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ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモへ試乗 新スタイルで二兎を得る

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ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモへ試乗 新スタイルで二兎を得る

サルーンとクロスツーリスモの融合

パワートレインのハイブリッドは聞き慣れたもの。でも、こちらのポルシェ・タイカンは異なるボディスタイルが組み合わされた、別のハイブリッドだ。

【画像】ポルシェ・タイカン サルーンとスポーツツーリスモ 競合する純EVと比較 全143枚

クロスオーバーのタイカン・クロスツーリスモを持ってきて、オフロード・ライクな樹脂製オーバーフェンダーなどを剥がす。そして、車高をサルーンのタイカン並みに低くする。その結果誕生したのが、このタイカン・スポーツツーリスモといえる。

つまり、クロスツーリスモが備える余裕のある後部座席と広々とした荷室が、背の低いタイカンに備わっている。

サルーンのタイカンほどのダイナミックな走りや、クロスツーリスモほどの実用性や走破性は備えていないかもしれない。両方の良いところを、上手に持ち合わせている可能性もある。ハイブリッドの感じ方は、読者によって異なるだろう。

AUTOCARでは先日、通常のタイカン GTSの試乗レポートをお伝えした。その時に運転が許されたのはサーキットのみだった。反面、タイカン GTS スポーツツーリスモの運転は、同じ日ながら公道のみという指定。残念ながら、直接的な比較はできなかった。

しかしスポーツツーリスモは、サルーンのタイカンとクロスツーリスモとの、両方の長所をしっかり受け継げているようだ。中途半端なハイブリッドではない。

サルーンとの走りの違いは感じられない

もし読者が2台を試乗して、スポーツツーリスモはサルーンのタイカンより車重が15kg重いことを感じ取ることができるなら、自動車ジャーナリストになれると思う。筆者は残念ながらわからなかった。

あるいは、少し高めのルーフラインがもたらす重心高の違いが生む、ハンドリングの変化に気付くことができるなら、世界トップクラスのシャシーエンジニアにもなれるかもしれない。その違いは極めて小さい。

基本的にシャシーのセットアップはサルーンと同じ。サーキットと公道という違う環境で乗り比べたこともあって、タイカン・スポーツツーリスモは、サルーンのタイカンと同じように加速し、曲がり、停止するように感じられた。

タイカン GTS スポーツツーリスモの英国価格は、サルーンのGTSから800ポンド(約12万円)高いだけ。ダッシュボードにストップウォッチを置く、スポーツクロノパッケージと殆ど変わらない差額だ。

その差で通常なら400L、リアシートを折りたためば1200L以上という大きな荷室空間が得られる。しかもタイカンのGTSは、現在売られている純EVでベストなモデルのベストな仕様といえる。

サルーンとのドライビング体験の違いは極わずか。ポルシェ・タイカン GTSで、スポーツツーリスモにするべきか悩む必要はないといっていい。

スポーツツーリスモの指定で間違いなし?

ただし、タイカンでスポーツツーリスモのボディを選べるのは、しばらくの間GTSのみ。ポルシェによれば、2022年中には4Sとターボ、ターボSにも追加予定だという。

このスタイルが気に入らないなら、サルーンのタイカンが良いだろう。だがそんな理由がなければ、タイカンを検討しているドライバーは今後スポーツツーリスモを指定して間違いないような気がする。

改めて後日、英国の一般道での試乗レポートをお伝えしたいと思う。

ポルシェ・タイカン GTS スポーツツーリスモ(欧州仕様)のスペック

英国価格:10万4990ポンド(約1595万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1395mm(GTS サルーン)
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.7秒
航続距離:409-503km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2310kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:598ps
最大トルク:86.3kg-m
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)

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