アバルト初の電動モデル
昨年11月に発表されたアバルト初の市販EV「500e」は、そのデビューを記念して欧州全土を巡るツアーを実施している。
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この欧州ツアーは、イタリア、ドイツ、ベルギー、オランダ、英国、ポルトガル、スペインを経て、まもなくオーストリア、フランス、スイスに到達する。出発からすでに4000kmを超え、各地のモーターショーなどで40万人以上の目に触れたが、旅路はまだ5000kmも残っているという。
アバルト500eは、フィアットが販売するEVの500eをベースに、モーターの応答性を高めるなど一連のアップグレードを施した高性能モデルだ。バッテリーは42kWhと変わらないが、最高出力155psと最大トルク24kg-m(35psと1.5kg-mのアップ)を発生させる。
0-100km/h加速は2.0秒短縮の7.0秒となり、ガソリン車のアバルト695のタイム(6.7秒)に肉薄している。しかし、アバルトは発進加速ではなく、中速域での加速力向上に力を入れており、20-40km/hを1秒、40-60km/hを1.5秒未満で達成するという。
ホイールベースはフィアットより24mm長く、トレッド幅も60mm広くなっている。バッテリーを床下に搭載することによる低重心化もあって、コーナリング性能が向上し、ガソリン車より優れたハンドリングを発揮するという。
バッテリーEVではあるものの、アバルトは「サウンドはブランドにとって重要」とし、ガソリンエンジンを凌駕するという人工的なサウンドを標準装備している。この機能をオフにすれば無音走行も可能だ。
導入記念モデルには1500台以上の予約
エクステリアとしては、ワイドでスクエアなフロントエンド、サイドスカート、リップスポイラーが採用され、アバルトらしいスポーティなデザインとなっている。
インテリアでは、7.0インチのメータースクリーン、リアビューカメラ、10.25インチのインフォテインメント・タッチスクリーンなどを標準装備する。上級モデルには、アルカンターラのスポーツシートとJBLスピーカーが搭載される。
また、695と同様にハッチバックとカブリオの2種類が用意されている。
航続距離はまだ公開されていないが、パワー重視のチューニングと、フィアット500eの航続距離延長モード「シェルパ」がないことにより、わずかに短くなると予想される。85kWの急速充電速度に対応し、空の状態から35分で80%まで充電できる。
アバルトによると、導入記念モデルの「スコーピオニッシマ(Scorpionissima)」は、オンラインで1500台以上の予約が入っているという。
スコーピオニッシマは、専用ボディカラーとしてアシッドグリーンとポイズンブルー、18インチアルミホイール、ガラスルーフ、スチールペダルなどを装備し、4万3000ユーロ(約625万円)からとなっている。
欧州では今年6月から納車が始まる予定だ。
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