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メルセデス・ベンツGLC 詳細データテスト 必要十分な走り 見栄えも実用性も良好 ひと味足りない

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メルセデス・ベンツGLC 詳細データテスト 必要十分な走り 見栄えも実用性も良好 ひと味足りない

はじめに

GLCが2016年に初上陸した際、われわれは冗談まじりに言ったものだ。先代にあたるGLKを英国で販売しないと決定した首脳陣が、職を失っていなければラッキーだ、と。

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すでにアウディQ5やBMW X3、ランドローバー・ディスカバリースポーツが販売されている中、GLKの右ハンドル仕様を用意しなかったのは手落ちに思えたものだ。今やGLCは、7年の間にメルセデスの稼ぎ頭に成長したのだから、急成長したミッドサイズSUV市場に、もっと早く参入しておくべきだったといえる。

しかしながら、メルセデスはその遅れを取り戻すべく本腰を入れている。第2世代のGLCは昨年発表されたが、先代から完全にキープコンセプト。このX254、パッと見では先代X253と見分けがつかないが、そこに込められたメッセージは明白だ。ユーザーに支持された部分はそのままに、新たなライバルとよりいい勝負ができるよう改良したクルマだということである。

変化は外観より、その下に隠れた部分にある。ラインナップはハイブリッドのみで、マイルド版とプラグイン版を用意。新型Cクラスと並行して開発され、オプションで後輪操舵を設定したほか、目に見えてボディ剛性が高まり、運動性改善は確実視される。

室内に目をやれば、より魅力的なマテリアルが導入されている。このクラスでも比較的豪華な部類だという、GLCの評判をさらに高めようという意図が、そこには見て取れる。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

ほぼすべてのGLCは、独ブレーメン工場で生産される。これは、MRA IIプラットフォームを共用するCクラスと同じだ。このことから、実質的にはマイナーチェンジと思われそうだが、それは間違いだ。

シャシー剛性は15%向上し、48V電装系を採用。シャシーは60mm長く、21mm狭くなった。延長分のうちの15mmほどはホイールベースで、これまでGLCの強みとは言えなかった後席レッグルームの拡大に効くはずだ。

英国仕様のエンジンは7機種で、220d 4マチックの2.0Lディーゼルターボ・マイルドハイブリッドから、ガソリンPHEVまで設定する。全車とも四輪駆動だ。今後はAMGモデルも追加見込みで、421psのGLC43とPHEVで680psのGLC63S Eパフォーマンスが加わるだろう。

それについての大きなニュースは、もはやAMGモデルでもV8やV6を積まないこと。274km/hに達するGLC63Sでさえ、A45で導入されたM139型2.0L直4がベースで、あとは強力なモーターアシストで補うことになる。4気筒では不満ならば、すばらしくスムースな6気筒ディーゼルターボを積むGLC400dの導入に期待するしかない。

サスペンションは、エンジンによって異なる。PHEVの300eは自動車高調整式エアサスペンションをリアに採用するが、それ以外の非AMG仕様は四輪ともスティールスプリング。4.5度の舵角で回転サークルを11.8mから10.9mへ縮小する後輪操舵は、PHEVのみに設定される。

そのPHEVは、31.2kWhの大容量バッテリーを搭載。EV走行距離は130km近い。

コイルスプリング車については、英国仕様はすべてスポーツスプリングを装備。これは、AMGライン系グレードのみの展開だからだ。オーストラリアなど、コンフォート系スプリングを設定するマーケットもあるのだが。

もうひとつ、AMGライン系のみとした影響はホイールにも見られる。最小サイズは19インチで、スポーティでないグレードに用意される18インチは、英国では選択できない。また、本格AMGモデル以外は、全車パッシブダンパーを装着する。

テスト車はマイルドハイブリッドで259psのGLC300で、トリムは最上位のAMGライン・プレミアムプラス。四輪駆動は常時トルクスプリットで、ややリア優勢の駆動力配分となっている。

トランスミッションは9速ATで、前輪への駆動力はトランスファーケースを介して送られる。ホイールは、ベースグレードより1インチアップの20インチで、これが今のところGLCの最大サイズだ。

