近年、クラシカルなデザインのバイクがトレンドになりつつあります。実際に「ネオクラシック」というカテゴリーが定着してきており、排気量に関係なくかつての名車に似せた新車のマシンが人気を集めています。
ということは、レトロなバイクが好きな人は、ひと昔前のクラシックスタイルのバイクも十分に魅力を感じるかもしれません。では中古で狙えるクラシックなバイクとして、どのようなモデルがラインナップしているのでしょうか。
⚫︎カワサキ「エストレヤ」
1992年にカワサキから発売されたのが、250ccのベーシックモデル「エストレヤ」です。こだわりのカラーリングに、鞍型シートや各部のメッキパーツ、キャブトン風マフラーなど、美しさと高い質感を兼ね備えたネオクラシックなスタイルが特徴。往年の名車メグロを彷彿とさせるディテールを各所にちりばめています。
またセミダブルクレードルフレームに空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載。この基本的な構成を変えることなく、数々のバリエーションモデルを登場させながら、25年間販売され続けました。カワサキの最長のロングセラーモデルのバイクとなっています。
細身のシートで足つき性がよく、その美しいシルエットでビギナーをはじめ女性からも高く支持されましたが、2017年に排ガス規制に対応せず「ファイナルエディション」をもって生産終了となりました。
⚫︎スズキ「ST250」
2003年に発売されたのが、伝統的なオートバイらしい美しさを追求したスズキ「ST250」です。オーソドックスなシンプル設計で低価格を実現し、親しみやすさや懐かしさを感じる外観で人気を博しました。
同じく人気モデルだった1994年発売の「ボルティー」の後継機としてコンセプトを受け継ぎ、空冷単気筒SOHCエンジンを搭載。4バルブから2バルブに変更され、中低速域でも力強い走りを実現させています。
また、高速メッキシリンダーの採用や、燃焼室形状の見直しにより燃費と出力特性が向上しました。
メッキパーツを多用してレトロ感を演出し、大型ヘッドライトと前後18インチのスポークホイールを採用した迫力あるボディが特徴です。またスリムで軽い車体は足つき性も取り回しもよいため、クラシカルで乗りやすいシングルスポーツを探している人には、ぴったりな一台かもしれません。
⚫︎ホンダ「GB250クラブマン」
1983年にホンダが発売したのが「GB250クラブマン」です。1960年代を彷彿させる伝統的なスタイルを受け継いだロードスポーツモデルで、クラシカルな外観ながら最新の技術を投入したメカニズムによりヒットを記録しました。
「CBX250RS」のエンジンとフレームをベースに開発され、当時としては画期的な空冷DOHC4バルブ単気筒エンジンを採用。当時の最新技術であるRFVCシステムにより、優れた燃焼効率と吸排気効率を実現しています。
マイナーチェンジを繰り返しながら、1997年1月まで製造されました。生産終了から20年以上が経過した現在でも中古市場で絶大な人気を誇り、状態のよい車両は新車の値段を超えることも珍しくありません。
そのレトロでスタイリッシュな外観で、多くのユーザーに愛され続け、幅広い年齢層に支持されてロングヒットを記録したモデルです。
⚫︎ヤマハ「ドラッグスター250」
ヤマハ「ドラッグスター250」は、2000年に登場したアメリカンスタイルのクルーザーです。ベースとなっているのは「XV250ビラーゴ」で、フレームを新たに設計し直し、ドラッグスター・シリーズに共通するロー&ロングスタイルを実現したエントリーモデルとなっています。
250ccでありながら、400ccとほぼ同じ2,320mmの車体寸法が与えられ、迫力の本格アメリカンスタイルで発売当初から高い人気を博しました。また小排気量ながら、V型2気筒エンジンを搭載しており、力強い走りを実現しています。
2008年に酸化還元触媒付きのマフラーを採用し、排ガス規制をクリアして、2017年9月まで生産が続けられました。アメリカンを気軽に楽しみたい人には最適なバイクといえます。
⚫︎ヤマハ「SRV250ルネッサ」
1996年に発売されたのがヤマハ「SRV250ルネッサ」で、ヨーロピアンスタイルの外観が特徴のネイキッドバイクです。これより4年先に発売されたクラシカルスタイルの「SRV250」の派生モデルで、デザインが一新されて、シャープでスポーティーなイメージに見た目が変わりました。
エンジンは「XV250ビラーゴ」の空冷Vツインエンジンが流用されており、スマートな外観からは想像できない図太い鼓動感のあるサウンドが魅力です。しかし当時は不人気車で、販売台数が伸び悩み、発売からわずか1年で生産が終了しました。
しかしその後、扱いやすい排気量と唯一無二のスタイリング、Vツインエンジンが生み出す軽快な走りが評価され、人気車種の仲間入りを果たすことに。その秀逸なデザインと高い完成度は生産が終了して20年以上経った現代でも十分に通用する、魅力に溢れたバイクといえるかもしれません。
※ ※ ※
かつての名車と呼ばれるバイクには、多くのライダーから支持される確固たる理由があります。バイクを探している人は、あえて中古車を選んでクラシックバイクの魅力を味わってみるのも良さそうです。
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