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80点は得られる完成度 BYDシール 82.5kWhへ試乗 欧州市場のハードルは低くない

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80点は得られる完成度 BYDシール 82.5kWhへ試乗 欧州市場のハードルは低くない

従来より群を抜いて容姿の仕上がりが良い

日本や欧州ではバッテリーメーカーというイメージが強いかもしれないが、BYDは既存自動車メーカーに競り勝つという目標を掲げ、バッテリーEVの開発へ意欲的。今回試乗したシールもその1台で、いよいよグレートブリテン島でも2023年内に販売が始まる。

【画像】80点は得られる完成度 BYDシール 同等サイズのバッテリーEVサルーンと比較 アリアとbZ4Xも 全134枚

BYDは世界6つの大陸へ進出済みで、60万人もの従業員を抱えている。ソーラーパネルやバッテリーだけでなく、今回のような電気自動車もセダンだけでなく、大型バスまで手掛けている。

シールへ搭載される、コバルトを用いないブレード状のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーも、もちろん自社製。電車も製造しているそうだ。

AUTOCARの読者なら既にご存知であろう、ハッチバックのアット3は、フォルクスワーゲンID.3のライバルに相当する。かたやシールは、テスラ・モデル3やヒョンデ・アイオニック6、BMW i4などと同じセグメントに属する。

どこかで見たことのあるような印象を受けるスタイリングだが、これまで欧州市場を視野に入れた同社のモデルでは、群を抜いて仕上がりが良く感じられる。海の生物を意識したデザインがディティールに散りばめられ、まとまりも悪くない。

基礎骨格とするのは、アット3と同じe-プラットフォーム3.0。シングルモーター版とツインモーター版がラインナップされ、前者の最高出力は312psがうたわれる。駆動用バッテリーの容量は82.5kWhで、航続距離は569kmだ。

ツインモーターの四輪駆動版は、530psとなかなかの数字。航続距離は519kmへ若干短くなる。

表情豊かで好印象なインテリア

インテリアは、シンプルでクールな雰囲気のモデル3より、表情が豊かで好印象。製造品質も高く見える。試乗車の場合は、手に触れる部分が広範囲にソフトタッチ加工されていた。ドアの内張りには、スウェード調の人工皮革も用いられていた。

i4ほどではないが、ダッシュボードにも高級感がある。目を引くのは、15.6インチと大きい高精細なセンター・タッチモニター。縦向きから横向きへ回転させられる。インフォテインメント・システムは、応答が素早く扱いやすい。

ただし、サブメニューに項目が分散しており、必要な機能を探すのに少々手間取る。シートヒーターの操作もエアコン・メニューの中に含まれているため、走行中にオフにすることは難しいと思う。

ドライバー正面に備わる、メーター用モニターは高精細。表示情報はカスタマイズでき、センターモニターとも連携している。

リアシート側は、傾斜したルーフラインが影響し頭上空間に制限がある。だが、身長が180cm以下なら、大きな不満を感じることはないだろう。中央の席は、子ども向けと割り切りたい。車内には、各所に小物入れが用意され便利だ。

高性能スポーツとまではいえない

今回シールを試乗したのは、ドイツの一般道。後輪駆動となるシングルモーター版では、モデル3よりサスペンションがソフトで、乗り心地は全般的に良好だった。隆起部分などの衝撃を上手に吸収し、外界との隔離性が保たれていた。

他方、四輪駆動のツインモーター版は車重が130kg増える。そこでBYDは、負荷に応じて減衰力が変化する周波数感応式ダンパーを採用した。しかし、長くうねった路面では揺れが大きく、充分に対応しきれていないようだった。

走行中の風切り音やロードノイズは最小限。車内は至って静かだ。

BYDが高性能スポーツセダンと表現するだけあって、シールは動力性能には長けている。モデル3 パフォーマンスほどのダッシュは披露しなくても、530psのツインモーターは間違いなく速い。0-100km/h加速は、4.0秒を切ると主張される。

312psのシングルモーターでも、加速力は充分以上。パワーデリバリーが線形的で扱いやすく、印象としてはこちらの方が上といえる。

ステアリングホイールへ伝わるフィードバックは限定的。操舵時の重さにも、一貫性が欠けている。コーナリング時のボディロールは良く抑え込まれているものの、BYDが主張する、高性能スポーツとまではいえないかもしれない。

ドライブモードをスポーツへ切り替えると、ステアリングホイールの重み付けが増す。それでも、情報量が豊かになることはないようだ。

英国人の選択肢へ加わるハードルは低くない

試乗中に気になったのが、速度警告システム。耳につくアラームだけでなく、音声で指定速度を超過したと警告されるのに加えて、間違っていることも少なくない。不必要ならオフにできるが、毎回タッチモニターのサブメニューまで辿り着く必要がある。

BYDシールの完成度は低くない。80点は与えられるだろう。ただし、テスラやBMW、ヒョンデに並ぶ選択肢として、英国人へ認識させるハードルもまた低くはないと思う。

英国価格は未発表ながら、シングルモーターで約4万5000ポンド(約814万円)から、ツインモーターで約5万ポンド(約905万円)からが見込まれている。少なくとも、同セグメントの多くより、お手頃なことは間違いない。

◯:シングルモーター版の滑らかな乗り心地 充分な航続距離
△:ユーザーフレンドリーとはいえないシステム 感触の薄いステアリング

BYDシール・デザイン 82.5kWh(欧州仕様)のスペック

英国価格:約4万5000ポンド(約814万円/予想)
全長:4800mm
全幅:1880mm
全高:1640mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.9秒
航続距離:569km
電費:7.2km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2055kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:82.5kWh
最高出力:312ps
最大トルク:36.7kg-m
ギアボックス:シングルスピード(後輪駆動)

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みんなのコメント

21件
  • <欧州市場のハードルは低くない>  ってなんだよ。

    「欧州市場のハードルは高い」って事だろ。

    ヨイショ記事書こうとしたら、余りの車の出来の悪さに驚いて評価は2倍盛の40点→80点へ忖度し、苦し紛れに「欧州市場のハードルは低くない」とかふざけて表現で誤魔化す酷さ。

    BYDさんから、いったいいくら貰っているのか?


  • こんな値段出して、皆んな買う?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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