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スター選手の饗宴。TC2000王者とSCBタイトル候補が快勝。バリチェロもテスト参加/TCR南米第3戦

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スター選手の饗宴。TC2000王者とSCBタイトル候補が快勝。バリチェロもテスト参加/TCR南米第3戦

 引き続きTCRブラジルとの併催にて、6月14~16日にサンパウロの内陸部に位置するヴェロチッタで争われた2024年TCRサウスアメリカ・シリーズ第3戦は、南米大陸が誇るスター選手を擁するPMOレーシングのプジョー308 TCRが躍進。アルゼンチンより“南米最高峰のテクニカルシリーズ”と称するFFツーリングカー選手権、TC2000で3冠を誇る王者リオネル・ペーニャと、地元の最高峰SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”で今季タイトル候補にも挙げられるラファエル鈴木が、それぞれ今季初勝利を飾る結果に。

 また、レースウイーク後に実施されたテストセッションでは、SCB参戦中のルーベンスとエドゥアルドのバリチェロ親子がPMOモータースポーツのリンク&コー03 TCRのステアリングを握り、ともに初のTCRマシンを試乗した。

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 先の第2戦、アウトドローモ・カスカバルでの週末より、TC2000のチャンピオンマシンであるルノー・フルーエンスGTからプジョー308 TCRにスイッチしてシリーズ初参戦を果たしたペーニャは、同じく同戦より本格参戦を開始した宿敵マティアス・ロッシ(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)ともバトルを繰り広げ、デビュー戦で初表彰台を獲得する活躍を演じていた。

 その勢いを持ち込んだ第3戦の週末でも、近く新型の投入が計画される古い世代のプジョーからスピードを引き出したTC2000王者は、僚友ペドロ・カルドソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)と並んで予選最前列を確保する。

 この結果、ポール獲得のカルドソには前戦でW2プロGP陣営のガリッド・オスマンとラファエル・レイスのクプラ・レオンVZ TCRを巻き添えにしたアクシデントにより、今回5グリッド降格のペナルティが適用され、ペーニャが実質最前列スタートを切ることが決まった。

「とても良い土曜だった。マシンはとても速く、完璧だ」とプジョーの手応えを語ったカルドソ。

「チームメイトを0.5秒以上、突き放せたのもうれしい。残念ながら前回のレースでペナルティを受けたためポールからはスタートできないが、それはあまり問題ではない。本当に欲しかったのはポールポジションポイントで、レース2では勝利を目指して戦うつもりだ」

 迎えたレース1は、そのカルドソが悲運の主役を演じる展開に。首位発進ペーニャのプジョーがシグナル消灯と同時に順当なホールショットを決めるなか、スタート5周目にはファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)がクラッシュを喫し、ここでセーフティカーが介入する。

 再開後、6番手発進だったカルドソと前戦でポール・トゥ・ウインを決めているロドリゴ・バプティスタ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が熾烈な4番手争いの末に接触。カルドソはクラッシュ、バプティスタは5秒ペナルティを受け6番手に後退してしまう。

 これで快適なリードを維持することになった首位ペーニャは、4番手発進から背後に迫ったロッシのカローラに対し3秒のマージンを堅持し、早々のTCR初優勝を手にした。

 このヒートで8位となり、続くレース2のリバースポールを確保したマルコス・レガダス(PMO・フルタイム・スポーツ/リンク&コー03 TCR)だったが、蹴り出しで後続に飲み込まれ、2列目から飛び出した僚友ラファエル鈴木のプジョーが首位に浮上。

 ここで同時にファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)も仕留めていた鈴木は、その後もポジションを脅かされることなくチェッカーを受け、ヴェロチッタでの予選ポールポジションと2勝を獲得するPMOレーシングによる完璧な週末を完成させた。

■バリチェロ親子がTCRカーをテストドライブ

 そんなウイニングチームは、今季よりSCBの強豪フルタイム・スポーツと提携を結んでいる縁から、同チームでTOYOTA GAZOO Racingブラジルのエース格としてトヨタ・カローラをドライブしている元F1ドライバー、ルーベンス・バリチェロとその愛息“ドゥドゥ”ことエドゥアルドのふたりをTCRのテストに招聘した。

 元跳ね馬乗りとしてF1通算11勝、地元SCBでは2014年と2022年にシリーズチャンピオンを獲得している父ルーベンスは、2020年にはアルゼンチンのTC2000にもフル参戦しており、同年はハイテク前輪駆動と大排気量ストックの後輪駆動カローラを同時に乗りこなしたキャリアも有する。

「アルゼンチンでTC2000を戦っていた経験から、前輪駆動の扱い方についていくつかアイデアがあったんだ」と、自身初のTCRモデルとして初代リンク&コーCo 03 TCRをサンプリングしたルーベンス。「でも、いくつか(予測と)異なっていた部分もあり、TCRマシンをテストするのはとても興味深いものになったよ」

 同じくリンク&コーのマシンをテストしたSCB優勝経験もあるエドゥアルドは「このTCRはストックカーとはまったく違うし、このテストは僕ら親子にとって本当に勉強になったよ」と付け加えた。

「でも、とても挑戦的なクルマだからとても気に入ったね。将来このシリーズに参加して、一緒に戦ってくれるスポンサーを誘致したいという思いでここに来たんだ。父とともに、この機会にとても感謝してる」

 今季2024年のTCRサウスアメリカ・シリーズの次戦も引き続きブラジル開催となり、その第4戦は創設2年目となるFIA TCRワールドツアーと合流。7月19~21日にインテルラゴスのホセ-カルロス・パーチェで開催される。

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