■市販モデルの売上に直結するレースとは
市販車をベースとしたレーシングカーが速さを競うツーリングカーレースは、そのベースとなるクルマが持つ性能が、勝利に直結する。
【画像】オバフェンフェチにはたまらない究極の2台を見る(33枚)
そのためレースに力を入れている自動車メーカーは、勝つためのベースモデルをつくり出すということを、かつておこなっていた。レースにエントリーをするカスタマーは、このベースモデルを手に入れた後、規定内でのカスタマイズをおこなってレースに参戦するのだ。
現代ではGT3やGT4、TCRといった規定がメインストリームとなっているが、これらはその発展形といっていい。あらかじめレースに参戦できるようカスタマイズをおこなったクルマを、メーカー自身が販売することで、より手軽にレース参戦ができるようにする、というのがその狙いとなっている。
ではなぜ、自動車メーカーがレーシングカーを販売するようになったのか。
そこには熾烈な、勝利に向けた争いがあったことはもちろんだが、レースの勝利が市販車の売上げに影響していたことが大きい。そのことを顕著に表しているのが、今回VAGUEで紹介する2台となる。
1988年、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)は車両規定を改訂し、エンジンの排気量をそれまでの2.3リッターから2.5リッターに拡大し、ホモロゲーションを得るために必要な販売台数を、5000台から500台へと少なくした。
●1990 メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16エボリューション2」
DTMにおいて過激ともいえる勝負をしていたメルセデス・ベンツとBMWは、ベースマシンである「190E2.3-16」と「M3」を、それぞれ改良。エンジンの排気量を2.5リッターとしたモデルを発表する。
それが「190E 2.5-16エボリューション2」と、BMW「M3スポーツエボリューション」だ。190E 2.5-16エボリューション2は、エアロパーツも含めたボディワークの見直しやブレーキシステムのグレードアップをおこない、2.5リッターエンジンは232psにまで高められた。販売台数は502台とされている。
一方のM3スポーツエボリューションは、2.3リッターのS14エンジンをベースに、クランクシャフトの変更によって2.5リッター化を実現。最高出力は288psを実現しており、販売台数は601台といわれている。
上記2台のベースとなった「190E」と「3シリーズ」は、当時の両メーカーの最量販セグメント車両である。レースの勝利が、大きな広告効果を持っていたのである。
■「190エボ2」と「M3スポエボ」はどちらが人気?
レースに勝つために、そのレースの規定に特化したクルマを製造して市販するというのは、規模の小さいメーカーには難しいこととなる。
また、レースの勝利が市販モデルの販売台数につながらないと判断したメーカーは、レースに参戦しなくなり、最終的にはレース自体が衰退することにもつながってしまう。
●1990 BMW「M3スポーツエボリューション」
そこでいろいろな経緯を経て現在では、メーカー自身がレーシングマシンをつくり、販売をするようになったという見方もできる。
しかし、こうした経緯はともかく、レーシングカーのベースマシンとしてつくられたホモロゲーションモデルは、カスタマーにとって非常に魅力的なクルマだ。
なにしろレースに勝つためにメーカーがつくったものである。しかも販売台数が少なく、公道を走行することも可能。クルマ好きなら、これらのクルマを手に入れたくなるのも当然だろう。
今回RMサザビーズオークションには、190E 2.5-16エボリューション2と、BMW M3スポーツエボリューションが登場した。
現在は入札期間中で、190E 2.5-16エボリューション2の予想落札価格は17万5000ポンド-22万5000ポンド(邦貨換算約2480万円-3190万円)、BMW M3スポーツエボリューションは12万5000ポンド-15万ポンド(邦貨換算約1770万円-2130万円)となっている。
190E 2.5-16エボリューション2は、最初に日本にデリバリーされた個体が海外に渡ったようである。
昨今、価格が高騰しているM3ではあるが、スポーツエボリューションといえども190E 2.5-16エボリューション2までには至らないようだ。
ともにクルマの状態は、極上といえるレベル。公道を走ることができるレースベースカーが、はたしてどのくらいの価格で落札されるのか、非常に楽しみである。
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