6月22日(木)、ケニアの首都ナイロビでWRC世界ラリー選手権第7戦『第70回サファリ・ラリー・ケニア』が開幕した。競技初日のデイ1は、ナイロビの郊外で1本のスーパーSSが行なわれ、4台のトヨタGRヤリス・ラリー1で今大会に臨むTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)ではセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組が総合2番手、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が総合3番手につけた。
また、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は総合5番手に。TGR WRCチャレンジプログラムにより4台目のマシンで出場の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、総合7番手でデイ1を走破している。
コンマ1秒差でオジエを抑えたタナクが初日首位。ロバンペラが3番手に続く/WRC第7戦ケニア
2021年にWRCのカレンダーに復帰して以来、3年連続の開催となっている『サファリ・ラリー・ケニア』は今年で開催70回を数える。この記念大会も過去2大会と同様にナイバシャ湖近くのKWS(ケニア・ワイルドライフ・ソサエティ)にサービスパークが置かれ、ラリーの拠点となっている。
シェイクダウンが行われた21日(水)から一夜明け、競技初日となった22日(日)はナイロビ中心地のウフルパークでのセレモニアルスタートに続き、現地時間14時過ぎから郊外の“カサラニ”でSS1が行われた。全長4.84kmのこのグラベル(未舗装路)ステージは2台が同時に走行するスーパーSSのスタイルで行われ、オジエはベストタイムを記録したオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)とわずか0.1秒差の2番手タイムをマーク。オジエ以外の3人のTGR-WRTドライバーたちも順調にオープニングステージを走り切っている。
「ケニアに戻り、ふたたびサファリ・ラリーをスタートすることができたのは素晴らしいことだ。ナイロビでのスーパーSSは、ラリーを多くの人に楽しんでもらうのに最適なオープニングステージだ。また、このラリーのヒーローであるユハ・カンクネンがハイラックスMHEVで走ってくれたことも嬉しく思う」と語るのは、チームを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「ドライバーたちとは事前に、この最初のステージで頑張ったとしても、ラリーに勝つことはできないと話し合った。そして彼らは少し肩の力を抜いて走り、明日からの本当の勝負に備えている。ドライバーたちは、ステージのコンディションが過去2年間と比べて全体的に荒れていると言っているので、正しいリズムを見つけることが勝負の鍵を握ると思う」
「また、雨が降る可能性もあるようだが、ここは路面が濡れると非常に滑りやすくなるので、きっと困難な週末になるはずだ。しかし、それに立ち向かう準備はできているよ」
2022年はトヨタの1-2-3-4フィニッシュで幕を閉じたサファリ・ラリー・ケニア。今大会の競技2日目となる23日(金)のデイ2は、ナイバシャ湖の周辺で3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する予定となっている。計6本のSS合計距離は125.82kmとなり、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は337.88kmに上る。
■TGR-WRTドライバー4名のデイ1後コメント全文
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合3番手
「ラリーのスタートのためにケニアのこの場所を訪れるのは、いつだってとてもいい気分だし、木曜日の昼時にも関わらず大勢の人が応援してくれた。カサラニのスーパーSSは非常に素晴らしく、通常のレギュラーステージと同じように走ることができるパートもある。自分としては昨年よりもいいスタートを切り、クリーンな走りをすることだけを考えていて、すべてうまくいった」
「このラリーは毎年大きな挑戦だし、以前から知っているステージであっても、レッキ(事前の下見走行)では変わっている点が多く見つかった。雨によって多くの砂やグラベルが流されたため、全体的にステージは少し荒れているように感じたんだ」
「それでも、昨日のシェイクダウンは良いフィーリングで走れたし、出走順1番手で走行してもそれほど悪くなかったので、明日も同じような状況になることを期待している」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合5番手
「ナイロビを訪れ、ラリーをスタートできることを嬉しく思う。ここは来るたびに大勢のファンがいて、応援してくれるんだ。最初のステージはとても素晴らしいものだったが、路肩に石が沢山あったり、夜間に雨が降ったりしたためトリッキーで、まったく油断できない状況だった」
「毎年コンディションが変わるので、レッキ後はペースノートの準備に追われ、ここまでのところ毎日とても忙しく過ごしているよ。WRCのカレンダーにこのようなラリーは他にないが、シェイクダウンでは実際のステージのサンプル的な路面を走る機会があり、チームはセットアップに関してとてもいい仕事をしてくれたと思う」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合2番手
「ふたたびケニアに来ることができてハッピーだ。ケニアの人々のラリーに対する情熱は非常に高く、首都で行われるこの最初のステージは、多くの人々が見守る中で、つねに楽しんで走ることができる」
「今回は所々に岩があったり、大きなウォータースプラッシュがあったりと少しトリッキーだったので、注意を払いながら少し肩の力を抜いて走らなければならなかった。それでも、明日からがラリーの本番であることを考えれば、タイムは決して悪くないね」
「昨日のシェイクダウンはこのラリーを象徴するようなステージだったので、バンピーな路面でクルマがどのような挙動を示すのか確かめるのに有効だった。フィーリングは問題ないし、我々を待ち受けるものに対する準備はできている」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ1総合7番手
「SS1はクルマの感触を確認しながら7番手! チームが完璧にクルマを直してくれたおかげでフィーリングは元通り。明日から本格的なSS! 頑張ります」
※Twitterより
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