技術的な最高が目指されたマッスルカー
フォード・マスタングは、約60年前の登場から述べ1000万台以上が売れた。アメリカ車の代表の1台だと、誰しもが考えているだろう。
【画像】ハイテクなマッスルカー 7代目 フォード・マスタング ドイツ勢の競合クーペと比較 全121枚
目抜き通りを流したり、高速道路で大陸を横断したり、休日に轟音を撒き散らしたり、乗り方はそれぞれかもしれない。それでも、V8エンジンを載せた安価なクーペであり続けてきた。
最新のS650型マスタングにも、V8エンジンが載っている。英国価格は、ベースグレードのGTで5万5725ポンド(約1081万円)から。BMW M2より約1万ポンド(約194万円)、ポルシェ・ケイマン GTSより約2万ポンド(約388万円)も安い。
サーキット志向のマスタング・ダークホースでも、6万7995ポンド(約1319万円)。アップグレード内容を考えれば、納得できるお値段だ。
市場によっては2.3L 4気筒ターボも設定されるが、英国へ導入されるのは、今のところV8のみ。自然吸気の5.0Lコヨーテ・ユニットだ。
歴代までの魅力を受け継ぎつつ、若い層にも選んで欲しいとフォードは考えている。そのため、従来以上にハイテクになった。車載CPUの処理能力は、先代の2倍だとか。
ドリフトを誘いやすい電子ハンドブレーキを採用し、ソフトウエアは無線通信でアップデート可能。大画面のメーター用モニターは、1970年代風のアナログメーターを描画することもできる。
マッスルカーとして、技術的な最高が目指されている。プラットフォームとパワートレインは、基本的には6代目、S550型のキャリーオーバーだが。
マスタングらしく、アグレッシブな容姿
全長は、先代から91mm長く4810mmで、全高は18mm低く1394mm。1916mmの全幅は変わらない。大きく、路面へ低く構えたスタンスと、短いリアオーバーハングのプロポーションはそのままだ。
マスタング・シェルビーGT500を手掛けたデザイナーのクリス・スティーブンス氏は、鋭い目つきのヘッドライトを与えた。フロントグリルはワイド化。3本のテールライトは、象徴の1つといえる。
フロントのトレッドは3mmプラス。リアのディフューザーなどで、これまでで最も空力特性を意識したデザインにもなっている。
美しいと感じるかは、人それぞれ。かなりアグレッシブで、繊細な印象は受けにくい。それでもマスタングらしいし、強く惹かれることは間違いない。
車内で最大の変化は、2連カウルのアナログメーターが、12.3インチのモニターへ変更されたこと。新しすぎるとお感じなら、クラシカルなグラフィックを選ぶことで解決できるかも。
背中へフィットするスポーツシートや、リムの太いステアリングホイールは変わりない。英国仕様の場合、最新のシンク4が稼働する、インフォテインメント・システムが標準装備。ダッシュボード中央に、13.2インチのタッチモニターが据えられる。
ゲームの開発プラットフォーム、アンリアル・エンジンというソフトウエアが利用され、インフォテインメント・システムの操作は覚えやすい。ドライブモードの切り替えは、アニメーションが凝りすぎているのか、少し反応が鈍かった。
4500rpm以上で本領を発揮するV8エンジン
タッチモニターの下には、デフロスターやトラクション・コントロールのボタンが並ぶ。ステレオのボリュームには、感触の良いダイヤルが残っている。
マニュアルを選べば、滑らかでカッシリ動くシフトレバーも付いてくる。ハンドブレーキは電子制御だが、レバーで効かせられる。ステアリングホイールには、車線維持支援機能をオフにするスイッチがあり、使い勝手が良い。
操作系の人間工学も、入念に練られた印象。内装の組み立て品質は上々だ。
ドライブモードは快適志向のノーマルに始まり、アクセルレスポンスとダンパー、ステアリングが引き締まるスポーツ、スリッパリー(滑りやすい路面)、トラック(サーキット)、ドラッグストリップから選択可能。カスタム・モードで任意登録もできる。
ただし、期待するほど運転体験に大きな違いはない。自然吸気のV8エンジンは446psと54.9kg-mを発揮し、モードに関わらず強力。ドロドロという低音の効いたサウンドを放ち、スポーツ・モードを選べば一層迫力が増す。
4500rpmを超えると、本領を発揮。音量を増大させながら、7500rpmのレッドラインめがけて勢いが上昇していく。0-100km/h加速は5.3秒だが、それ以上に速く感じる。最高速度は、249km/hに制限される。
マスタング・ダークホースは、英国では1万2270ポンド(約238万円)お高い。サーキットでは違いが大きいはずだが、公道の限り、通常のGTでも充分マッスルカーだ。
ドイツ製ライバルに劣らない乗り心地
試乗車にはピレリPゼロ・タイヤと19インチ・ホイールが組まれていたが、乗り心地や姿勢制御はドイツ製ライバルに劣らない。大きなうねりにも、細かな入力にも手を焼くことなく、ゴムのように一定の締りがある姿勢制御を実現している。
マグネライドと呼ばれるアダプティブダンパーは、カメラ映像を利用し路面を解析。深い窪みではタイヤを浮かせるように制御し、衝撃を抑えるという。
グリップ力は間違いないが、テールを流せる自由さも残されている。敏捷といえる回頭性ではないものの、挙動は非常に予想しやすく、ステアリングホイールの角度は一発で決められる。
高速道路での安定感は素晴らしい。運転姿勢は低く快適で、車内空間は広く、110km/hでの走行時のエンジンは1500rpm程度。淡々と遠くを目指せる。
6速MTのフィーリングは素晴らしい。V8エンジンのパワーを、ダイレクトにタイヤへ伝えるという、濃密な体験が味わえる。ややレバーの動きは重めだが、回転数とギアがピタリと合った時の気持ち良さがたまらない。8速ATより、こちらをオススメしたい。
車重は1836kgあり、ペースを速めると重さを実感する。能力の8割程度が1番爽快だ。
今回はフランスの公道での試乗だったが、燃費は思いのままに走らせて5.3km/L。マッスルカーだから予想の範囲だが、先代より若干効率は悪いようだ。
アメリカンな魅力に、ドイツ勢へ並ぶ洗練性
最新のマスタングは、過去最高水準に訴求力の高い仕上がりにある。アメリカンな魅力へ、ドイツ勢に劣らない洗練性を融合させ、価格は現実的な設定にある。
2ドアクーペのスポーツカーとして考えれば、賢明な選択肢はBMW M4やポルシェ911なことに変わりはない。長期的な経済性や、長距離での快適性も、より優れるだろう。
とはいえマスタングは、それらに対峙できる能力を獲得したといっていい。英国に割り当てられたダークホースは、既に2024年分が完売したとか。V8エンジンのパワーを堪能できるドライバーズカーとして、市場もしっかり反応しているようだ。
◯:類まれなマッスルカーの魅力 高いコストパフォーマンス 優れた快適性
△:見る人によってはオシが強すぎるかも 賢明な選択肢は他にある 優れない燃費
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