旧車の電装部品は、何が起こっても不思議ではない
旧車を走らせていて、コンビニやドライブインへ立ち寄ると、その場に居合わせたライダーから問われる内容の中で、特に多いのが「電気系は大丈夫ですか!?」といった質問です。確かに、電気に弱いのが旧車だと思います。とはいえ、単純かつシンプルだからこそ、予備予防メンテナンスしやすいのも旧車の特徴です。旧車を購入したときには、なるべく早いうちにコンディションを把握し、状況に応じて、確実に対処しておきたいのが電気系部品だと思います。
【画像】「超カッコイイ!」カワサキの名車「Z2」電装系メンテナンスの様子を画像で見る(9枚)
特に、人間でいうところの「血管や神経」と同じ働きをしているのが、バイクにとっての「メインハーネス」だと言えます。経年変化や劣化によって、時に導通不良を起こしてしまい、本来の機能を果たせなくなってしまうこともあります。
特定箇所が完全に切れてしまうのならまだしも(完全な断線ならテスターで同通チェックすれば原因を素早く突き止めることができます)、「切れたり導通したり」が不定期的に繰り返される厄介な症状になると、そんなトラブルの根源を発見するまでに時間が掛かり、とにかく大変なことになってしまいます。
例えば、走行中に突然エンジンストップしてしまうことがあります。「あれっ!? まいったな……」と路肩に停車。右往左往しているうちに、気が付くと何事も無かったかのようにエンジン始動? その後は、普段と何ひとつ変わらず走れてしまうようなケース、ありますよね。
そんなトラブルに遭遇した時には、電気系の接触不良やハーネス内部の断線も考えられます。また、熱を持つことでコンディションが低下してしまう部品もあります。例えば、イグニッションコイルやポイントのコンデンサなども、疑うべき部品と言えます。いすれにしても、徹底的な確認点検作業が必要になのは言うまでもありません。
単純なカプラの抜き差しだけでも予防メンテナンスになる!?
ヘッドライト本体を取り外し、ライトケース内部の状況を確認してみるのも良いことです。それだけでもトラブル予防になります。
配線のコネクターカプラが抜けかかっていたり、ギボシ端子が腐食によって導通不良を起こしているケースも珍しくありません。
サイドカバーの内側やシート下も要注意ポイントと言えます。フューズ関連カプラやレギュレータ関係カプラを引き抜くと、樹脂製カプラが焼けて変形変色していたり、明らかにハーネス被服が溶けていることもあります。そのような状況を目の当たりにしたら、腰を据えた本格的な点検&メンテナンスが必要不可欠です。時には、メインキー本体の内部基盤内でハンダが落ち、ハーネスがショートししまうこともあります。そんなトラブル時には、メインキーをONにするのと同時に、フューズが飛んでしまいます。ぼくが過去にメンテナンスした車両には、そのようなトラブルが何度もありました。
部分的な修復が可能な箇所なら良いですが、特に、充電系やヘッドライト系のような大電流が流れるハーネスの場合は、保護チューブ内部のハーネス被服が焼け溶け、周囲のハーネスにダメージを与えているケースも珍しくありません。特に、電気的なモディファイ=改造を施しているカスタムマシンなどは、各部が正常に作動し、各カプラの接続部分や露出したハーネス被服に焼けや溶けなどが発生していないか!? 必ず確認しましょう。
750RS/Z2用に、ここではカワサキZ1用のドレミコレクション製メインハーネスを購入しました。国内Z2用と比べると操作仕様に違いは無く、ヘッドライト系は、ディマスイッチの結線で派生仕様を変更しているようなので、そのまま使えることがわかりました。
ここでは、メインハーネスのみ交換しましたが(ジェネレータハーネスはすでに自作部品へと交換済み)、将来的には、メーターインジケータハーネスも交換したいと思います。ちなみにメーター用サブハーネスは、Z1用に対してZ2用には速度警告灯信号線(茶線に黄色線)が追加されているので、交換時には、同色配線を新規追加することで国内仕様メーターに対応することができるようです。
電装系部品を含めて「当時物部品」にこだわる旧車ファンが数多くいますが、電装部品は経年劣化で何が起こるかわかりません。大切な部品なら、敢えて取り外して保管し、高品質な新品部品や複製部品に交換することをお勧めします。そのほうが間違いなく気持ち良く走れるとぼくは思います。
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みんなのコメント
車など、それをしていないと、アクシデント当然状態なので、乗れない。
しかし、バイクは何故しないのだろうか。
安全第一。
他の電気系統はダイナモのブラシが1回でしたねぇ。
保守点検を怠らなければ兎に角丈夫な車両でした。