実測重量は1929kgで、公称値より4kg重い。とはいえ、2016年にテストした、非ハイブリッドで装備内容も落ちるGLC250dより36kg軽い。

内装 ★★★★★★★★☆☆

メルセデスは最近、長年定評あるマテリアルのクオリティや組み付け、仕上げより、見た目のインパクトを優先している。このアプローチは、新型GLCにも当てはまる。

トランスミッショントンネルは、11.9インチのインフォテインメント用タッチディスプレイへとシームレスにつながり、その眺めは壮観だ。ダッシュボードを覆う柾目のアンスラサイト・ライムウッドはSクラス譲りで、高級感を高める。

ステアリングホイールのスリムな多機能スポークは、旧式のゴツいインターフェイスより改善を見ている。運転環境はスイッチの乱雑さが減じ、よりプレミアムなフィールとなった。分厚いウインドウシルと比較的高いベルトラインは、このクラスのユーザーが期待する守られ感をもたらす。そうは言っても、ドライビングポジションはこれまでどおり乗用車的で、気後するようなものではない。

おそらく、どのライバル車よりも感心する要素は多いだろう。それでも、質感はBMWやレクサス、アウディに見劣りするのも事実だ。問題は、ザラザラしたプラスティックやパネルの段差ではない。その辺りは悪くないのだが、表面が必要以上にうねっている。それが、ミラーや多機能ステアリングホイールといった操作系を不正確なものにしている。種類の違うコマンドが、同じプラスティックパネルにまとめられているのだ。

ドアトリムや送風口の金属調フィニッシュも説得力がない。それらすべてが、見栄えを多少ながら悪くしている。

実用面では、不足はほとんどない。居住スペースは前後ともかなりいい。ただし、後席中央は、突き出したトランスミッショントンネルが邪魔になる。

リアオーバーハングが伸びたことで、荷室容量は従来比70L拡大した。620Lというサイズは、アウディQ5やBMW X3を上回る。

走り ★★★★★★★☆☆☆

GLC300のパワートレインは2.0L直4ガソリンターボのマイルドハイブリッドに、9GトロニックことトルクコンバーターATの組み合わせだ。このマイルドハイブリッド化により、PHEV以外のオルタネーターはインテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)に置き換えられた。このISG、低回転域で23psを発生する。259ps/40.8kg−mはほとんどが後輪へ流されるが、4マチックのエンジン縦置きメルセデスはフルタイム4WDで、前輪へは最大45%の駆動力が送られる。

GLC300のパフォーマンスはエキサイティングというにはほど遠いが、遅く感じることもない。加速性能は0−97km/hが6.5秒、48−113km/hが6秒フラット。控えめなファミリー向けプレミアムSUVには十分だ。そして、このエンジンは几帳面に、2000rpmから最大トルクを発揮する。

頻繁に追い越しをかけるせっかちなオーナーが、同乗者や荷物を乗せることを考えると、GLC43の発売を待ちたくなるかもしれない。しかし、ほとんどのひとびとにとっては、2013年のフォルクスワーゲン・ゴルフGTIと同等の0-97km/h加速タイムをマークするクルマなら満足だろう。なお、113−0km/h制動距離は、ゴルフVIIのホットハッチより20cm長いだけだ。

ギアボックスはほぼ完璧なまでに有能で、ほとんどの場合にシフトはなめらかで正確だ。1~2速ではしゃくりあげるようなときもあり、密接した9速は筋道だったキックダウンに欠けるところもあるが、ほとんどの場合そうとは気付かせない。

もうひとつだけ問題があるとすれば、負荷がかかったときに、静かなエンジンではないことだ。楽しくない音ではないが、ほとんど記憶には残らない。また、競合するBMWやアウディほど遮音が行き届いてもいない。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

GLCのMBUXは現行Sクラスで導入されたものと同じで、色合いは深くグラフィックは鮮明なので、比較的高級に感じられる。しかし、言っておかなければならないのは、傾斜した11.9インチディスプレイは指紋が反射して目立ってしまうのが望ましくない。

そして、クリック式ダイヤルのようなものがないので、タッチ画面以外の入力デバイスはステアリングホイール上のそれだけで、とくに直感的ではなく、スワイプするのにかなりの時間を取られる。

