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【潮流と官能性の行方】 マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ 内燃機のトップモデル

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【潮流と官能性の行方】 マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ 内燃機のトップモデル

SUV台頭、でもブランドの主役はGTにあり

2007年~2019年という長きにわたって作り続けられたマセラティ・グラントゥーリズモ。その新型が昨年、本邦上陸を果たし、今回ようやくその実車に触れることができた。

【画像】マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ試乗の様子をみる 全73枚

グレードはマセラティ謹製のV6ターボ “ネットゥーノ”の550ps版を搭載した最強モデル、トロフェオである。と言ってもその外観からは最強モデルらしいパフォーマンスを強調するような雰囲気は感じられない。マセラティらしいブルーノービレ(濃紺)のボディが実にジェントルな雰囲気を湛えているのだ。

2ドア・クーペとしてはフルサイズといっていい大型のボディはまさにグラントゥーリズモ=壮大な旅に出るクルマといった印象。この特徴は先代でも全く同じだったし、さらに遡ればグランスポーツやマセラティ・クーペ、3200GTといった一族にも共通する。

もちろんそれ以前もカムシンやギブリ、セブリング、ミストラル、5000GT等々、豪奢な2シーター・クーペはマセラティの歴史の中で最も長く続いているブランドの主役なのである。

新型グラントゥーリズモのトピックは、ネットゥーノの搭載も含めた「これまでにない幅の広さ」にある。幅と言ってもそれは車幅ではなくカバレッジのこと。トロフェオに代表される伝統的なハイパワーICEモデルはマセラティの伝統に根差したひとつの頂点だが、今回は同じプラットフォームによってBEVモデルのフォルゴーレも用意されるのだ。

ラグジュアリーな伝統、デジタルとの共棲

第一印象は4ドアセダンもかくやというサイズ感。のびやかなフロントノーズの下にはマルチシリンダーエンジンの気配が濃厚に漂い、波打つようなボディラインはリアエンドで短く切り落とされている。典型的なフロントエンジンのクーペスタイルである。

ボディ全体の比率や雰囲気は先代に酷似しているが、それはポルシェ911のような伝統的なスポーツカーでは珍しいことではない。

外観で最も目新しさを感じさせてくれるのはフロントノーズで、楕円形のグリルが押し出されるように強調された攻撃的なデザインは近年のマセラティに共通するもの。

室内の仕立ての良さもまたマセラティ・ブランドの特徴といえる。上質な白いリアルレザーがふんだんに用いられたシートは形状こそスリムでスポーティだが、座ってみると見た目の印象よりもずいぶんと柔らかい。そんな伝統的な仕立てとデジタルの合わせ込みも上手い。

メーターパネルやナビモニター、その下のコントロール系もデジタルだが、ダッシュ中央に鎮座するマセラティを象徴するクロックもデジタルになっており、伝統と革新がほどよく絡み合っているのである。

ステアリング上のスターターボタンを押すと、ネットゥーノは思いのほか静かに吼え、アイドリングの振動も皆無に近かった。先代はMC(マセラティ・コルセ)のような過激なモデルも登場し、活発なイメージだった。だが新型はスポーツカーというよりもこの上なくジェントルな雰囲気でまとめられていたのである。

走りも価格も、図抜けたプレミアム

実際に走り出してみると、新型グラントゥーリズモのラグジュアリーな印象がさらに深みを増した。

550ps版のネットゥーノはMC20に搭載されている630ps版とは性格付けが大きく異なっており、高回転時の拍車がかかる感じが希薄なかわりにターボのツキが滑らかで低速トルクが豊かに感じられる。

スロットルを深く踏み込んだ際の加速感も8速ATのギア比が高めに設定されているような伸びやかさがあり、クルマ全体の落ち着き具合とうまく符合している。

モニターにAWDの前後トルク配分を表示できるのだが、普通に走らせる限り前1/後9くらいの割合だった。このため前輪は操舵、後輪は駆動というFRらしいすっきりとしたドライブフィールが保たれているのである。

またエアサスを装備した足回りも秀逸で、短めのストロークの中できれいに路面からの入力を収束させているし、全般的に室内が静かな点も素晴らしい。例えば先代は若干プラットフォームを拡大使用し過ぎたような粗さがあり、良く言えばそれがフォーマルかつ攻撃的なマセラティらしさに繋がっていた。

だが新型は骨格の強さが完全に先行しており、 “図抜けたプレミアムカー”といっていい仕上がりだったのである。

試乗の後、その価格を知って驚いてしまった。先代の最終モデルが2200万円ほどだったのに対し、490ps版のモデナは2444万円、そして今回のトロフェオは2998万円+200万円のオプションだった(!)クルマの仕上がりと為替を考えれば当然? それにしてもマセラティらしい贅沢な1台だったのである。

試乗車のスペック

価格:2998万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4965×1955×1410mm
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:3.5秒
駆動方式:AWD
車両重量:1870kg
パワートレイン:v型6気筒DOHC2992cc+ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6500rpm
最大トルク:66.28kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:265/30ZR20(フロント)295/30ZR21(リア)

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