現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > え? 「DB」って人の名前だったの!? クルマ好きの憧れアストンマーティン「DBシリーズ」の歴史

ここから本文です

え? 「DB」って人の名前だったの!? クルマ好きの憧れアストンマーティン「DBシリーズ」の歴史

掲載 13
え? 「DB」って人の名前だったの!? クルマ好きの憧れアストンマーティン「DBシリーズ」の歴史

 この記事をまとめると

■アストンマーティン「DB」の新たなモデルとしてDB12がデビューした

こんな「男臭い」アストンマーティンがあったのか! ボンネットの膨らみがヤバすぎる「V8ヴァンテージ・ザガート」って何者?

■1947年にアストンマーティンを買収した実業家デビッド・ブラウンのイニシャルから「DB」と名付けられた

■今回はDBシリーズの歴史を振り返る

 DB12誕生を機に「DB」シリーズを振り返る

 イギリスのアストンマーティンは、伝統のDBシリーズの血統を受け継ぐ新型GT、「DB12」を現地時間の5月24日に発表。それはDBシリーズの歴史のみならず、アストンマーティンのGTが将来あるべき姿を再定義したモデルとして今後、大いに注目される存在となっていくだろう。

 そしてここでは、そのDBシリーズの歴史を振り返るというのが編集部からの依頼なわけだが、最初にお断りしておくとその始まりからDB12に至るまでの時間は長い。なにしろそれは、DBが意味するところであるデビッド・ブラウンという実業家が、第二次世界大戦後にアストンマーティンを買収。さらにはベントレーの創設者たるウォルター・オーウェン・ベントレーを擁するラゴンダ社も手に入れた1940年代の半ばにまで話を戻さねばならないからだ。

 デビッド・ブラウン傘下で誕生した最初のモデルは、シンプルに「2リッター・スポーツ」と呼ばれ、1948年から1950年までの間にわずか15台が生産されたすぎなかったが、1949年には早くもブラウンは新型車によるル・マン24時間レースの参戦計画を発表。そのために製作されたのが3台の「DB2」で、そのためにかつての2リッター・スポーツは「DB1」という新たな車名を得るに至ったのである。

 その1949年のル・マン24時間での好成績を受け、1950年にはロードモデルのDB2の生産が開始される。そしてDB2は、高性能なスポーツカーに飢えていたカスタマーの心を大いに刺激し、その後も4シーター仕様やオープン仕様、そしてエンジンの強化などが図られていったのだ。

 ちなみに現在はアストンマーティンのクラシック部門であるワークスなどが使用するニューポート・パグネルの工場は、1950年代終盤というからまさにこの頃から、メインの工場として使われてきたということになる。

 続く「DB3」は最初からコンペティションカーとして開発されたモデルだった。シャシーはDB2のそれから大幅にデザインを変更したラダーフレームとなり、サスペンションやブレーキ、2.6リッターの直列6気筒エンジンなどを採用してレースへと参戦したものの結果は振るわなかった。

 そこで1953年に投入されたのが、さらに高性能で軽量な仕様となる「DB3S」。こちらは1953年から1956年にかけて15回の優勝という結果を残している。

 このDB3Sの後継車となったコンペティションカーが、「DB R1」、「DB R2」、「DB R3」といったモデルたち。

 それらはいずれも大活躍を見せ、とくにDB R1はイギリス車として初めて世界スポーツカー選手権を獲得している。

 1963年、のちに世界一有名なクルマとなるDB5が誕生

 1958年にロンドンショーで発表された「DB4」は、現在でもエンスージアストからの人気が高いモデルだ。かつてミラノに存在したカロッツェリア・ツーリングが特許を持っていた軽量ボディ構造、スーパーレッジェーラを採用し、3.7リッターの直列6気筒DOHCエンジンを搭載したDB4は、1963年までに1100台以上が生産され、さらにその高性能版たる「DB4 GT」も1959年から1963年まで製作されている。

 ちなみにこのDB4 GTをベースにザガートが独自の軽量ボディを組み合わせた19台のスペシャルモデルが、「DB4 GTザガート」にほかならない。

 DB4の後継車はもちろん「DB5」で、こちらは1963年から1965年まで生産された。外観はDB4とほとんど変わらないように見えるが、エンジンはそれまでのDB4 GTが3.7リッターであったのに対して4リッターにまで拡大。1964年には高性能版のヴァンテージも追加設定されている。

 1965年にはさらに進化型の「DB6」が誕生するが、その外観はこれもまたDB4の最終型から大きく変わることはなかった。実際にはホイールベースの延長やエアロダイナミクスの向上を意識した改良作業は多くの部分にわたり、ヴァンテージ仕様では最高出力も325馬力を掲げるに至っている。オープンモデルにヴォランテの名称が与えられたのも、このDB6が最初のこととなる。

 1970年代に入ると、再び経営状態が悪化の兆しを見せ始めたアストマーティン。そのようななかでデビット・ブラウンは1972年に同社の経営権を譲渡。当時、アストンマーティンはDB6に代わるモデルとしてV型8気筒エンジンを搭載した「DBS」を市場に投じる予定だったが、その開発にも遅れが生じ、DBSはまず直列6気筒エンジンを搭載してのスタートとなった。DBSにV型8気筒モデルが追加されたのは1970年のこと。デビッド・ブラウンはぎりぎりその誕生を、会長として見ることができたのだ。

 このDB6から「DB7」の登場までに流れた時間の長さは、まだ記憶に新しいところだろう。1987年、アストンマーティンはフォードの傘下に収まり、このときにデビッド・ブラウンは再び役員として招致されたのである。実際にDB7がデビューしたのは1994年のこと。

 それから2004年には「DB9」が、また2016年には「DB11」が誕生することになる。

 駆け足で振り返ってきたDBの系譜、それはかくも長く、そして華やかなものではないか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

13件
  • ドラゴンボールですね(キリッ
  • この記章をどうどうとパクってウリたちが起源だと言い張るすっとこどっこいを私は知っている
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索
GTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村