三菱デリカD:5といえば現行型のカミソリフェイスが印象に残るがビッグマイナーチェンジ前の前期型にはローデストと呼ばれるエアログレードがあったり、若干の迷走要素もあった。そんなロングセラーモデルなデリカD:5をぶった切ってみた。
文:小鮒康一/写真:ベストカー編集部、三菱
デリカのエアロ版ってホントに必要か!? 中途半端さがダメなんじゃない!? ノーマル1本勝負しなさいよ
◼︎今年で17年目!! デリカD:5の魅力とは!?!?
MC前後の2台、好みの分かれる顔つきである。
三菱デリカD:5といえば、3列シートとスライドドアを備えたミニバンでありながら、パジェロ譲りの高い走破性を兼ね備えたオールラウンダーミニバンとして、唯一無二の存在感を放っているモデルであることはご存知の通り。
販売開始は2007年1月のことだから、来年の1月で17年が経過する超ロングセラーモデルとなっているが、改良を重ねながら今でもその魅力は衰えることを知らない。
そんなデリカD:5だが、モデル途中には若干迷走した時期もあり、それを代表するのがエアロパーツでドレスアップを施したモデルだった。
◼︎新たな客層を取り込もうとした? 派手なエアロのローデスト!!
メッキホイールが光る派手な一台である。
デリカD:5にエアロ仕様が追加されたのはデビューから4か月後の2007年5月のことで、同時に追加された2WDモデルの「C2」をベースに、フロントエアロバンパー、ドアエアロガーニッシュ、リヤエアダムからなる大型エアロパーツを装着し、17インチアルミホイールや専用メッキグリルなどを装着した特装車となっていた。
もともと高い最低地上高が魅力のデリカD:5だったが、2WDモデルではタイヤの外径を小さくすることで4WDモデルに対して全高を45ミリダウンさせ、アプローチアングルなどを考慮して下側が絞り込まれた形状のバンパーを持つ標準モデルに対して、下側まで張り出したエアロパーツを備えるという真逆のアプローチのモデルとなっていたのである。
当時はまだまだミニバンブームで、ミニバンをベースにカスタマイズを楽しむユーザーも多かったことから、新たな客層を取り込もうとしてリリースしたローデストであったが、デリカD:5を求めるユーザー層にはあまり響かなかったようで、主力モデルになることはならなかった。
ただ三菱としてはなかなか諦めきれなかったようで、2008年の東京オートサロンでは前年の東京モーターショーに参考出品した「デリカD:5 エグゼクティブ」をベースとした「ローデスト エグゼクティブ」を展示。
これはエルグランドとアルファードが巻き起こした高級ミニバンブームに乗ろうとしたモデルで、3列目シートを撤去し、2列目シートに立派なキャプテンシートを備えてテーブルなどを装備した仕様となっていたが、こちらは実際に販売されることはなく、お蔵入りとなってしまった。
◼︎現行型にもあるぞ!! 都会派なデリカD:5アーバンギア
より洗練されて都会的な見た目のアーバンギア。
結局エアロ仕様のローデストは2018年4月の一部改良で姿を消すこととなったが、2019年2月に実施された大幅改良のタイミングで、新たに実質的なローデスト後継も言えるアーバンギアシリーズが登場。
こちらは都会的に洗練されたモデルということになっているが、やはりデリカD:5を求めるユーザーの多くは無骨でワイルドな姿を求めているようで、販売の主力は相変わらず通常モデルとなっているようだ。
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