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ホンダ:間近で感じたドゥカティの速さ。ザルコ「自分のペースにフラストレーション」/第6戦カタルーニャGP スプリント

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ホンダ:間近で感じたドゥカティの速さ。ザルコ「自分のペースにフラストレーション」/第6戦カタルーニャGP スプリント

 5月25日、2024年MotoGP第6戦カタルーニャGP MotoGPクラスのスプリントがスペインのカタロニア・サーキットで行われ、レプソル・ホンダ・チームのジョアン・ミルは15位、ルカ・マリーニは16位でフィニッシュした。

 また、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は13位、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)は18位、ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は転倒リタイアで終えている。

【順位結果】2024MotoGP第6戦カタルーニャGP スプリントレース

 気温18度、路面温度22度のコンディションで行われた午前のフリー走行2回目で、中上を除くホンダライダー4人は前後にソフトタイヤを履いてコースイン。中上はフロントにソフト、リヤにミディアムを選択した。この時間のコンディションに中上のタイヤが上手く作用し、序盤に5番手のタイムをマークする。5コーナーで他車の転倒があり記録には残らなかったが、セクター1で飛びぬけた全体ベスト相当のタイムを見せる好調ぶり。その後は新品タイヤをおろさず同じタイヤで周回を重ねたため順位は20番手にとどまった。

 マリーニは、1度目の走行を終えてフロントタイヤをミディアムへチェンジ。セクター単位ではタイムを更新できていないものの、走りそのものが安定したのか1周全体では自己ベストを記録し22番手となった。

 このセッションでのホンダ勢の最速はミルで、5人のなかで唯一1分39秒台を記録。その後も安定したペースを刻み、他メーカーのマシンに迫るパフォーマンスを見せながら14番手でセッションを終えた。

 ザルコも同様の活躍が期待されたが1分40秒を切ることができず、さらに最後には5コーナーで転倒してしまう苦いフリー走行となった。

 予選は全車Q1からとなったホンダ勢。ここではフリー走行でパフォーマンスを発揮しきれなかったザルコが気を吐く。アタック1周目でいきなり1分39秒台を記録すると翌周にはさらにタイムを更新。リヤに新品タイヤを投入すると、ついには1分38秒台に突入した。Q2進出とはいかなかったが、ホンダ勢最上位の18番グリッドを獲得した。

 チームメイトの中上は、1分39秒台前半を何度も記録。1分38秒台が見えてきた最終アタックだが、セクター2でわずかにタイムを失う。セクター3で自己ベストを更新し遅れを取り戻したがセクター4で再びロスがあり、ベストタイムは1分39秒156だった。

 20番手を獲得した中上に続くのがレプソル・ホンダ・チームの2名。ミルは1周のみアタックすると、次の周にはピットインしフロントをソフトからミディアムに変更。しかし効果はいまひとつのようで大きなタイム更新はできず、21番グリッドからのレーススタートが決まる。

 また22番グリッドを獲得したマリーニは、開幕当初と比べてチームメイトとの差を着実に縮めており、この予選ではミルから遅れることわずか0.097秒と移籍先への適応を感じさせる走りを見せた。

 午後のスプリントレースは気温25度、路面温度46度と急激にコンディションが変化。ロングランのパフォーマンスがより明らかになるレースとなった。

 このレースで、ホンダにとって大きな影響を与えたのがアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)だ。13番手スタートのアレックス・マルケスはオープニングラップのターン4で大きくバックオフし最下位まで順位を落とした。そのため、最近のホンダにとっては貴重な“ドゥカティ車に追いかけられる”展開が訪れる。

 ブラドルは3周目に約8秒を失うミスをしてしまいバトルの機会には恵まれなかったため、まず最初にドゥカティとのバトルを経験したのはマリーニ。4周目から5周目にかけて、約1秒ほどのペース差でアレックス・マルケスに迫られたマリーニはそのままあっさりと追い抜かれ、昨年跨っていたドゥカティとの違いを間近で確かめることとなる。

 7周目、次はミルにアレックス・マルケスが襲いかかる。ストレートで約0.3秒まで縮まったギャップを、ミルはセクター1で0.4秒まで広げる。しかし加速区間の長いコース中盤で再び詰め寄られ、次のホームストレートでオーバーテイクを許した。

 中上がレースペースでザルコに勝り、順位を入れ替えてからはその差が開いていたため、次にアレックス・マルケスの標的となるのはザルコとなる。ザルコもまたドゥカティに乗っていたライダーであり、バトルからのフィードバックも期待されるところ。しかし、8周目の12コーナーでインサイドに切り込んできたアレックス・マルケスがザルコに接触し、グラベルに弾かれたザルコはここでレースを終えた。

 残るホンダ勢は中上のみ。ここまで1分40秒台中盤で周回していた中上は、9周目からペースが下り坂に入る。ちょうど時を同じくして中上のすぐ後ろまで順位を上げてきたアレックス・マルケスは1分40秒台中盤を維持。この時点ではギャップが3秒ほどあったが、0.5秒以上レースペースが速いアレックス・マルケスは中上の貯金をどんどん削り取っていく。しかし中上もタイヤを完全に使い切ってはおらず、最後の3周はなんとかペースダウンを抑え、わずか0秒179の差で逃げ切り13位を獲得した。

 高温下での混走、バトルで見えた戦闘力の差など、ホンダにとって得られる情報の多かったスプリントレース。これらのデータが、決勝の走りとマシン開発にとって大きな助けとなることを期待したい。

■ルカ・マリーニ(予選:22番手、スプリント:16位)
「今日はチームメートとの差を縮めることができた。先週行ったムジェロでのテストでなにかヒントを見つけたと思うが、それがここでも機能していると思う。この2日間、コースに出るたびに確実に前進できた。今日はグリップがあまりなく、難しいコンディションだったが、全体的なパフォーマンスを向上させるための作業も続けることができた」

■ジョアン・ミル(予選:21番手、スプリント:15位)
「今日のスプリントは、エンジニアに情報を提供する重要なレースだったので、良いデータが得られて嬉しい。いくつかの部分では進歩したが、課題が顕著に出た部分もあり、さらに努力を続ける必要がある。日曜日の決勝では、まだまだ改善する余地がある。明日のレースはポイント獲得を目標に挑むよ」

■ヨハン・ザルコ(予選:18番手、スプリント:転倒リタイア)
「リヤがスライドし、マシンが深く寝ているときにライバルと接触し転倒してしまった。レーシングアクシデントなので仕方ない。今日は思うように走ることができず、ライバルたちとのバトルを続けることができなかった。自分のペースにフラストレーションを抱えた。もっといい走りができたはずなので残念だ」

■中上貴晶(予選:20番手、スプリント:13位)
「今日は、日曜日の決勝に向けてベストな状態を見つけるために多くの時間を費やしました。昨日より気温が高く、予選、スプリントでは、予想通りリヤのグリップ不足に苦戦しましたが、明日の決勝では、今日のデータを活かし、ひとつでも上位を目指します」

「先週のムジェロでのテストで試したパーツを今回は使えていませんが、次戦イタリアGPにつながるレースにしたいです」

■ステファン・ブラドル(予選:23番手、スプリント:18位)
「難しい2日間だった。昨日の午後は体調が悪く走ることができなかったが、今日は仕事に戻ることができたので満足している。金曜日の午後を走れなかったことでセットアップは遅れたが、テストチームが頑張ってくれた」

「スプリントでは、大きくはらんでしまうミスで遅れてしまった。今日はこの後、もう少し身体を休ませて日曜日のグランプリに向けて体調を整えようと思う」

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