“もっといいクルマづくり”の結果──新型GR86の進化は続く！

トヨタ「GR86」がマイナーチェンジ！ その進化点に、小川フミオが迫る！

さらに磨き上げました

ライトウェイトスポーツカーのファンは、世界中に多い。その人たちに愛されているのがGR86だ。最新ニュースは、マニュアル変速機搭載モデルに「アイサイト」が搭載された点だ。

さらに、走行性能向上を目指した装備が追加されたマイナーチェンジ版は、2023年11月１日に発売される。

運転支援および安全支援システムは、アイサイト（バージョン３）がマニュアル変速機搭載（MT）車全車に標準的装備。ステアリングホイールに通話用ハンズフリースイッチも標準で装備した。

コーナリング時の走行安定性などを向上させるVSC（ビークルスタビリティコントロール）も制御を最適化。ブラインドスポットモニターは「RZ」に標準装備とした。

車両をはじめ歩行者や自転車などとの衝突回避支援システムであるアイサイトを、初めてMT車に搭載したのは、並行して開発されたスバル「BRZ」と同様。

ドライバーが操作するクラッチを持つ MT車なので、操縦特性がAT車と異なる。その最適化を実現しているという。基本制御はBRZと同様で、ステアリングシステムへの介入や、後退時のブレーキアシストはおこなわないのは両車共通。

走行性能に関する装備では、コントロール性の向上を念頭に、電子スロットル出力特性変更。ブレンボ製通気式ディスクブレーキと、改良されたザックス製ダンパーを「SZ」グレード以上にオプション設定とした。

「我われは、モータースポーツ起点の“もっといいクルマづくり”を進めていますので、モータースポーツなどで使っている方法を含めて、お客さまの声や、社内評価を参考に、さらに磨き上げたのが、今回のモデルなんです」

GR車両開発部として、86の開発を手がけてきた藤原裕也は、そう語る。

「ダイレクトなフィーリングや、クイックなハンドリングにこだわってきたクルマです。いっぽう、低速域で乗り心地が少し犠牲になっている部分もあったため、運動性能を担保しつつ、乗り心地も良くしよう、と、足まわりに手を入れました」

ブレンボ設定のワケブレーキの改良も重要なポイントだ。同じく開発担当者の言葉を借りて、背景を説明すると下記のとおりとなる。

「86にはモータースポーツのベース車両というコンセプトがあったので、ブレーキは買ったオーナーが好みのものに交換するだろう、と、考えてきました。でもやはり、こちらが最初から、これという性能のものを用意したほうがいいのでは？ と、ブレンボを設定しました」

ちなみに、今回のブレンボは、環境規制に対応して摩擦材の”銅フリー”化が実施されている。高温時に安定してブレーキを効かせるための銅の使用だったが、同等の性能が確保できたそうだ。

電子スロットルの出力特性の見直しについては、とりわけモータースポーツの現場において、初期のレスポンスをよりよくしてほしい、という声があるのを考慮してのこと、という。

「スロットルを開け始めたとき、それからアクセルペダルを踏みこんでいったときのリニアリティを重点的に見直しました」

同時に、「RZ“40th Anniversary Limited”」なる限定車が発売されるのもニュースだ。

「スパークレッド」または「クリスタルホワイトパール」の外板色をはじめ、ブレンボ製通気式ディスクブレーキ、ザックス（Sachs）製ダンパー、さらにダークグレーメタリック塗装のロードホイールなどがおごられている。

内装も、「ブラックパーフォレーション・ブラックアクセント」と名づけられたシート表皮（赤と黒のコンビ）や、40周年記念刺繍をほどこされたドアトリムなど特別感がある。

価格は382万2000円。GR Garageにて200台のみ限定で、9月25日受付開始で、抽選販売となる。

GR86の進化はまだまだ期待しかない。

文・小川フミオ　写真・安井宏充（Weekend.）　編集・稲垣邦康（GQ）

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[cal********]

立派はスバル車だ