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世界でたった1台のアヴェンタドールS。ランボルギーニを愛しすぎたオーナーの納車式とは?

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世界でたった1台のアヴェンタドールS。ランボルギーニを愛しすぎたオーナーの納車式とは?

Lamborghini Aventador S “Dressed” by Yohji Yamamoto

ランボルギーニ アヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモト

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ヨウジヤマモトとランボルギーニがコラボしたスペチアーレ

ハイエンドスポーツカーブランドの一角、ランボルギーニ。独自のアピアランスと他を圧倒するパフォーマンス、そして波乱に満ちたヒストリーを現在まで脈々と伝える唯一無二のメーカーであり、カーエンスージアストならずとも多くのファンを世界中に抱えるイタリアの至宝だ。

そのブランド性は自動車の枠を越え、ライフスタイルやファッションなどカルチャー全般にまで影響を及ぼし、これまでに数々の異業種ブランドやアーティストたちとコラボレーションを行ってきた。世界的なファッションデザイナーとして活躍する山本耀司氏が手掛けた「アヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモト」も、その1台である。

世界にただ1台のアヴェンタドールSを射止めた幸運なオーナーは?

ランボルギーニのデザイン・トップであるミティア・ボルケルトが2020年にパリのファッション・ウィークでヨウジヤマモトのコレクションにインスピレーションを受けたことをきっかけに、山本耀司氏とランボルギーニ・チェントロスティーレのコラボーレーションが実現した。レッド&ブラックの鮮烈なカラーリングの随所に「百発百中」などの日本語によるアイコンが施され、ヨウジヤマモトの世界観とランボルギーニのアバンギャルドを旨とするスピリッツが絶妙なマリアージュを果たし、世界でたった1台のスペチアーレに仕上がっている。

斯様に魅力的なアヴェンタドールSを所有できる幸運なオーナーはいったい誰になるのか? アウトモビリ ランボルギーニによる車両の発表直後から世界中のエンスージアストが注目するなか、ファイティングブルの祝福を受けたのは日本でも有数のカーエンスージアスト、木村武史氏に決まった。木村氏は国内外のレースで活躍する「Car Guy」の代表であり、これまでに数多くのランボルギーニを手にしてきた生粋のランボルギーニ愛好家。アヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトを射止めた事実は、もはや運命に他ならないだろう。

今回、木村氏のランボルギーニへの想いを伺うと共に、アヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトの納車式の様子を報告したい。

厳かでありながらアットホームな納車式

納車式の舞台は、東京都港区の国内正規ディーラー「ランボルギーニ 麻布」。クルマの引き渡しに先立ち、ランボルギーニ各車の仕様を選ぶ際に検討できる様々なサンプルが展示されたアドペルソナムルームにて、車検証や保証書など5つの書類をひとつづつ確認しながら説明を添えて提示し、続いてメインキーとスペアキー、キーホルダーが木村氏に手渡された。

素のアヴェンタドールSは優に4500万円を超えることから、世界でただ1台のアヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトの価格は推して知るべし。これほどの高額車両の受け渡しだけにその場には厳かな空気が流れていたが、ランボルギーニ 麻布から木村氏のネーム入りワインと花束が贈呈されると一気に華やかでアットホームな雰囲気に一変。さらに特別ギフトとしてヨウジヤマモトの刺繍入りブルゾンが贈られ、袖を通した木村氏からも笑顔がこぼれる。特別な1台の納車式とは、まさに斯くあるべきだろう。

インテリアに「グッときた」

その後、いよいよガレージに場所を移してアヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトと対面。今回が4度目の邂逅であり、木村氏は「初対面ではピンとこなくて、2度目に見たときカッコいいと思い、イベントへの搬入のため路上に出た3度目の姿に惚れ込んだ」という。アンヴェールされた車両に近づき細部を観察、やがて車内に滑り込んだ木村氏はインテリアの各所に施されたヨウジヤマモトのデザインエッセンスを眺めて満足げな笑みを浮かべた。

「このインテリアがグッときたんです」という木村氏。「このクルマは日本の路上を想定してデザインされていると思います。3度目の対面で路上に佇む姿をみたとき、絶妙に抑えが効きながら派手に見えました。私はクルマに乗るとき、パフォーマンスはサーキットで楽しみ、公道では“魅せる”モデルを走らせたいんです」と続ける。

ランボルギーニでレース活動を行う根っからの猛牛ファン

木村氏がクルマ好きになったきっかけは映画『キャノンボール』の劇中で活躍したカウンタックを見たときから。その後、着々とカーエンスージアストへの道を進んだ木村氏はこれまでに100台以上の車両を所有してきたが、ランボルギーニはその中でも特別な存在となる。44歳にして初めてレースデビューを果たしたのがランボルギーニだったのだ。

それまでサーキットへ行ったことすらなかった木村氏は、いきなりランボルギーニのワンメイクレースであるスーパートロフェオに「ウラカン スーパートロフェオ」で参戦し、初年度の2015年にはいきなりAMクラスで優勝を勝ち取る。その後も定期的にランボルギーニでレース活動を行い、実績と結果を残してきた。「クルマはスタイリングが全てです」と言うものの、ランボルギーニに関してはそのエンジンサウンドにも強く惹かれると語り、パフォーマンスにも信頼を寄せているという。

アヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトを路上で見る日も近い

「よくアヴェンタドールのSCT(※トランスミッション)に対してネガティブな意見を聞くことがありますが、それはレッドゾーンまで回転を上げていないから。あのSCTはレッドまで引っ張ることによって生きる設計なんです」と、オーナーだからこそ見える本質にも触れていたように、ランボルギーニをこよなく愛する姿勢が語り口から滲んでいたのが印象深い。最後に、このアヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトでの初ドライブはどちらへ向かうのかと質問した。

「納車されたら妻と神戸までドライブするつもりです。これまでも新車が納車されたときの恒例行事なんです。美味しいステーキ屋さんがあるんですよ(笑)」

このご時世だけにタイミングはずれるかもしれないが、派手なのに日本の路上がよく似合う世界でただ1台のアヴェンタドールS “ドレスド” by ヨウジヤマモトの姿が、国内各地で見られる日も近い。

PHOTO/佐藤亮太(Ryota SATO)

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