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競合をリードする新世代誕生 ホンダ・シビック e:HEVへ英国試乗 タイプRにも期待大

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競合をリードする新世代誕生 ホンダ・シビック e:HEVへ英国試乗 タイプRにも期待大

ホンダ・ヨーロッパが主導的に開発

かつてはホンダの定番モデルといえたシビックだが、このセグメントのハッチバックやサルーンは、近年SUVに押され気味。欧州仕様のシビックが英国産ではなくなり、ロンドン近郊で暮らす筆者としては少々残念でもある。

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だとしても、シビックはホンダにとって重要なモデルの1つであることに変わりはない。英国では、ジャズ(フィット)とHR-V(ヴェゼル)に次ぐ、ホンダ3番目の人気モデルという地位を維持している。

新型のシビックは、ホンダ・ヨーロッパが日本やアメリカ以上に主導的な立場で開発を進めてきたという。先代まではグローバル・モデルとして開発されたものを、欧州仕様として調整を加える程度だったため、大きな違いといっていい。

モデルチェンジで11代目となったシビックには、触れるべきポイントが沢山ある。まず1つ目は、欧州市場にはハイブリッドのみが導入されること。3年前に掲げた、欧州における電動化計画の主要なラインナップが完成することになる。

ハイブリッド・システムはホンダがe:HEVと呼ぶもので、基本的にはフィットやヴェゼルなどと同じツインモーターによるシリーズ・パラレル方式。エンジンは、新開発の2.0L直噴ガソリンターボが組み合される。

電気モーターは、1基がエンジンの回転による発電機として機能し、もう1基は駆動用モーターとして機能する。必要に応じてガソリンエンジンも走行時に加勢し、システム合計での最高出力は183ps、最大トルクは32.0kg-mを発揮する。

魔法を使ったように印象が良いCVT

トランスミッションは、過去にあまり好評価を得てこなかなった、CVTが維持された。しかし、ホンダの技術者は特別な魔法を使ったのか、印象はめざましく良くなっている。

従来のシビック・ハイブリッドでは、スムーズに加速したいと思っても、必要なトルクをすぐには引き出せない印象が伴った。だが11代目のシビックでは、その弱点が大幅に改善されている。

新しいエンジンはトルクフルで、より幅広い速度域や加速度を粘り強くカバーしてくれる。また、駆動用モーターのパワーも明確に引き上げられた。駆動用バッテリーの制御も改められ、よりパワーを引き出しやすくなったという。

0-100km/h加速は、必要充分以上といえる7.9秒。トヨタ・カローラの2.0Lハイブリッドと並ぶ動力性能といっていい。

CVTが滑らかになったおかげで、高速道路の速度域までの加速も安楽。ややにぎやかで、反応が遅れ気味だった印象は過去のものになった。

ボディは、先代より全長が伸び、全高は低められた。タイヤの前後間隔、ホイールベースも伸ばされ、左右の間隔、トレッドは広げられた。

全体では大きくなっている反面、様々な軽量化対策が施されている。樹脂を用いたテールゲート単体では、従来より20%も軽いという。

上質で軽快、安定したコーナリング

新しいシビックはボディ剛性が19%高められたこともあって、上質でありながら軽快で安定したコーナリングを実現している。路面へ追従するマナーには、驚かされたほど。

適度な重みづけが与えられたステアリングホイールも、運転する充足感を高めている。正確に反応し、フィードバックも豊か。直進状態に戻そうという時は、その感触がソフトになる点も良い。

乗り心地はやや硬めなものの、間違いなく快適と呼べる範囲。英国のワダチが大きい路面環境で、入念に開発テストが行われたことを想像できる。

駆動用モーターのみの時も、ガソリンエンジンが介入した時でも、走行時の洗練性も素晴らしい。アクセルペダルを深く踏み込み、エンジンが高回転域に達するとノイズが若干目立つものの、基本的には遠くから聞こえる程度。遮音性も評価できる。

インテリアは、上品に整ったデザインと上質な素材が組み合されている。プラスティック製の部品をとってみても、BMWには及ばないにしても、フォルクスワーゲンより質感は良いと思う。

一方、タッチモニターで操作するインフォテインメント・システムは、ドイツのシステムほどプレミアム感はない。そのかわり、実際に押せる物理ボタンなどは残されている。トヨタのシステムより、競争力は上だと感じた。

一歩リードといえるモデルチェンジ

シビックのハイブリッドを購入する層で最も関心がある数字は、燃費かもしれない。カタログ上は20.0km/Lがうたわれており、CO2の排出量は113g/kmとなっている。特に驚く数字ではないものの、19.2km/Lと118g/kmのカローラ・ハイブリッドより良好だ。

Cセグメントのファミリー・ハッチバックとして、一歩リードするモデルチェンジをホンダは達成したといえる。目立った弱点はなく、すべての要素が融合し、ユーザーが望む動的能力や実用性、快適性などを高次元で両立させている。

これらの特長を、ホンダはベーシックなシビック・ハイブリッドで実現している。シビック・タイプRへ、大きな期待を抱かずにはいられない。

ホンダ・シビック e:HEV スポーツ(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万595ポンド(約510万円)
全長:4550mm
全幅:1800mm
全高:1415mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:7.9秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:113g/km
車両重量:1533kg
パワートレイン:直列4気筒1993ccターボチャージャー+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps
最大トルク:32.0kg-m
ギアボックス:CVT

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