3月29日に競技がスタートした2019年のWRC世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルス。SS1~6までで争われた競技初日に挑んだTOYOTA GAZOO Racing WRTはオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2番手につけたものの、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合13番手、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合16番手と苦しい立ち上がりとなった。
フランス・コルシカ島で争われるツール・ド・コルス、6SSで競技初日は日中にマシンのメンテナンスを受けられるサービスが設けられておらず、各ドライバーにはトラブルを避け確実にマシンをフィニッシュに運ぶスキルが求められた。
【順位結果】2019WRC第4戦ツール・ド・コルス SS6後暫定結果
ポイントリーダーとしてツール・ド・コルスに臨んだタナクはSS2でトップに浮上すると、続くSS3ではステージ最速タイムを刻んでリードを広げにかかる。
しかし、SS4~5では総合2番手につけていたエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が連続でステージ優勝を飾ったため、逆転を許してしまう。
この日最後のステージとなるSS6では、先に走りきったタナクがステージ2位タイムを記録し、エバンスの結果を待つ形となるが、そのエバンスはステージ走行中に先行していたミークに追いついてしまうハプニングに見舞われてタイムをロスしてしまう。
この不運なハプニングに対し、チームからの要請もあり、大会主催者はエバンスのタイムをタナクと同じタイムに繰り上げると決定。この結果、タナクはトップと4.5秒差の総合2番手で初日を終えることになった。
タナクが優勝争いを演じる一方で、ラトバラとミークは不運に見舞われた。ラトバラはSS4終了時点で総合6番手につけていたものの、SS5でスローパンクチャーがあり、途中でタイヤ交換。およそ3分ほどタイムを失ったため、総合13番手まで後退した。
ミークは、SS1で左フロントにダメージを負って約50秒ほどタイムロスする厳しい立ち上がりとなったが、続くSS2ではステージ優勝を飾るなど、速さをみせる。
しかし、ランチブレイクを挟んで迎えた午後のSS5で、ミークは走行ラインを外して縁石にヒット。サスペンションにダメージを負ってしまう。
ミークはサスペンションに傷を負ったままSS6も走らなければならず、ステージ51位と大苦戦を強いられ、総合16番手までポジションを落としている。
チーム代表のトミ・マキネンは「実はある時点で左フロントのダンパーがダメージを受け、完全な状態ではなかったので、本当の全開走行はできなかったと思うが、それでも全体をうまくまとめてくれた」と、タナクも万全な状態ではなかったことを明かす。
「明日もまた長い1日だから、優勝争いをできると確信している。ヤリ-マティとクリスは遅れをとったから、明日の朝に向けて気持ちをリセットする必要がある」
「クリスは本当に速かったが、朝はアンラッキーだった。また、午後のヤリ-マティに関しても同様だ。まだ先は長いから、彼らには運転を楽しんでもらいたい」
タナクは「午前中は新しいステージに対するペースノートが完璧ではなく、良いリズムを掴めなかった。午後に関してはペースノートを改善したから状況は好転し、良いフィーリングで走れた。限界までは攻めなかったけど、クルマのパフォーマンスは非常に高く、走りを楽しむことができたよ」とコメント。
ラトバラは「クルマのフィーリングはとても良く、運転を楽しむことができている」と述べたほか、ミークは「ヤリスWRCはとても運転しやすく、このラリーで勝つ力を備えていたから、今日の結果には納得できない」と悔しさをにじませた。
競技2日目となる30日は、コルシカ島の北部でSS7~12の6SSで争われる。このうちSS9、12は今大会最長の47.18kmで争われるロングステージだ。
6本のSSの合計距離は174.50km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は489.18kmだ。
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