6月12日、WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースは、レースウイークの走行初日を迎えた。この日は午後にFP1、その後予選、そして夜にはFP2のセッションが行われ、予選ではBMW Mチーム WRTの15号車BMW Mハイブリッド V8が最速タイムを記録している。
走行初日水曜日のパドックから、各種トピックスをお届けする。
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■BMW、驚きのトップタイム
BMW Mチーム WRTのチーム代表ヴァンサン・ボッセは、水曜日の夕方の予選でドリス・ファントールがセッショントップのタイムを出したことに喜びを表明した。このベルギー人ドライバーは、ハイパーポール進出を争う1時間のセッションで、3分24秒465というベストラップを出した。
ボッセはSportscar365に次のように語った。
「結局のところ、これは良い兆候であり、良い気分だ。大した意味はないが、1周でそれを達成できるということだ。24時間という長いスティントでそれを達成できるかどうかは、これから分かる。だが、我々はこれを受け入れるよ! BMWとチームが過去数年間に懸命に取り組んできたことに対する良い気分だ」
トップタイムの活躍について、ファントール自身は次のようにコメントした。
「最初の数レースとこれまでのセッションの後、ポールポジションを獲得できたことは間違いなく予想外だった。しかし、マシンの運転は本当に良かった。大した意味はないが、どこかでトップ8に入ることができるのは前向きだ。明日(ハイパーポール)、どうなるか見てみよう。難しいレースになるだろうが、もう一度トライして、どこまで行けるか見てみよう」
ボッセは一方、BMWがLMGT3でトップ8にマシンを入れられなかったことにはそれほど感心していない。マキシム・マルタンはM4 GT3の中で最速の12番手に終わっていた。
「恥ずかしい」とボッセは語った。「セクター2で1秒失っている。BoP(性能調整)の話をしているのではなく、ブレーキングが原因かもしれない。でも、ここには長いストレートがあり、我々は4戦目なんだ。満足していないよ」。
■予選2番手に食い込んだキャデラック
予選で3号車キャデラックVシリーズ.Rを3分24秒642のベストラップで2番手に導いたセバスチャン・ブルデーは、自分の努力を「45歳にしては悪くない」と評した。
このフランス人は、次のように付け加えた。
「チーム全員に本当に満足している。本当に難しいコンディションだった。最初のアタックでは『行くぞ』と言って、アクセルを戻さなかった。最後のセクターで運が悪く、LMP2車両がいて10分の3秒遅れてしまったが、それでも本当に堅実なラップだった」
■63号車ランボルギーニの大仕事
ステランティス・モータースポーツの代表ジャン・マルク・フィノーは、ジャン・エリック・ベルニュが 93号車プジョー9X8で15番手に終わった後、プジョーがハイパーポールに進出できなかったことについて楽観的だった。
フィノーは次のように語っている。
「ペースには満足していない。もっと速かったらよかったのだが。しかし、わずか1.7 秒遅れで、わずか1秒の間にすでに12台の車がいるので、まだ非常に接近している。ル ・マンは非常に長いトラックで、ここでの1秒は他のトラックでは0.4 秒だ。この(改良された)クルマでこのトラックを走るのは初めてなので、セットアップの面で作業する必要がある」
ランボルギーニ・アイアン・リンクスの63号車SC63は、メーカーの広報担当者によると、日曜日のテスト日に「異常な振動」が発見されたため、月曜日にシャシーが交換された。そのため、水曜日のフリープラクティス1は、この真新しいクルマのシステムのデバッグに費やされた。
■ドライバーの国籍。最低と最高年齢
今年のレースには、合計34カ国のドライバーが参加する予定だ。もっとも多くのドライバーが参加しているのはフランスで27人、続いてイギリスが25人、イタリアが17人、アメリカが14人、デンマークが13人という順番だ。
グリッド上でもっとも経験豊富なドライバーは、マンタイ・ポルシェのドライバーであるリヒャルト・リエツで、今週末で18回目のル・マン出場となる。 2000年以前にレースに出場したことがある唯一のドライバーは、1999年にデビューしたキャデラックのセバスチャン・ブルデーだ。
このフィールドで最年長のドライバーはジョン・ハーツホーン(プロトン・コンペティション)で、レース当日には67歳1カ月27日になる。最年少は、デビューしたコンラッド・ローセン(スピリット・オブ・レース) で、18歳1カ月4日だ。
■“ウォームアップの差”で決まることは望まない
フェラーリのグローバル耐久レース責任者アントネッロ・コレッタは、タイヤウォーマーが禁止されたため、比較的涼しい気温が予想される今年のル・マンの勝敗を決めるのに、タイヤのウォームアップが不釣り合いな役割を果たさないことを期待している。
コレッタはまた、ポルシェがライバルよりも早くタイヤの熱を入れる能力があるようだとほのめかした。彼は集まったメディアにこう語った。
「スポーツ当局が、クルマに装着されたタイヤの温度をチェックすることは非常に重要になるだろう。過去のレースで、タイヤを温めるのが非常に上手なドライバーがいるのをすでに見てきた。そして、このようなコースでは、冷たいタイヤでのアウトラップでは、15秒以上もロスする。コントロールできないのは受け入れられない」
彼はさらにこう付け加えた。「ルールがあるのにそれをコントロールしないというのは、特にパフォーマンスや非常に重要なタイム差を左右する場合には、あまり意味がない。1ラップで15秒ロスすると、それをスティントで取り戻すのは事実上不可能だ。夜間やその他の困難な状況でタイヤが温まるかどうかでル・マンが決まるなんてことは望まない」
■バレンティーノ・ロッシの来季は?
バレンティーノ・ロッシは水曜日、来年もGT3レースでチーム WRTとこれまでと同じデュアルプログラムを続ける予定だと記者団に語った。今週末にル・マンデビューを果たすMotoGPの伝説的選手は、現在WECとGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの両方に出場しており、インターコンチネンタルGTチャレンジにも出場している。
Sportscar365は、レンガー・バン・デル・ザンデがWECシーズン最終戦バーレーン8時間レースで、フルシーズンドライバーのアール・バンバーおよびアレックス・リンとともに2号車キャデラックVシリーズ.Rのサードドライバーを務める予定であるものと理解している。NTTインディカーシリーズで2度チャンピオンに輝いたアレックス・パロウが、今週末は2号車のサードドライバーを務めている。
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