今後はフォーミュラEとカスタマースポーツへの活動に集中
コロナ禍の中、突如アウディはDTM(ドイツツーリングカー選手権)から撤退する事を発表し、今季のカレンダーの改正を行う途中のDTM関係者やファンに大きな衝撃が走った。
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コロナパンデミックに起因する経済的な背景を理由に、アウディAGは27日月曜日にDTMを運営するITRへ離脱届を提出した。
今後はフォーミュラEとカスタマースポーツへの活動に集中し、将来を見据え、他のプログレッシブモータースポーツのフォーマットの検討をしている事をアウディAGの代表取締役のマルクス・デュスマン氏は伝えている。
ディスマン氏は、かつてBMWモータースポーツに在籍し、F1のエンジニアとして活躍していた経歴を持ち合わせており、モータースポーツ活動には深い理解を示していると思われるが、「フォルクスワーゲングループ全体で1週間に失っている金額は固定費だけで約20憶ユーロ(約2300憶円)」とフォルクスワーゲングループ代表取締役のヘルベルト・ディース氏がドイツの公営放送ZDF局のインタビューでコメントしている通り、コロナ禍の経済的打撃が厳しい事を物語っており、非常に高額なDTMの活動を行っている場合ではないのかも知れない。
アウディは1984年に、アウディ80でDTMに参戦開始。その後、200、V8クワトロ、TT、A4、A5をベース車両とするマシンで戦い続け、名実共にDTMを通して、どのポテンシャルとブランディングを確立したのだった。 23ものチャンピオンシップタイトル獲得、通算114勝を挙げ、345ものポディウムに立ち、106度のポールポジション、112のファステストラップを誇る等、アウディのDTM活動の中で数多くの勝利を飾り、華々しい時代を築いた。2019年はドライバー、チーム、マニファクチャーの全チャンピオンシップタイトルを獲得し、多くの記録を更新する等、アウディのモータースポーツ活動の中で最も成功し、輝いたDTMシーズンのひとつだったと言えるだろう。
2019年11月に富士スピードウェイで開催された、スーパーGTとの特別交流戦にはアウディのDTMマシンが本邦初公開となり、多くの話題をさらった。「現在の困難な状況が急速に改善し、今年もいくつかのDTMレースが行われる事を願っている」と開発ディレクターのハンス・ヨアヒム・ローテンピーラーは述べるが、現在は新型コロナウイルの感染拡大防止の為、ドイツ政府の通達した8月31日まで大型イベントの禁止令を受け、今季に残りどれだけのレースを開催する事が可能なのか、全く先の見えない状態ではあるが、少なくともいくつかのラウンドが実施され、ファンと直接お別れの機会が行われる事を願うばかりだ。
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