三重県・鈴鹿サーキットで行われた2018-2019FIM世界耐久選手権(EWC)最終戦・第42回“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースは、レース終了後に優勝チームが二転三転するという大混乱の結末となった。
事の発端は、ゴールまで残り2分というところでトップを走行していた#10 Kaswasaki Racing Teamのジョナサン・レイが転倒。その直後に赤旗が掲示され、そのままレースは終了となった。
■鈴鹿8耐決勝:レース結果が改定、最終ラップ転倒の10番カワサキが優勝
当時のコンデションはホームストレートでレッドクロスフラッグが振られていたように雨がぱらついており、さらにエンジンブローを起こした#2 Suzuki Endurance Racing Teamがコース上を走行した後でオイルが撒かれていたことも要因だと考えられる。
レース終了直後のレースディレクションの裁定は#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが優勝、2位は#33 Red Bull Honda、3位は#1 F.C.C. TSR Honda Franceという結果となり、暫定表彰式ではこの3チームが登壇した。しかし、レース後にカワサキ側からの抗議が出され再度審査を行った結果、優勝は#10 Kawasaki Racing Teamに変更されることとなった。
これについてレース終了後から2時間が経った21時30分に、FIMが報道陣に対してリザルト変更の経緯について説明した。また、その場で赤旗が掲示される1周前の順位に基づき、カワサキが優勝となることが伝えられた。
しかし、疑問となるのが『なぜ当初はヤマハが優勝とされたのか?』、そして『カワサキが優勝という結果に変更される根拠は何か』というふたつの点だ。
リザルト変更の理由と当初の暫定結果についてFIMそしてレースディレクション側は以下のように説明した。
「赤旗でレースは終了となり、5分以内に全選手がピットレーンに入ってきた段階でレース終了という考えだった」
「この考えは、5分以内に(ピットレーンへ)入ってきたマシンの順位ということで、これはFIMワールドチャンピオンシップの見解だ」
そうFIMのレースディレクションは当初出された暫定結果についての説明を行った。なおこの発言に関してはFIM世界耐久選手権レギュレーション1.22.2『規定周回数、または時間を走行することを競う競技会において、トップのライダーには、コース上のフィニッシュラインに立つオフィシャルによってチェッカーフラッグが振られる。チェッカーフラッグは後続ライダーにも出し続けられる。 もし、トップのライダーが5分以内にフィニッシュラインを通過しない場合、暫定2位のライダーに対しチェッカーフラッグが提示される』がその根拠と思われる。
「チーム(カワサキ)から(この結果について)抗議を出された」
「抗議内容は『レースディレクションは赤旗でレースを中断した場合、サーキットの全てのポストに赤旗が掲示される。赤旗が掲示される前の最後の周回で全車がコントロールラインを通った順位をレース結果とする(※FIM 世界耐久選手権レギュレーション 1.23)』と明記されているというものだ」
「この条項については、“5分以内に戻れたら”といったような細かな部分は記載されていない」
「そのため、チャンピオンシップの考えには反しているかもしれないが、チームの抗議を受け、このレギュレーションに従って、赤旗の前周に走行していた選手の位置で結果を出さなければならない」
「結論として、赤旗が掲示される1周前(216周終了時点)をレースリザルトとすることとした」
なお、鈴鹿8耐では決勝日の翌日に車検が行われ、それを踏まえた上で正式結果が出されることになる。ただ、レース終了後の混乱で二転三転した結果については、これで落ち着くことになりそうだ。
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