F1アゼルバイジャンGPの予選を13番手で終えていたピエール・ガスリー(アルピーヌ)だったが、FIAのセンサーによる検査でエンジンの「瞬間的な燃料流量が規定を超えていた」ことが発覚。これを受けてリザルトから除外されることとなった。
今週末、フリー走行からトラブル続きと厳しい状況のアルピーヌ。FP1ではエステバン・オコンがMGU-Hのトラブルによりマシンを止め、パワーユニット(PU)を交換することとなった。さらにオコンはFP3でも燃料ポンプの異常に見舞われ、予選でもウォールと接触してしまったことで最下位に終わった。
■冷却ファンを取り付けたままコースインする大失態のアルボン、当時の状況を説明「トウを使うために、急いでピットを出てしまった」
その中でもガスリーがQ2に進んで奮闘したが、結局失格に。ガスリーの失格、そして周冠宇(キック・ザウバー)のPU交換によるグリッド降格に伴ってオコンは18番グリッドに繰り上がり、ガスリーはピットレーンスタートを選択しない限りは20番グリッドからのスタートとなる。いずれにせよ、アルピーヌは決勝で後方からの戦いを余儀なくされる。
スチュワードの裁定文にはこう記されている。
「チームの代表者は、予期せぬ短時間の技術トラブルが発生し、燃料流量が予想以上に上昇したと説明した。その原因はFIAのテクニカルスタッフによって合意された」
「燃料の質量流量が規定値を超えていたことに関しては、競技者によって異議が唱えられることはなかった」
「競技者はスチュワードに対し、技術的な欠陥によってラップタイムが遅くなっていたため、その時点で性能上のアドバンテージは得られなかったとして、このことは考慮されるべきであると主張した。彼らはまた、この条項の違反が非常に稀であることは、これが彼らの戦略の一部ではないことを示しており、過渡的に起きる現象の規模が単に安全マージンを超えてしまったのだと説明している」
「こういった技術規則違反に対する通常の罰則は失格であり、スチュワードは国際競技規則第1.3.3条に『適用される技術規則に自動車が準拠していないことが判明した場合、性能上の優位性が得られなかったと主張することは抗弁とならない』と記されていることに留意している」
なおガスリーは失格の裁定が出される前、予選では予想を覆すようなパフォーマンスが発揮できたして、次のように語っていた。
「素晴らしかったよ。17番手と18番手になると思っていたのに、最終的に13番手になったんだから、これ以上は望めないよ」
「FP1から非常にタフな週末だった。とにかくマシンを機能させられなかった。いくつか変更を加えたのが全て正しい方向に進んでいるのでポジティブだと思う。Q1とQ2では無事に全ての周回をこなすことができた」
「もちろん、もっと上のグリッドに行きたかったけれど、今のマシンを考えれば、他のマシンと比べて僕たちはベストを尽くしたと思う。ベストを尽くせたと思うからそこには満足している。純粋な速さではこの順位にいるべきではないと思うからね」
一方、ターン4の出口でウォールに接触してタイヤをパンクさせてしまったオコンは、まともにフリー走行を走れなかったことが痛手だったと振り返った。
「ストリートサーキットでの2セッションを走れなかったことで、自信をつけることができず、マシンのセットアップもできずに苦しい週末になってしまった」
オコンはそう語る。
「完全にリスクを負うモードに入っていて、それが限界なのかどうかも判断できないんだ。あそこでウォールにぶつかったのは初めてではなかったけど、今回は運が味方してくれず、タイヤがダメになってしまった」
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