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トヨタが今季2度目の1-2「ル・マンでもこの勢いを維持したい」と可夢偉。平川組8号車は34台抜き披露

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トヨタが今季2度目の1-2「ル・マンでもこの勢いを維持したい」と可夢偉。平川組8号車は34台抜き披露

 4月29日、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットにおいてWEC世界耐久選手権第3戦の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の7号車トヨタGR010ハイブリッドがポール・トゥ・ウィンを飾った。また、グリッド最後列からスタートした8号車は猛烈な追い上げを見せ2位でフィニッシュ。この結果TGRは開幕戦セブリング以来、2023年シーズン2度目となるワン・ツー・フィニッシュを達成した。

 マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組はこれでシーズン2勝。チームとしては開幕3連勝となった。セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組の8号車は、予選でクラッシュを喫したことから隊列の最後列からの追い上げとなったが、見事な挽回で2位表彰台を獲得したことで、ドライバー選手権でランキング2位に浮上した7号車の3人に対し、5ポイント差で首位を守っている。

混乱をよそにトヨタ7号車が盤石の今季2勝目。8号車が驚異のリカバリーで2位【WEC第3戦スパ決勝レポート】

 今回の勝利により“スパ7連覇”を達成したトヨタは、マニュファクチャラー選手権でも首位の座をキープ。ランキング2位のフェラーリに対してリードを33ポイントとした。

■ダンプ路面での難しいタイヤ選択のなか、トヨタ勢はスリックを選択

 ル・マン24時間の“前哨戦”に位置づけられるスパ・フランコルシャン6時間レースの決勝は、雨はほぼ止んでいるものの路面はウエット。かと思えば、コースのライン上は乾いてきているところもあるというタイヤ選択が悩ましい状況下でスタートを迎えた。レースはセーフティカー(SC)が先導するフォーメーションラップが1周追加されたのち、2周目からがバトルが開始された。

 7号車のコンウェイはスリックタイヤでのスタートを選択し、ポールポジションからレースを開始するも、この直後はレインタイヤを装着したライバルのハイパーカーに次々とかわされ7位まで後退してしまう。しかし、タイヤに充分に熱が入ると追い上げに転じた。一方、最後列36番手からのスタートとなった8号車は、こちらもスリックタイヤを選択しブエミが序盤から猛プッシュ。最初の1周で15ものポジションアップに成功する。

 スタートからまもなくSCが導入され、そこからレースが再開されると2台のトヨタGR010ハイブリッドは猛プッシュでポジションを上げていく。7号車のコンウェイはわずか2周で首位を奪還。また、8号車のブエミもGTEアマとLMP2クラスの車両をすべてかわし、10周目には総合7番手まで浮上する。勢いの止まらない8号車は、708号車グリッケンハウスとポルシェの5号車もかわし、総合4番手で最初のピットストップへと向かった。

■中盤以降はトヨタ2台のマッチレースに

 レース開始から1時間半後、7号車から30秒ほどおくれて総合3番手につけていた3号車キャデラックVシリーズ.Rが、スパの名物コーナーであるオー・ルージュで大クラッシュを起こす。このアクシデントにより2度目のSCが導入されると8号車は3番手に浮上。さらに、スタートから2時間後には総合2番手を走る6号車ポルシェ963がコース上にストップしたことで、トヨタがワン・ツー体制を築くこととなった。

 その後も複数回SCが導入されたレースでは、首位を行く7号車と8号車のタイム差が事実上なくなり、この2台による一騎打ちの様相を呈す。残り時間45分、コンウェイからロペス、可夢偉とバトンが繋がれた7号車がチームメイトに先んじて最後のピットに向かう。

 この翌周に平川からステアリングを受け継いだ8号車ハートレーもピットイン。ハートレーは可夢偉の前でコースへ復帰したが、7号車がこれをかわして首位を奪還。その後、可夢偉駆る7号車はさらにハイペースで走行を続けて8号車との差を広げていき、最終的に148周目に6時間レースのトップチェカーを受けた。続いて8号車が2位でチェッカーをくぐりTGRのワン・ツー・フィニッシュが完成している。

■平川亮「みんなの頑張りによる素晴らしい結果です」

 今年は100周年の記念大会となるル・マン24時間の“前哨戦”を、ワン・ツー・フィニッシュという最高のかたちで締めくくったTOYOTA GAZOO Racingドライバーのレース後コメントは以下のとおりだ。

