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いま流行の「クロスオーバー」の波はフィアットにまで! 街乗りからアウトドアまで楽しめる「500Xクロス」を600キロ試乗して見えた中身

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いま流行の「クロスオーバー」の波はフィアットにまで! 街乗りからアウトドアまで楽しめる「500Xクロス」を600キロ試乗して見えた中身

コーナーリングが楽しいSUVモデル

 3月に開催された「FIAT & ABARTH fan-BOOK Meeting」。会場は浜松市、往復距離は611km。せっかくならFIATのクルマでユーザーとの時間を共有したいと相談をしたところ、フィアットやアルファロメオ、ジープなどのインポーターを務めるFCAジャパンの粋な計らいで「フィアット500X クロス」をお借りした。

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 そこで長距離の走行レポートを兼ねて、500Xクロスの魅力と実力に編集部独自の目線で迫ってみたいと思う。

ポップなスタイリングとポジションの取りやすいシートが魅力

 フィアットのHPを見ると分かるように、現在のラインナップは、2008年登場から12年間で約5万5000台の売り上げを誇る500(チンクエチェント)と、カブリオレの500C。2011年に3代目となったパンダ、そして、日本には2015年10月に導入されたフィアットの500Xクロスと500Xスポーツの5車種だ。

 500Xは、コンパクトカーの500を一回り大きくしたフィアット初のコンパクトSUVモデルだ。2019年4月にはマイナーチェンジを行い、デザイン変更と新開発の1.3リッターターボエンジンに6速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされた。

 また、現在500Xは受注生産モデルとなり、500Xシリーズでは、CROSSとスポーツがラインアップされており、2グレードともにFFだ。

 さて、あらためて見た500X クロスは、オーソドックスなチンクエチェントを普段見ている自分には新鮮だった。可愛らしいフェイスをもつ500とは大きく違い、どこか頼もしい。ボディカラーにファッショングレーメタリックを纏っているからか、前後のバンパーにマットクローム仕上げのモールディングもあり、ダークグレー仕上げのルーフレールも採用しているからかもしれない。

 ドアを開け、500のロゴが刺繍されたブラックのレザーシートに腰を下ろす。8ウェイパワーシートに加えて、チルト&テレスコピックも合わさり、胴長短足のボクでもポジションがとりやすい。メータの中に表示されている走行距離に目を向けると、2月末に登録されたばかりということもあり、走行距離670kmというど新車をお借りすることができた。

SUVなのに妥協のない走行感を味わえる

 ブレーキをリリースし、クリープを使いながらアクセルを踏み込むと、1750~2000回転あたりから必要にして十分なトルクを発生させ、法定速度までスムースに針を運んでいく。ギアの繋がりはさすがDCT。マネジメントが賢く、トルクの美味しいギアを選択しシフトショックが少ない、シームレスな加速を実現しているのが分かる。

 また、ギアチェンジはシフト側のシーケンシャル操作に加えハンドルに備わったパドルシフトがある。意図したエンジンブレーキを使用したいときや、ワインディングで勝手に変速をされたくないときに有効だ。

 いざ浜名湖へ向かうべく高速に乗り込む。ETCゲートをくぐりグッとアクセルを踏み込むと、1440kgという重さを感じさせない加速を披露。ターボ付きの1.3リッター直4エンジンとは思えない瞬発力を発揮しグイグイ進んでいく。ちなみにパワーとトルクは、151馬力・5500rpm、270Nm/1850rpmを発生するという。

 首都高でうすうす感じていたハンドリング性能を、ワインディングでも試してみたい……と思いつつ、浜名湖周辺のカーブの多い一般道を走行。右へ左へと、さすがにスポーツカーのようなクイックネスな反応は味わえないものの、SUVなのにロールが少なく、まさに軽快という言葉がピッタリな500Xのハンドリング。家族と移動するときでも妥協のない走行感が欲しい方にはうってつけのクルマだと感じた。

充実した「運転支援システム」でまさにイマドキのイタリア車

 嬉しいことに500X クロスには運転支援システムが充実している。前面衝突警告(クラッシュミティゲーション付き)、レーンデパーチャーウォーニング(車線逸脱警告報)、アダプティブクルーズコントロール、自動ハイビーム、リアクロスパスディテクション、リアパーキングカメラ、ブラインドスポットモニター、フロント・リアパーキングセンサー&(アラーム式)と備えているシステムも多彩だ。

 今回は、高速移動がメインだったため、積極的にアダプティブクルーズコントロールを使用してみたが、自らアクセルの微調整をするよりも電子制御に任せた方が巡航燃費も向上し15.1km/lを実現していた。ただし、500Xクロスの場合、30km/hを下回るとこのクルーズコントロールは解除されてしまう。今後のマイナーチェンジで渋滞追従型タイプの投入がされることを大いに期待したいところ。

 今回はクロスオーバーSUVというクルマの真価を発揮する、アウトドアなシチュエーションに持ち込めなかったことが何より悔やまれる。長距離移動は渋滞さえなければ快適そのもの。ミーティング参加往復だけのクルマ試乗を終え1週間以上が経過するが、今となっては課題ポイントさえ可愛く思えてくる500Xクロス。もう1度ちゃんと向き合いたいとも思う今日この頃だった。

【500Xクロス 主要諸元】

※車両価格は消費税込み※メタリックカラーは5万5000円プラス

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