■シリーズの途中で消えた高性能グレードを振り返る
国内メーカーの現行モデルを見てみるとスポーツカーは健在ですが、高性能グレードを設定するクルマは数少なくなってしまいました。
超絶進化の三菱「ランエボVIII」はデザイン不評!? 完成度を極めた「MR」登場
一般的に1台のクルマには複数のグレードが展開され、ユーザーは使用状況や目的によって選ぶことができます。
そうしたグレードには走りの性能にこだわったハイスペックなモデルもあり、1980年代から1990年代には隆盛を極めていました。
しかし、ニーズの変化や、燃費規制もしくは排出ガス規制の強化などのタイミングで減少傾向になり、2000年代以降は次々に姿を消し、前述のとおり現行モデルではわずかです。
そこで、シリーズの最後を飾ったハイスペックモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ2代目「アコード ユーロR」
ホンダの高性能グレードというと「タイプR」シリーズが真っ先に挙げられますが、サーキット走行を視野に入れて開発されたことから、日常での普段使いには厳しいほど硬いサスペンションや騒音といったネガティブな要素もあり、ユーザーは限られていました。
そこで開発されたのが、2000年に登場した初代「アコード ユーロR」です。ユーロRはタイプRシリーズほど過激なチューニングではなく、普段使いにも適した高性能グレードで、たちまち人気を獲得しました。
この人気を背景に2002年には、7代目アコードをベースとした2代目ユーロRが発売されました。
エンジンは最高出力220馬力を誇る2リッター直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみとスポーティな走りを重視。
外観はタイプRよりも派手さを抑えたエアロパーツによってドレスアップされ、内装ではレカロ製シート、MOMO製ステアリング、アルミ製シフトノブを採用してレーシーな雰囲気を演出していました。
足まわりは乗り心地を犠牲にしないレベルで強化され、高い走行安定性とコーナリング性能を実現し、5名乗車で普段使いにも最適な高性能セダンというキャラクターに仕立てられました。
2代目ユーロRも人気を獲得しましたが、2008年に8代目アコードの登場によって廃止され、以降の国内モデルでは高性能グレードは設定されず、現在に至ります。
●スバル5代目「レガシィB4 2.0GT DIT」
スバルは1989年に、次世代型セダン/ステーションワゴンとして初代「レガシィ」を発売。トップグレードはパワフルな水平対向4気筒ターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせ、高性能セダン/ステーションワゴン市場をけん引した存在でした。
その後、初代のコンセプトを継承しながら代を重ね、2009年には5代目が登場。北米市場をメインターゲットとしたことからボディが大型化し、プレミアムなセダンへと変貌を遂げました。
一方で、歴代レガシィと同じくターボエンジンを搭載した高性能グレードも設定され、2012年にはシリーズ最強の最高出力300馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した、「2.0GT DIT」が加わりました。
トランスミッションは高出力に対応したリニアトロニック(CVT)を採用し、駆動方式はフルタイム4WDで、路面状況によって走行モードが選択可能な「SI-DRIVE」を標準装備。
足まわりではスバルの高性能車では伝統となるビルシュタイン製ダンパーが装着されるなど、ハイパワーなエンジンに見合う優れた運動性能を実現しました。
しかし、2014年に発売された6代目の国内仕様では、エンジンは175馬力の2.5リッターの自然吸気に一本化され、レガシィの代名詞であるターボエンジン車が消滅。
その6代目も2020年で国内販売を終了し、現行モデルでは「レガシィ アウトバック」のみとなってしまいました。
●スズキ5代目「アルトワークス」
日本の自動車市場では、1980年代に大きな転換期を迎え、クルマの性能があらゆる面で向上しました。
とくに顕著だったのはエンジンの出力で、その立役者だったのがターボエンジンの普及でした。ターボによって国産車の高性能化が一気に加速し、やがてメーカー間のパワー競争にまで発展したほどです。
このパワー競争は軽自動車市場にも飛び火し、スズキは1987年に究極の高性能軽自動車である初代「アルトワークス」を発売しました。
搭載された550cc直列3気筒DOHCターボエンジンは最高出力64馬力を発揮し、これが出力自主規制の上限となり、軽自動車においてパワー競争に終止符が打たれました。
その後、アルトワークスは進化を続けましたが2000年をもって一旦は消滅。2015年に5代目アルトワークスとして復活を果たしています。
5代目のエンジンの最高出力は上限の64馬力ですが、トルクの向上とアクセルレスポンスを高めるために専用のターボチャージャーが装着されました。
トランスミッションは5速MTと、シングルクラッチの5速AMTでパドルシフトを備えた「5AGS(オートギアシフト)」を設定し、駆動方式はFFの2WDとアルトワークス伝統のフルタイム4WDが選べました。
また、スズキの軽量化技術が惜しみなく投入され、わずか670kg(5速MT、2WD)という軽量なボディを実現し、加速性能は軽自動車のなかでもトップクラスに君臨。
さらに、軽量なボディに専用チューニングされたサスペンションやブレーキが相まって、高い旋回性能を発揮しました。
しかし、2021年12月に現行モデルの9代目アルトが発売されるとアルトワークスは再び廃止となってしまいました。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり高性能なクルマは今も健在ですが、高額なモデルが主流になってしまいました。
そのため、若い世代のクルマ好きが手軽に入手できる高性能車は、ほとんどないのが現状です。
とはいえ、そもそもニーズがないという昨今の状況を踏まえると、ある意味仕方がないことなのかもしれません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
“300馬力”V6搭載! ニッサン爆速「最上級ミニバン」とは? 超豪華内装×専用装備マシマシな“走り屋仕様”の「エルグランド」に熱視線!
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
こういう奴がいるから嫌われ者集団やら宗教信者やら言われるんだわな~
プレリュードはサンルーフもオートクルーズもカットされた
S2000 も米国仕様ではオートクルーズがあるが日本では無かった
スポーツという意味では正しかったかもしれないが
スペシャリティカーの雰囲気が欲しい人には90年代との比較となりデグレード感があった