強力で洗練されたドライブトレイン
メルセデスAMG EQS 53のアクセルペダルを踏み込むと、怒涛の勢いで加速していく。160km/hを超えても怯むことなく、直進安定性も極めて高い。中間加速も同様。フロントモーターが効果的に、リアモーターをアシストしてくれる。
【画像】メルセデスAMGのEQS 通常の580 欧州の競合・高性能純EVサルーンと比較 全103枚
ステアリングホイールにはパドルが付き、アクセルペダルを緩めた時の回生ブレーキの強さを3段階から選べる。最も強力な状態では最大で300kWの発電能力があるといい、勢いよくスピードも落ちる。
ドライブトレインの洗練度も優秀。フロントの駆動用モーターから高音域のノイズが聞こえる場面もあったが、それ以外は至って静か。印象的なほどにスムーズだ。
AMGにしては静か過ぎるとお感じのドライバーのために、様々な合成サウンドも用意されている。アクセルペダルの踏み込み量や、駆動用モーターの負荷に応じてボリュームや音色が変化する。
ただし、フルスロットルから右足の力を緩めても、サウンドは絞られるだけ。内燃エンジンのAMGでは、雷鳴のような唸りや破裂音が楽しめたのだけれど。
AMGは、サスペンションにも独自のチューニングを加えている。AMG 4ドアクーペでも採用されているアダプティブダンパーをEQS 53用に改良し、通常のEQSから車高も落とされている。ブッシュ類も専用品だ。
初試乗したのは北米のカリフォルニア。コースは、ツギハギの多い高速道路と、走りがいのある渓谷部のワインディングが指定された。
感心するほどに意欲的なコーナリング
ステアリングホイールを軽く回してみると、反応がより鋭いことがわかる。フロントタイヤの接地面が広げられていることもあってか、コミュニケーションも取りやすい。
スポーツ・モードでのEQS 53は、目を見張るほどに意欲的。大柄なボディの割にライン取りがしやすく、素早く進路変更を求めると、さも当然のように向きを変える。
ステアリングホイールは、もう少し手応えがあっても良いと感じた。コーナーで身体が圧迫されるほどの旋回Gを考えれば。
四輪操舵システムを備え、俊敏性も素晴らしい。AMGの技術力が発揮され、全長5.2mを超えるクルマが流暢に身をこなす。バッテリーの搭載位置による低い重心高も、操縦性を高めるうえで重要な役割を果たしているに違いない。
2.5tを超える車重だけあって、コーナリング時の慣性は小さくない。しかし、必要に応じて駆動力分配が可能な四輪操舵システムを搭載し、タイヤもアップグレードされている。路面を掴みきれなくなることは殆どなかった。
シャシーバランスにも長け、コーナーを攻め込むとリアタイヤ側が主導であることを感じ取れる。ストレート目掛けてアクセルペダルを踏み倒せば、有り余るパワーを確かなトラクションで展開してくれる。
勢い余って限界を超えると、電子制御のスタビリティ・コントロールが素早く介入。タイヤ毎にブレーキを調整し、パワーを絞り、適切なラインへ引き戻してくれる。
気になる乗り心地とブレーキの感触
AMG仕様のサスペンションだけあって、EQS 580より足まわりは硬め。接地感も高められているが、意外にもボディロールが発生する。角度増加は漸進的でドライバーも理解しやすいから、必要な操作を直感的に行えるだろう。
エアサスペンションだが、コンフォート・モードでも乗り心地は快適とまではいえない。路面が平滑でなくなるほど、フロント側を中心に明確な振動が車内へ伝わる。高速域でも細かな振動は吸収しきれないようだ。ロードノイズも目立っていた。
加えて、ブレーキペダルの質感も気になるポイント。フロントに6ポッド、リア側に2ポッドの大きなキャリパーが与えられ、制動力に不足はない。だが、ペダルを踏んだ時の重さに一貫性がなく、感触も薄いようだった。
このEQS 53は、実際のところAMG初の純EVではない。さかのぼれば2012年に限定生産されたSLS Eセルというクルマがあった。しかし量産モデルとして、EQS 53がその先鋒を担う。
AMGの伝統に則って、圧倒的にパワフルで速く、操縦性は極めて正確。ラグジュアリーなインテリアを備え、純EVの性能として重要な尺度である航続距離も充分に長い。まさにAMG級の数字が並んでいる。
より具体的な評価は、英国仕様を公道で運転できるまで待とう。感動的なまでにすべてがスムーズだったEQS 580の印象とは異なり、乗り心地など、幾つかの疑問が残った。
価格も発表されていない。EQS 450 エクスクルーシブの英国価格は12万995ポンド(約1839万円)となっているから、それより遥か上の数字になることは、確実ではある。
メルセデスAMG EQS 53 4マティック+(欧州仕様)のスペック
英国価格:18万ポンド(約2736万円/予想)
全長:5216mm(標準EQS)
全幅:1926mm(標準EQS)
全高:1512mm(標準EQS)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.4秒
航続距離:511-585km
電費:4.1-4.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2575kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:107.8kWhリチウムイオン
最高出力:761ps(システム総合)
最大トルク:103.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:−
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