現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まもなく日本上陸! 新型BMW「M3セダン」「M4クーペ」はどこが進化したのか

ここから本文です

まもなく日本上陸! 新型BMW「M3セダン」「M4クーペ」はどこが進化したのか

掲載 更新 12
まもなく日本上陸! 新型BMW「M3セダン」「M4クーペ」はどこが進化したのか

■大きく進化したのは「S58B30」型になった搭載エンジン

 もともとはサーキットを走るために生まれたBMW「Mモデル」。その代表格である「M3セダン」と「M4クーペ」が新型になり、2021年春に日本へ上陸する。本物を目にする前に少し予習をしておこう。

「レビン」復活か トヨタが新型「カローラ セダン」を世界初公開

 4ドアセダンの新型M3の開発コードはG80、2ドアクーペの新型M4はG82と呼ばれる。ちょっと遅れて登場する「M4カブリオレ」はG83である。

 4シリーズクーペのキドニーグリルが大きな縦型になったことが話題だが、新型はM4クーペだけでなくM3セダンも同様のキドニーグリルになった。正確にいうと、通常の4シリーズクーペの縦型キドニーグリルよりも、Mモデルのそれはやや横に広がっている。エンジンルームに取り込む空気量を増やしたかったのかもしれない。

 今回のモデルチェンジで、一番大きな変化はエンジンだ。3リッター直列6気筒ツインターボは従来のS55B30というエンジンコードから、S58B30になった。

 シリンダーブロック、シリンダーヘッド、クランクシャフトなどすべて新設計だ。より大きな爆発力を受け止められるようにし、より激しい走りにも対応できる冷却システムも組み込まれている。

 シリンダーヘッドの冷却水の通路は3Dプリンターでプラスチックの型を作り、それを元に一基ずつ鋳造するという手の凝った方法を採用している。さらにピストンの冷却のために下からオイルジェットで吹くが、ジェットノズルをシリンダーごとに2本設置して万全を期している。

 冷却がうまくできれば、もっとパワーとトルクを増やせる。そこで重要になるのがクランクシャフトの受けである。

 これまでのシリンダーブロックとオイルパンを一体化するようなベッドプレート方式も良かったのだが、じつはアルミ合金の限界まできていた。そこで新型ではクランクシャフトを鉄で支えるようにした。これにより、さらに強いトルク(というか爆発力)でクランクシャフトが押されてもしっかりと支えられるようになり、高回転での振動も少なくなった。

 新型M3/M4用のS58B30O0(最後の2文字はオーゼロ)は、最高出力480ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650-6130rpmを発揮する。6速MTと組み合わされるモデルの0-100km/h加速は4.2秒だ。

 先代用のS55B30T0エンジンは431ps/7300rpm、550Nm/1850-5500rpmのパワーとトルクだったから、新型はより低い回転数でより高い出力を出している。これは高回転でトルクが太いから発揮できた。

 新型M3コンペティション/M4コンペティション用のS58B30T0は、510ps/6250rpm、650Nm/2750-5500rpmを絞り出す。トランスミッションの8速M Steptronic with Drivelogicを介して、後輪駆動で0-100km/hを3.9秒で駆け抜ける。

 後からオプションで登場するxDrive(4WD)ならもっと速くなるはずだ。500ps/6250rpm、600Nm/4000-5500rpmというハイパフォーマンスエンジンを搭載していた現行型「M4GTS」は水噴射を使っていたが、新型用エンジンのS58B30はこれらの対策により、水噴射を使わなくても、M4GTSのエンジン以上のパワーとトルクが出せるようになったのだ。

 このスペックを見るだけでも、早く新型M3/M4に乗りたくなるだろう。

■「駆けぬける歓び」の先頭に立つMモデル

 新型M3セダン/M4クーペをいざ購入しようと思うと、魅力的なパッケージがたくさん用意してある。まだ日本での車両価格やオプション価格は明らかになっていないが、高そうなオプションもあるから心の準備が必要だ。

 M Carbon Exterior Package(M カーボン・エクステリアパッケージ)は、エアインテーク、ミラーキャップ、リアスポイラー、リアディフューザーがカーボンになっている。

 M Race Track Package(M レーストラック・パッケージ)はMカーボンセラミックブレーキ、軽量ホイール、セミスリックタイヤ、Mカーボンバケットシートなど、リストにはたくさん挙がってくる。

 さらにM ドライブプロフェッショナルはMトラックモード、Mトラクションコントロール、MドリフトアナライザーとMラップタイマーを装備。

 またMドライバーズパッケージは最高速度が290km/hに引き上げられ(標準車は250km/h)、アジャスタブルDSCとアダプティブMサスペンションが標準になる。そしてタイヤは前20インチ、後21インチになる。ちなみに標準タイヤは前275/35ZR19(100Y)XL、後285/30ZR20(99Y)XLというサイズだ。

* * *

 M3の歴史は、1985年から発売されたE30型3シリーズクーペから始まる。2.3リッター直列4気筒エンジンは195psを発揮、5速MTを介し、1200kgの軽量ボディを後輪駆動で押し出す。モデル末期には2.5リッター直列4気筒で238psを発揮する「M3スポーツエボリューション」も登場した。

 第2世代のM3は1993年に登場した。3シリーズの歴史と同じく、E36型クーペをベースとしている。S50B30と呼ぶ3リッター直列6気筒のMエンジンを搭載する。初代M3のようなブリスターフェンダーはなくなり派手さはない。最終モデルでは3.2リッターのS50B32になり、321psまでパワーアップした。

 第3世代M3は2000年に発売になったE46だ。S54B32型エンジンは3.2リッター直列6気筒で343ps。いまでも愛好家の中では珍重される「M3CSL」は2003年に登場した。これはBMWで最初にカーボンルーフを採用したモデルだ。

 第4世代M3は、2007年に登場したE90ベースのモデル。セダンはE90、クーペはE92、カブリオレはE93が開発コードだ。このころまではノーマルとMモデルの開発コードは共通だった。ついに4リッターV型8気筒で420psを発揮するS65B40と呼ぶエンジンを搭載した。ここまではノーマルアスピレーション(NA:自然吸気)エンジンだった。

 第5世代は2014年に登場したF80(セダン)、F82(クーペ)だ。この代からクーペモデルは「M4」と改称し、ここからMモデル用の開発コードが用いられるようになった。V8から直6に戻ったS55B30エンジンは2基のターボチャージャーを装備し、431ps・550Nmを発揮した。

 歴代のM3に共通していえることは、どのモデルも運転して楽しいクルマだということ。それは現在乗ったとしても同じだ。「駆けぬける歓び」の先頭に立っているのがMモデルなのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
くるまのニュース
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
レスポンス
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
ベストカーWeb
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
AUTOSPORT web
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス

みんなのコメント

12件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村