1950年以来の再興をめざすイタリアの高級車ブランドであるイソッタ・フラスキーニは、イギリスのベクター・スポーツと提携を結びFIA世界耐久選手権(WEC)の2023年シーズンに登場予定のル・マン・ハイパーカー(LMH)イソッタ・フラスキーニ『ティーポ6・LMHコンペティツィオーネ』を2月28日(水)にミラノ自動車クラブで公開した。
このマシンの開発はミケロットが担当し、完成目標であった2月末という期日が守られたことに。WEC参戦が叶えば、トヨタ、グリッケンハウス、プジョー、フェラーリ、ヴァンウォールに次ぐ6つ目のLMHメーカーとなる。
■WECエントリー拒否されるも”予想通り”? 新生イソッタ・フラスキーニ、第5戦モンツァからのデビュー目指す
イソッタ・フラスキーニでモータースポーツ・ディレクターを務めるクラウディオ・ベッロは、ティーポ6コンペティツィオーネの公開に伴い、次のように語った。
「4ヵ月前にイソッタ・フラスキーニが復活し、伝統に従いレーシングカーで再起をかけることを発表した時から今回へ……まさに期待通りの状況にある」
「ティーポ6・LMHコンペティツィオーネは現在、完全かつ現実的な構成となっている。2023年シーズンにはFIAのホモロゲーションが取得でき次第、レースごとにWECへ参戦していく予定だ」
「その間、我々はベクター・スポーツと共に何kmも走って、できるだけ早く準備を整えたいと思う」
今年初めにベッロはmotorsport.comに対して、7月初旬に開催されるWECモンツァ戦にてティーポ6・LMHコンペティツィオーネを”母国デビュー”させるという計画を明かしていた。
ティーポ6・LMHコンペティツィオーネは、ドイツのHWAエンジニアリングがイソッタ・フラスキーニのために開発した3.0リッターV6ツインターボエンジンと、ポッシュが提供するフロントアクスル・ハイブリッドシステムを搭載する。
空力面ではウイリアムズの風洞で開発が行なわれ、シャシーとボディーワークはイタリアの大手コンポジット企業であるARSテクノロジーズが担当。カスタマー仕様のティーポ6・LMHコンペティツィオーネも販売されるようだ。
またイソッタ・フラスキーニではレースだけでなく、市販車製造も復活させる計画も進んでいる。
ティーポ6の”LMHコンペティツィオーネ”は、このマシンの3つのバージョンのひとつ。”ピスタ”と呼ばれるサーキット走行専用バージョンや、市販車バージョンの”ストラーダ”も用意される予定だ。
イソッタ・フラスキーニを率いるアレッサンドロ・ファッシーニは、かつて世界ラリー選手権(WRC)に出場していた元レーシングドライバー。発表会で彼はイソッタ・フラスキーニのブランドへの1億ユーロの投資と、5年間で合計50台のティーポ6を製造する計画を明かした。
なお、イソッタ・フラスキーニに2026年に向けて、2シーターの新型スーパースポーツカーを開発中だ。
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