●小林可夢偉 チーム代表兼ドライバー(7号車トヨタGR010ハイブリッド)
「チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、最高の結果を得ることができました。チームと、今回の結果を達成するために大変な努力でサポートしてくれたみんなに感謝します。ここスパをトヨタGR010ハイブリッドで走るのはとてつもない体験で、特に大観衆が見守るなかでは格別でした。今日は特に、ここスパではこれまで見たことがないほどの大観衆で、多くの応援を感じることができました」

「今大会は、特にタイヤマネージメントの面で難しい挑戦となりました。新品タイヤは素晴らしいグリップ力を発揮してくれますが、摩耗してくるとどのくらいプッシュできるか判断するのが難しくなります。困難なレースだったことを考えれば、トラブルなく、ワン・ツー・フィニッシュを果たせたのは本当に嬉しいです。私のスティントでは、8号車とのバトルになり、チームメイト同士の戦いということで簡単ではありませんでしたが、良いレースを見せられたと思います。ル・マンでもこの勢いが維持できることを望んでいます」

●マイク・コンウェイ(7号車トヨタGR010ハイブリッド)
「大変なレースだったが、我々2台ともに素晴らしい結果になった。レーススタート時のタイヤ選択が難しかったが、恐らくもう雨は降らないだろうと思っていた。とにかく全力でコース上に留まり、トラブルなく生き残らなくてはならなかった」

「スタート直後は大きく順位を落としてしまった。しかし、コースが乾き始めると我々のタイヤ選択が正しく、前走車をパスしていくことができた。レースは順調だったが、後続とのギャップを築いた途端にセーフティカーが導入され、そのギャップが失われてしまうので大変だったよ」

「僕たちはピットの判断も良く、可夢偉とホセも素晴らしい走りで最後までプッシュしてくれた。また、8号車も素晴らしい走りで2位に入り、チームとしてこのような結果が得られて本当に満足している」

●ホセ-マリア・ロペス(7号車トヨタGR010ハイブリッド)
「こんな難しいレースで、チームとしてワン・ツー・フィニッシュが果たせて本当に嬉しい。いつもどおりスパはコースコンディションが難敵だったね。僕たちはまだ濡れているところが残っている路面でスリックタイヤスタートという難しい選択をしたが、マイクが素晴らしい走りをしてくれたおかげで、それが実を結んだ」

「また、耐久レースでは良くあることだけど、今日のレースはさまざまな感情が湧く展開となった。首位で充分なリードを保っていたと思っていたら、セーフティカー導入でそれがゼロにリセットされてしまったり、後続車が自分のクルマよりも良いタイヤを装着し、それを抑えなくてはならないこともあったが、エンジニアやピットクルー、そして、マイク、可夢偉と、もちろん8号車のチーム全員が最高のパフォーマンスを発揮してくれた。この週末は、ハードに働き続けた全員のためにも、本当に素晴らしい結果だ。簡単なことではなかったけど、その努力が報われた」

●セバスチャン・ブエミ(8号車トヨタGR010ハイブリッド)
「最高の追い上げで2位フィニッシュを果たすことができた。36番手グリッドからのスタートで2位まで順位を上げ、最後は勝利を争っての2位というのは、本当に素晴らしい結果だ。優勝した7号車は完璧なレースを展開していたし、チームのためにも本当に嬉しい」

「波乱のレースで、特にスタート直後のウェットコンディションは大変だったけど、トラブルに見舞われないよう、慎重に順位を上げていった。6月のル・マンへ向けて良い準備になったと思う」

●ブレンドン・ハートレー(8号車トヨタGR010ハイブリッド)
「僕たちは大幅なポジションアップを果たし、チームにとっても最高の結果となった。セバスチャンは難しいコンディション下で素晴らしいスタートを切り、見事に順位を上げた。タイヤ選択は本当に難しかったが、結果的には正しい判断だった。7号車は、特にレース中盤では我々8号車よりも僅かにペースが良く、優勝に値する走りだったと思う」

「我々の2台は異なる方向性のセットアップであったこともあり、終盤、可夢偉に付いていくことはできなかった。僕たちは予選のアクシデントでタイヤを1セット失っていたこともあり、2位でフィニッシュし、多くのポイントを獲得できたことに本当に満足しているんだ」

●平川亮(8号車トヨタGR010ハイブリッド)
「スターティングポジションを考えれば、とても満足のいく結果です。簡単ではないレースウイークでしたが、決して諦めることなく戦い続けました。エンジニア、メカニック、そして、もちろん素晴らしい走りをしてくれたセバスチャンとブレンドンの全員へ、本当に感謝しています」

「残念な結果となった予選のあとに取り戻すことができた、みんなの頑張りによる素晴らしい結果です。チームのワン・ツー・フィニッシュは完璧で、ル・マンへ向けた最高の準備になったと思います。ル・マンが今から楽しみです」

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