「裕福な人々に向けた措置」 でもパリ市民は?
フランスの首都パリで、重量の重いクルマに対して市内の駐車料金を3倍にすることが住民投票で承認された。今のところ法的拘束力はないが、年内に導入される可能性もある。
【画像】セダンやハッチバックも駐車料金3倍?【パリで対象となる「意外」なクルマ3車種を写真で見る】 全49枚
対象は、重量が1600kgを超えるガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、そして2000kgを超えるEV(電気自動車)。駐車料金はパリ中心部で1時間あたり18ユーロ(約2900円)、他のエリアで1時間あたり12ユーロ(約1900円)となる。
この動きは多くのメディアで「SUVへの反発」として報じられており、確かにその一面もあるが、具体的には車型は問わず、セダンやクーペなども対象となる。
特に影響を受けやすいのが、PHEV(プラグインハイブリッド車)だ。短・中距離であれば電気のみで走行可能なため、排ガス規制の厳しい都市部で好まれるが、エンジンと大型バッテリーを積んでいるため重量がかさみがちだ。
例えば、BMW 330eは1740kg、シトロエンC5 X PHEVは1722kg、メルセデス・ベンツA 250eは1680kgである。
投票率は5.7%で、そのうち賛成は54.6%であった。この結果を受け、パリのアンヌ・イダルゴ市長は市民による「明確な選択だ」と歓迎した。
イダルゴ市長は以前、料金引き揚げは「社会正義の一形態」だと語っていた。
英ガーディアン紙によると、イダルゴ市長は「これは非常に高価なクルマに対するものであり、ドライバーはまだ(気候のために)行動を変えていない」と語ったという。
ダヴィド・ベリアール副市長は、この措置は「最も裕福な人々に向けられる」と付け加えた。
とはいえ、パリ市民は駐車料金の値上げ対象とはならない。ブルームバーグの2023年7月のレポートによれば、パリの不動産価格は欧州で最も高いという。影響を受けるのは市街からの来訪者だ。
商用車(タクシーを含む)や身体障害者は免除される。
重量の重いクルマに対する風当たりが強いのはパリだけではない。英国の首都ロンドンのサディク・カーン市長は先週、大型車に対する追加料金の適用を検討すると述べた。
カーン市長は「他の都市が効果的なことをやっているなら、我々もそれを真似るだろう」とした。
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