センター画面は少なくとも、空調パネルがわかりやすく、アクセスにサブメニューを掘る必要もない。スマートフォンとの統合も悪くない。ディスプレイの位置は、ダッシュボードに設置されたものより手が届きやすい。

燈火類

最上位グレードにはプロジェクター機能付きのデジタルライトが備わる。片側あたり100万ピクセルなのだとか。照射範囲や鮮明さにはなんの不満もない。

ステアリングとペダル

ドライビングポジションは明らかに乗用車的で、われわれとしては好ましい。ペダルのオフセットは、この手のクルマとしては一般的なものだ。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

Cクラスと同系統のプラットフォームがベースなので、根底にあるバランスと血統を感じさせてくれると期待するだろう。ポルシェ・マカンほどの一体感は誰も期待していないだろうが、メルセデスなら円熟度と楽に走れる沈着さは持っているべきだ。それも、この価格帯ならばなおさらに。

このGLCは根本的なハンドリングの才能があり、そこに価値があるとしても、公道上でのプライオリティはもっと単調なところにある。方向転換はきれいにコントロールされた、昔ながらのサルーンのような感覚で、比較的低いドライビングポジションは、明らかに乗用車的なハンドリングをもたらす。ステアリングのフィールとフィードバックに関して言えばややおもしろみはないが、正確で、ギア比も上々で、たいていの場合は直感的だ。

ステアリングの動きそのものはある種の線の細さがあり、その点ではBMW X3のほうが、アクションもフィールもずっとリッチだ。しかし、そうした事柄は、多くのオーナーにとって大きな問題にはならないはずだ。

走り続けると、GLC300は後輪駆動らしさを感じさせはじめるが、全般的にハンドリングは頼もしいまでにニュートラルなので、長距離移動もきわめて効率的で楽にこなせる。

これも注意しておきたいのが、英国では、PHEVの300eを除く全車がスポーツスプリングを装着している点だ。これは十分すぎる安定性を発揮し、一貫して可能な限りのパワーを路面に伝達する。

運動性で目新しいところはないが、安全性も重視しながら適度に速いSUVに仕上がっている。それはまさしく必要条件にピッタリだ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

初代GLCが登場した2016年、われわれはAMGラインのサスペンションが、路面の悪いところでは不安定さを見せると批判した。それから7年、かつてほどひどくはないが、今回も同じ類の不満を抱くことになった。

プライマリーライドは上々だが、AMGラインのコイルスプリングは、おそらく20インチホイールと組み合わせずとも、荒れた路面からの入力を遮断するのに苦戦し、ステアリングコラムには歓迎できない感覚が伝わってくる。この粗さは、英国の道路を顧みず、ドイツの道路に合わせたセッティングではよくあることだ。

ひどく目立っているわけではないが、はっきりわかるもの。洗練性はメルセデスがリードしているべき領域だが、このクルマの場合、ほぼよく出来ているものの、際立ってはいない。BMW X3などよりは優れているにしてもだ。間違いなく、20インチ仕様のGLCより、19インチ仕様のCクラスのほうが、ほぼすべての面で上回っている。

静粛性についても、メルセデスに期待するほどではない。エンジンはアイドリングではおとなしいが、113km/h巡航での室内騒音は69dBAと、今年テストしたMスポーツサスペンション装備のBMW X1 xドライブ23iの67dBAにも及ばない。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

当然というべきか、新型は価格が上がっている。先代はエントリーレベルの220dなら4万5000ポンド(約824万円)を切ったが、新型は同等の仕様で5万3000ポンド(約970万円)をやや下回る設定だ。

もちろん、マイルドハイブリッド化をはじめ、全体的にコストは上がっている。しかし、新型はこれまでになく高価で、BMWやアウディ、レクサスなどのライバル車を上回る。

標準装備は充実しているが、パノラミックルーフや13スピーカーのブルメスター製オーディオは、トップグレードのAMGライン・プレミアムプラスにしか与えられない。デジタル装備に関して、上位グレードを選びたいと思わせるアイテムは、ヘッドアップディスプレイとARナビだ。

