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【欲張りな人にこそ乗って欲しい!】BMW M440i xDrive クーペは、エレガンスかつスポーティな万能クーペだった!【輸入車ニューモデル試乗】

掲載 更新 25
【欲張りな人にこそ乗って欲しい!】BMW M440i xDrive クーペは、エレガンスかつスポーティな万能クーペだった!【輸入車ニューモデル試乗】

■うっとりするプロポーション
2020年秋に日本上陸を果たした新型BMW 4シリーズ クーペ。13年に3シリーズからクーペとカブリオレが分離独立した4シリーズは、翌14年には4ドアクーペのグラン クーペも加わり、スポーティネスが際立ったキャラクターを確立。あれから7年を経て2代目へ進化した。

「G22」という社内開発コードを持つニュー4シリーズ クーペは、今回も3シリーズとメカニズムを基本的に共用するが、先代よりもさらにキャラクターの差別化が図られている。特にエクステリアはまったくの別モノで、ビジネスユースやファミリーカーとしての需要にも応える3シリーズの面影を感じることは、ほとんど皆無と言っていいくらいである。

【画像ギャラリー】プロポーションが素敵すぎる! BMW M440i xDrive

●BMW M440i xDrive クーペ

もっとも目を引くのは、やはりフロントマスク。19年秋にフランクフルトモーターショーで「コンセプト4」という名のデザインスタディを見たときには度肝を抜かれたが、縦に大きく口を開けた一体型のキドニーグリルは、この新型4シリーズ最大の特徴である。ここ最近のBMWは、キドニーグリルが大型化しているので、その流れに沿ったものと考えれば理解出来なくもないが、個人的には正直違和感がまったくないとは言えない。

BMWは「古くは1936年のBMW 328なども縦長のキドニーグリルだった」と説明するが、ちょっと無理がある。どちらかというと、71年デビューの3.0 CSLや、77年に登場した初代6シリーズ(E24)の方がイメージとしては近い。実際には、切れ長のヘッドライトも含めて、15年にコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開されたコンセプトカー「3.0 CSLオマージュ」がルーツであるように思える。

●2015年に公開された、3.0 CSL オマージュ

いずれにせよ、新型はインパクト抜群の個性的な顔つきとなり、一見して「BMWのスポーツクーペ」であると明確に認識出来るルックスを手に入れた。それこそがデザイナーの狙いだったのだろう。その意味では成功である。発表以来、賛否両論あるようだが、筆者は自動車のデザインはちょっとアクが強いくらいが丁度いいと思っている。ちなみに新型M3セダン/M4クーペも、同様の縦長キドニーグリルとなっている。

フロントマスクばかりに注目が集まってしまうが、新型4シリーズのエクステリアデザインの完成度は極めて高い。プレスラインに頼らずに絶妙なカーブを描く曲面で構成されたボディは、力強さとエレガンスが見事に表現され、セクシーさまで感じさせる。クルマの周囲を360度ぐるりと眺めてみれば、そのプロポーションがとにかく美しいクーペであることがわかる。このクラスのクーペで、これほど美しいスタンスを持つモデルは、ドイツ車としてはかなりレアだ。時間の経過とともに、どんどんカッコよさが増すクルマと言える。


■ロングドライブしたくなる
デザインだけでも十分に購入動機になるが、新型4シリーズ クーペは、走りも魅力に溢れている。試乗車のM440i xDriveは、M4のすぐ下に位置づけられるMパフォーマンスモデルで、ツインスクロールターボチャージャーを備えた387馬力/500Nmを発揮する3L直6を搭載し、これに8速ATを組み合わせて四輪を駆動する。

●BMW伝統のシルキーシックスだが、現代のエンジンらしくターボで武装されている

直6ターボは、アクセルペダルの踏み込み量にとてもリニアに反応し、パワフルで直6ならではの滑らかな回転フィールが味わえる。低回転域からの加速でもターボラグをほとんど感じる事はなく、ドライバビリティは非常にいい。

3シリーズより21mmも低重心というだけあり、ハンドリングもとても俊敏で正確。スピードレンジを問わず狙った走行ラインを意のままにトレース出来る。グリップが太めのステアリングフィールも適度な手応えを感じさせつつ滑らかで心地よい。19インチのタイヤを履く足まわりは、3シリーズのM340i xDriveより若干引き締められているため、乗り心地はやや硬め。だがスポーツクーペに相応しい、ダイナミックな走りが楽しめるモデルに仕上がっている。ただ、ランフラットタイヤでなければ、もっと軽快で気持ちいい走りが楽しめたかもしれない。

実用性も十二分に高い。後席は広々しているとは言い難いものの、シートはしっかりとした作りで、大人2人が問題なく着座できるだけのスペースを備えている。またラゲッジ容量は440Lあり、リヤシート中央にスルーローディング機構も備わる。

●ラゲッジはトランクスルー機能付き

先進運転支援システムはレベル2の最新世代で、3シリーズと同様に「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」も備わる。条件が揃えば手放し運転も可能で、ロングドライブでも疲労が大幅に軽減されるのは間違いない。旅行やゴルフの足としてとても魅力的な一台だが、もちろん走りそのものを楽しみたい人も必ず満足出来るだろう。

<文=竹花寿実 写真=山本佳吾>

■M440i xDrive クーペ(4WD・8速AT) 
主要諸元
【寸法・重量】
全長:4775mm 
全幅:1850mm 
全高:1395mm 
ホイールベース:2850mm 
トレッド:前1580/後1590mm 
最低地上高:129mm 
車両重量:1740kg 
乗車定員:4人 

【エンジン・性能】
型式:B58B30B 
種類:直6DOHCターボ 
総排気量:2997cc 
最高出力:285kW(387ps)/5800rpm 
最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1800~5000rpm 
使用燃料・タンク容量:プレミアム・59L 
WLTCモード燃費:11.2km/L 
最小回転半径:5.7m 

【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後マルチリンク 
ブレーキ:前後Vディスク 
タイヤ:前225/40R19/後255/35R19 

【価格】
1038万円(消費税率10%込み)

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みんなのコメント

25件
  • 次期2シリーズクーペは縦長グリルではなく、かなりグリルが小型化するらしい。

    やっぱ評判悪かったんだろうな。
  • どんな高級宿に泊まっても目をつむれば同じ。どんな外見の車でも乗って運転してよければ走りながら不細工な鼻は見えない。という事にはならないでしょうねー・・。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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