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開幕戦に続き、富士でもGRスープラ勢の快進撃を止められず……各所で“悔しさ”が残ったホンダNSX勢【GT500予選あと読み】

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開幕戦に続き、富士でもGRスープラ勢の快進撃を止められず……各所で“悔しさ”が残ったホンダNSX勢【GT500予選あと読み】

 予選日から多くのファンが訪れ、大盛り上がりとなった2021スーパーGT第2戦。GT500クラスは、わずか0.003秒差で決着がつくという劇的な展開となった。

 初ポールポジションを獲得したWedsSport ADVAN GR Supraの宮田莉朋は、同世代のライバルたちの活躍を近くで見ていて悔しい思いをしてきたなか、自身のアタックで掴み取ったGT500ポールポジションにコックピット内で感極まっていたとのこと。マシンを降りても笑顔が絶えないのが印象的だった。

宮田莉朋が0.003秒差を制しGT初ポール、WedsSport ADVANにとっても5年ぶりの予選一番時計【第2戦富士GT500予選】

 その一方、わずか0.003秒差で2番手に終わったARTA NSX-GTの福住仁嶺は、元気がない様子だった。

「ちょっと自分のミスもあって……悔しいですね。最終コーナーでトラクションを乗せようとしたときに、若干ロスしてしまった部分はありました。それさえなければという感じではあります。それを考えると、余計に悔しい気持ちはあります」

「でも、岡山の予選でうまくかなかったですし、昨年の最終戦(富士)の予選も微妙な結果で終わっていて、そのときは午前の公式練習から午後の予選にかけて路面が変わるところで、全体的に合わせ切れていないなという感じがありました」

「今回も(予選前に)雲がかかったりして、温度が下がったりもして、不安要素はいくつかあったんですけど、チームのみなさんがいいクルマに仕上げてくれて2番手を獲得することができました。悔しいですけど、今までのことを考えると悪くないのかなと思います」

 悔しさは残るものの、ここ最近の予選結果を考えるとポジティブな要素もあったという福住。前回の開幕戦岡山でも予選14番手に沈んだが、短いインターバルのなかで、細かく見直してきたことが、功を奏した部分もあった。

「今回から予選と決勝でセットアップを分けるようにしていますし、そこを少しずつやっていかないと、スーパーGTは前からスタートした方がメリットは大きいので、今回からレースウイークに向けて、どういう流れでいくかというので変えている部分はあります。富士はもともと一発が速いことが多いんですけど、実際にテストのときはそこまで調子がいいという感じではなかったので、それを考えると、しっかりと対応してアジャストできたかなと思います」

 前向きに捉えようとはしていたものの、悔しさを拭うことができない福住の表情が印象的だったが、それ以上に悔しい思いをしたのが、そのほかのホンダ勢だ。

 午前の公式練習ではトップこそ獲得できなかったが、各車が上位につけていたホンダ勢。しかし、Q1ではSTANLEY NSX-GTの山本尚貴が、アタック中にコカコーラコーナーでハーフスピンを喫してしまい最後尾に。Astemo NSX-GTの塚越広大もトラフィックの影響で満足にアタックができず、11番手でQ1敗退となった。

 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは公式練習でミッショントラブルが発生したため、満足に周回できないまま予選に突入。笹原右京が必死にアタックするも9番手でQ2進出はならず。Modulo NSX-GTも10番手に終わり、ホンダ勢は今回も半分以上の車両がQ1で姿を消すことになった。

 この結果に、ホンダの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーも悔しさを隠し切れない様子で「予選に関しては、8号車以外はクルマ本来のポテンシャルを出し切れない状態で終わってしまいました。1号車も17号車も十分ポールポジションを狙いにいけるだけのパッケージングだったと思うので残念ですし、悔しい結果になりました」

 開幕戦の岡山では予選で下位に沈んでしまい、レースでは集団の中に埋もれてペースを上げられないという、後手を踏む展開となってしまったホンダ勢。今回も予選結果だけを見ると、それに近いものとなってしまったのだが、今回の決勝に向けて佐伯LPLは“チャンスはある”と考えているようだ。

「開幕戦もそうでしたが、なかなかオーバーテイクをするのが難しい車両なので、特に(ペースなどが)おなじレベルだとなかなか抜けない部分はあります。そのなかで、我々が選んだタイヤが安定したラップタイムを刻めれば、十分に順位を上げていくレースができるのではないかなと思います」

「あと、昨年のレースを見ても、中盤以降はラインを外すとピックアップがついたりします。今回は500kmレースということを考えると、それをうまく処理できるセットアップにしていくことでチャンスは出てくると思います」

 予選が行われた5月3日はモリゾウこと豊田章男トヨタ社長の誕生日。それを祝福するかのように“スープラ祭り”というような結果となった。

 決勝でもこのままトヨタ勢の快進撃が続くのか。それともホンダ勢のみならず、ニッサン勢がそこに“待った”をかけられるか。最後まで目が離せない500kmレースとなりそうだ。

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