経済性については、テストしたGLC300の場合、ツーリング燃費が14.6km/L。燃料タンクが62Lなので、航続距離は903kmに達する。スロットル操作に分別を持てば、マイルドハイブリッドの23psと控えめなブーストもあって、日常使いでの燃費は12~13km/Lを期待できるだろう。

スペック

レイアウト

エンジン縦置きのGLC、テスト車の重量は公称値よりたった4kg重いのみで、前後重量配分は53:47。シャシーはCクラスやSクラスと共通のコンポーネンツで、先代より改良されたサスペンションが与えられた。

全車とも9G−トロニック・プラスこと9速ATを積む四輪駆動で、英国仕様は今のところ4気筒のみだ。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き、四輪駆動
形式:直列4気筒1999ccターボ、ガソリン+48V ISG
ブロック・ヘッド:アルミ
ボア×ストローク:φ83.0×92.4mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:DOHC4バルブ
最高出力:259ps/3200rpm
最大トルク:40.8kg-m/2000-3200rpm
許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:134ps/t
トルク荷重比:21.2kg-m/t
エンジン比出力:129ps/L

ボディ/シャシー

全長:4716mm
ホイールベース:2888mm
オーバーハング(前):843mm
オーバーハング(後):985mm

全幅(ミラー含む):2080mm
全幅(両ドア開き):3670mm

全高:1640mm
全高:(テールゲート開き):2230mm

足元長さ(前席):最大1050mm
足元長さ(後席):720mm
座面~天井(前席):最大1020mm
座面~天井(後席):970mm

積載容量:620~1680L

構造:スティール/アルミ・モノコック
車両重量:1925kg(公称値)/1929kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前/後:8.5Jx20/9.5Jx20
タイヤ前/後:225/45 R20 W XL 105W/285/40 R20 W XL 108W
コンチネンタル・エココンタクト6
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:9速AT
1速:5.35/7.9
2速:3.24/13.0
3速:2.25/18.8
4速:1.64/25.9
5速:1.21/35.1           
6速:1.00/42.5
7速:0.87/48.8
8速:0.72/58.9
9速:0.60/70.7

最終減速比:3.27:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
平均:12.2km/L
ツーリング:14.6km/L
動力性能計測時:3.3km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.8~8.9km/L
中速(郊外):13.9km/L
高速(高速道路):15.4km/L
超高速:13.0km/L
混合:13.0km/L

燃料タンク容量:62L
現実的な航続距離:760km
CO2排出量:171~173g/km

サスペンション

前:4リンク/コイルスプリング、スタビライザー
後:5リンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動油圧式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.2回転
最小回転直径:11.8m

ブレーキ

前:−mm通気冷却式ディスク
後:−mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、ダッシュボードにスイッチ配置

静粛性

アイドリング:39dBA
3速全開時:79dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:69dBA

安全装備

ABS/ESP/ASR/BSP/TSA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温24℃
0-30マイル/時(48km/h):2.4秒
0-40(64):3.5秒
0-50(80):4.8秒
0-60(97):6.5秒
0-70(113):8.3秒
0-80(129):10.8秒
0-90(145):13.7秒
0-100(161):17.4秒
0-110(177):22.3秒
0-120(193):28.0秒
0-402m発進加速:15.0秒(到達速度:151.0km/h)
0-1000m発進加速:27.4秒(到達速度:191.8km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アルファロメオ・ステルヴィオ2.0T 280ヴェローチェAWD(2023年)
テスト条件:乾燥路面/気温15℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):3.1秒
0-50(80):4.3秒
0-60(97):5.7秒
0-70(113):7.4秒
0-80(129):9.4秒
0-90(145):12.0秒
0-100(161):15.2秒
0-110(177):19.4秒
0-120(193):24.7秒
0-402m発進加速:14.4秒(到達速度:157.4km/h)
0-1000m発進加速:26.4秒(到達速度:196.7km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.3秒(2速)/3.5秒(3速)/5.4秒(4速)

30-50(48-80):2.4秒(2速)/2.9秒(3速)/4.4秒(4速)/6.9秒(5速)

40-60(64-97):3.0秒(3速)/4.0秒(4速)/5.7秒(5速)/8.0秒(6速)/11.6秒(7速)/19.3秒(8速)

