室内は広く快適。フェラーリ初のフル4シーターの誕生
プロサングエはフェラーリ史上初の、量産4ドア・4シーターモデルである。リアシートを備えたマラネロ製スポーツカーは過去にも存在したが、いずれも2ドアだった。そのためフル4シーターと呼ぶには居住スペースが不十分だったり、後席の快適性への配慮が物足りなかったりするケースが大半を占めた。
フェラーリのFRソフトトップモデルが「ローマ・スパイダー」の車名を冠して54年ぶりに新登場!
けれども、プロサングエは違う。リアドアは観音開きで後席へのアクセスが容易なうえ、身長171cmの私が前後に腰掛けてもスペースは十分。膝まわりにはおよそ20cm、頭上には5cmほどのスペースが残る。これは典型的なCセグメント・ハッチバックと大差ない広さだ。
しかも、ただ単に大人がくつろげるスペースをリアにも設けただけでない。巡行中のエンジンノイズやロードノイズはプレミアムブランドのサルーン並みに低く抑えられている。乗員同士の会話は小声でも可能なほど。しかも、フェラーリ初採用となるアクティブ・サスペンションが前席だけでなく後席でも優れた快適性を約束するのだ。突き上げ感が皆無の滑らかな乗り心地は、フェラーリであることも、スポーツカーの後席であることも信じられないレベルにある。
プロサングエの素晴らしい走りは、新開発アクティブサスが鍵!
プロサングエが単なるSUVではなく、フェラーリらしさを完璧に保っている最大の理由は、このアクティブサスペンションにあるといっても間違いではないだろう。その完成度には心底、感心した。
路面からの細かな振動をしなやかに受け止めてキャビンにいかなるショックも伝えないいっぽうで、ボディをどこまでもフラットに保ち、俊敏なターンインと安定したコーナリングを実現できているのは、すべてこのアクティブサスペンションのおかげ。システムは4つのサスペンションに電気モーターとボルトスクリューからなるアクチュエーターを組み込み、コンピューターの指示で各ホイールの位置を瞬時に、正確に制御するもの。たとえばギャップに乗り上げてボディが浮き上がり、タイヤが路面に接地する力が薄れそうになる状況でもプロサングエの安定性は損なわれない。
タイヤが執拗に路面を捉えて安定したロードホールディングをもたらすのである。同様のアクティブ・サスペンション機構はメルセデスSクラスやアウディA8にも装備されているが、乗り心地とハンドリングへの貢献度という意味では、プロサングエがはるかに優っているように思う。
絶品の自然吸気V12! 走りはまさにサラブレッドである!
もっとも、これだけなら、単なる「出来いい4ドア・スポーツカー」で終わっていただろう。フェラーリはプロサングエに伝家の宝刀ともいうべき6.5リッター、自然吸気V12エンジン(725hp/716Nm)を搭載。優れたドライバビリティを実現するとともに、高回転域ではよく通る情熱的なサウンドを響かせて、ドライバーと乗員を陶酔の世界へと誘う。トップスピードは310km/hとまさにスーパー! このエンジンがもたらす官能性こそ、フェラーリだけが作り出せる唯一無二の世界といえる。
しかも、曲線中心でピュアなデザインは滑らかな美しさと筋肉質な力強さの両方を表現。まさにプロサングエ=サラブレッド(純血)を思わせる優雅な世界観を生み出している。その誘惑に、あなたは抗えるだろうか?
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みんなのコメント
まあ、8050問題で親の年金暮らしの方には全く関係のない事ですがワラ
トヨタモドキのSUVはいらん