨタ“190km/h以上”の使いどころ
トヨタGAZOO Racingのセバスチャン・ブエミは、ライバルであるアルピーヌの「ストレートスピードに苦戦している」という主張に納得していない様子だ。
「彼らが(スパよりも性能が)落ちている理由は見当たらないし、スパよりも(BoP=性能調整で)パワーを得ているじゃないか」
「僕らは長い間、彼らと競争してきた。そこに驚きはない。彼らは肝心のレースでは、もっと良くなるはずだ」
なお、TGR-Eのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは、サルト・サーキットにおいてGR010ハイブリッドが電気モーターのブーストをデプロイできる場所について明らかにした。
「テルトル・ルージュの出口と、ポルシェコーナーのいくつかの出口で使うことができる」とバセロン。
フロントアクスルに搭載されるトヨタのハイブリッド・モーターは、今季のBoPにより、車速が190km/h以上にある状態でしか、使用することができない。
■いわゆる“最終コーナー”に命名権
常設のブガッティ・サーキットと、サルト・サーキットが交わる“ラコルドマン”コーナーは、モチュールがスポンサーを務めることとなった。
火曜日の朝に行われたセレモニーで、このコーナーは「Virage du Raccordement Motul(ヴィラージュ・ドゥ・ラコルドマン・モチュール)」と改名された。
フランスの潤滑油メーカーであるモチュール社のオイルは、ル・マンに参戦するすべてのLMP2チームと、グリッケンハウスのハイパーカーで使用されている。
■ドライバー関連情報まとめ
ABB FIAフォーミュラE世界チャンピオンのニック・デ・フリースは、トヨタのリザーブドライバーとしてパドックを訪れている。
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インターユーロポル・コンペティションの34号車オレカ07・ギブソンでLMP2に挑むアレックス・ブランドルは、父マーティン、ルーカス・オルドネスとともにル・マンにデビューしてから10年経った今年、9回目のル・マン参戦を迎えている。
この10年間で、ドライバーのラインナップはより競争力が増し、真剣勝負になってきたと彼は言う。「このレースから、すべての“デッドウエイト”は取り除かれたんだ」とブランドルは表現している。
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アレクサンダー・シムズは、昨年のIMSAモチュール・プチ・ル・マン以来、7カ月ぶりにLMGTE仕様のシボレー・コルベットC8.Rでレースに挑んでいる。
彼はここ3週間、ニュルブルクリンク24時間レースでのBMW M4 GT3、フォーミュラEジャカルタ戦でのマヒンドラM8エレクトロ、そしてコルベットと、3台のまったく異なるタイプのマシンをドライブすることになる。
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WRC王者のセバスチャン・オジエは、リシャール・ミル・レーシングチームからのル・マンデビューに向けて2~3kgの減量を行ったという。これにより、オジエは1号車オレカのパフォーマンスを最大限に引き出すことを目指している。
■“仮設ピット”に戻ったユナイテッドAS
LMP2に2台をエントリーするユナイテッド・オートスポーツは今年、ピット入口に最も近いふたつの仮設ピットガレージへと戻っている。
ブガッティサーキットの常設ピット数は60で、62台がエントリーするには、ピット棟とコントロールタワーの間にある通路に、この仮設ピットを設ける必要がある。
昨年のレースではハイクラス・レーシングがこのスペースを使用していたが、2020年はユナイテッド・オートスポーツが使っていた。
チームの共同オーナーであるリチャード・ディーンは、この仮設ピットには長所と短所がある、とかつて語っていた。
いわく、地下からの燃料供給システムに接続できないため、ドラム缶で燃料を保管しなければならないという短所がある一方、ガレージ後方のスペースを広く使えるという長所もあるという。
なお、ユナイテッドの隣、常設ピットの最も最終コーナー寄りは、2012年の復帰以来トヨタの定位置となっている。
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レースウイークの走行初日となる8日(水)は現地時間14時(日本時間21時)から3時間のフリープラクティス1が行われる。その後、19時(日本時間翌2時)から1時間の予選セッションが行われ、翌日の“ハイパーポール”へと進出する各クラス上位6台を決定する。
さらに現地時間22時(日本時間翌5時)から、2時間のフリープラクティス2で、62台のマシンとドライバーはサルト・サーキットで今年初めてとなるナイトセッションを走行する。
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