50-70(80-113):3.4秒(3速)/4.1秒(4速)/5.7秒(5速)/7.0秒(6速)/9.4秒(7速)/16.3秒(8速)/28.6秒(9速)

60-80(97-129):4.3秒(4速)/5.9秒(5速)/7.3秒(6速)/8.9秒(7速)/14.0秒(8速)

70-90(113-145):4.8秒(4速)/6.3秒(5速)/8.0秒(6速)/9.7秒(7速)/13.4秒(8速)

80-100(129-161):5.8秒(4速)/6.8秒(5速)/8.6秒(6速)/10.7秒(7速)

90-110(145-177):7.7秒(5速)/9.4秒(6速)

100-120(161-193):9.4秒(5速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温24℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.85秒

ライバルの制動距離アルファロメオ・ステルヴィオ2.0T 280ヴェローチェAWD(2023年)
テスト条件:乾燥路面/気温15℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):22.9m
70-0マイル/時(80km/h):43.9m

各ギアの最高速

1速:51.5km/h(6500rpm)
2速:85.3km/h(6500rpm)
3速:122.3km/h(6500rpm)
4速:167.4km/h(6500rpm)
5速:228.5km/h(6500rpm)
6速:239.8km/h(5654rpm)
7速:239.8km/h(4919rpm)
8速:239.8km/h(4071rpm)
9速:(公称値):240.0km/h(3392rpm)

9速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1594rpm/1821rpm

結論 ★★★★★★★☆☆☆

自社のミッドサイズSUVに関して、メルセデスは現在の顧客がなにを望んでいるか把握している。それは出来のいいエクステリアデザインであり、控えめな走りであり、鮮明なデジタルディスプレイ以外にも印象に残るインテリアである。

それらの点で、新型GLCはすべて成功している。BMW X3のほうがやや普通で、アウディQ5はちょっとおもしろみに欠けると、ユーザーは見なすだろうと思える。このメルセデスはアピール度が高く、マイルドハイブリッドもプラス材料となっている。GLC300について言えば、混合燃費は15%ほど向上し、現実的な走りにも恩恵はある。

GLCが印象的になり損ねているのは、基本的な乗り心地と運動性のキャラクターだ。メルセデスにとって、そのベストセラーは洗練性で他を圧倒し、コアとなるブランドバリューを強調するチャンスだ。しかし、このGLCの路上で見せるマナーは欠点がないとは言えない。

このクルマの走りの性格もまた、メカニカルな完全さを大いに感じさせるものではない。全体的に商品力は高いし、先代モデルより実用性も高めている。とはいえ、キラリと光る、と言えるほどではない。

担当テスターのアドバイス

リチャード・レーン個人的に理想的な仕様のGLCは、おそらく英国では手に入らない。グレードは400dで、ホイールは19インチ。できれば外装はシエナブラウンで、内装はブラック。そこそこ高価にはなるだろうが、じつにすばらしい日々の相棒になってくれるはずだ。

マット・ソーンダースガソリンPHEVをお忘れなく。Cクラスに積まれたこのパワートレインは、現実的なEV航続距離が90km弱だが、ルーティンの使い方に合うなら魅力的だ。よりバッテリーの大きいGLCなら、もう少し長く走れるはずだ。

オプション追加のアドバイス

エントリーレベルのAMGラインは一考の価値あり。おそらく乗り心地はラインナップ中のベストで、MBUXの機能がフルに使えるなど装備も充実している。インテリアのカラー選択が制限されることだけが悔やまれる。

改善してほしいポイント

・低速域でギアボックスがもっとスムースに動いてくれれば。ほぼすばらしいのだが、ときどきしくじるところがある。
・ステアリングのアクションに合わせた手応えは、もう少しナチュラルに増減してほしい。
・できることなら、スポーツタイプでないスプリングを設定してほしい。そのほうがはるかにGLCを引き立たせるはずだ。

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みんなのコメント

4件
  • 香味シャンタン増やしときます
  • 走りに不満がないのは実に結構だが、
    込み1000万円クラスのクルマなのだから
    フロントシートベンチレーションくらい欲しいね。
    先代にあった快適装備がなくなるとはイタイですな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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