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ランボリギーニ ウラカンを徹底解説「STOとは似て非なる個性の持ち主だ」

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ランボリギーニ ウラカンを徹底解説「STOとは似て非なる個性の持ち主だ」

2003年から始まったランボルギーニのV10自然吸気エンジンの集大成であり、2万台以上を生産したウラカンシリーズのファイナルモデルとなるのがウラカン テクニカである。ここでは、本格的な日本でのテストドライブを前に、じっくりと実物を撮影する機会を得た。(Motor Magazine2022年10月号より)

後期型のRWD にしてクーペのハイパフォーマンスモデル
ウラカン テクニカ(テクニカ)は、2014年に誕生したウラカンシリーズのなかで12番目に相当し、最後から2番目のモデルとなっている。

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では、最後のモデルは? これは車高を上げたオフロードタイプであることが、ティーザー広告で明らかになっている。ただし、ステファン・ヴィンケルマンCEOは「決して多くの方が期待するモデルではありませんよ」と言明、ニッチなモデルであることを示唆している。

だとすれば、テクニカこそが、長い変遷を辿ってきたウラカンシリーズの実質的な最後を締めくくる重要なモデルということになる。そんなテクニカとは、どのような位置づけのモデルなのか?

従来のウラカンは、4WDかRWDか、クーペかスパイダーか、標準モデルかハイパフォーマンスモデルかのいずれかに分類できる。さらには前期型と後期型(EVOの名がつく)に分けられ、これらの組み合わせから様々なバリエーションを生み出してきた。

この分類にあてはめると、テクニカはRWD、クーペ、ハイパフォーマンスモデル、そして後期型となるが、実はこれ、直前にリリースされた、つまりウラカンシリーズの11番目のモデル、ウラカンSTO(STO)とまったく同じカテゴリーとなる。ただし、実際にはSTOとテクニカはまったくの別物だ。

STOは、レーシングカーを思わせるその佇まいからわかるとおり、サーキット走行に主眼を置いたモデルである。このためエアロダイナミクスも足まわりのセッティングもスポーツ走行に特化されており、サーキットにおけるパフォーマンスは優れているが公道での快適性は決して高くない。

ウラカンシリーズの実質的なファイナルとなるテクニカ
一方のテクニカは、STOと同じ最高出力640ps、最大トルク565NmというハイチューンのV10自然吸気エンジンを搭載しているものの、STOのような過激なエアロデバイスは装着されておらず、足まわりの設定も快適性に配慮したものとなっている。

しかし、ここが面白いところなのだが、テクニカでのサーキット走行は実にエキサイティングだ。タイヤの接地感がきわめて明確なうえ、スポルトモードを選べばシステムが積極的にオーバーステアに誘導。アクセルペダルの踏み方ひとつで、豪快なドリフト走行が比較的、容易に楽しめるのである。

念のため申し上げれば、容易にオーバーステアを引き出せるのはスポルトモードだけで、ストラーダやコルサでは、そこまで簡単ではない。また、本格的なドリフト走行となるのは意図的に踏み込んだときのみで、そういった操作をしなければリアタイヤはしっかりと路面を捉え続けてくれる。

そもそも、ドライバーにはリアタイヤが滑り始めるかなり前から、ハンドルやシートから伝わる感触により兆候が明確に伝えられるので、カウンターステアに備える時間は十分に残されている。しかも、ドリフト状態でもスタビリティコントロールが作動しているからスピンに陥りにくい。つまり、安心してオーバーステアを楽しむ条件がすべて整っているのだ。

こうしたダイナミックな走りが堪能できるにもかかわらず、テクニカのデザインはSTOとは対照的で、街中にも似合う洗練されたテイストでまとめられている。

チーフデザイナーのミーティア・ボルケート氏によると、これまでリアクォーターウインドウを覆っていたボディ同色のパネルを取り外してサイドウィンドウが長く見える効果を生み出したほか、フロントウインドウの前端につながる部分をブラックアウトすることにより、ここでも伸びやかなデザインを強調したという。

洗練された佇まいと、ウラカンシリーズ随一といって差し支えのない快適性。ここにサーキットで見せるダイナミックな走りが加わることで、ウラカン テクニカは完成したといっていいだろう。(文:大谷達也/写真:永元秀和)

[ アルバム : ランボルギーニ ウラカン テクニカ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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