2018年10月のフルモデルチェンジ以降、新世代ボルボの主力としてラインアップを牽引するミッドサイズステーションワゴン『ボルボV60』の“B4”パワートレイン搭載車に、新開発7速DCT(デュアル・クラッチトランスミッション)を搭載する一部改良が実施された。これにより、WLTCモードによる燃料消費率が従来の13.7Km/Lから15.4Km/Lへと12.4%も向上し、12月16日より発売開始となっている。
ボルボ・エステートの人気を決定づけた『ボルボ850』や歴代『V70』の伝統を受け継ぐ2代目『V60』は、最上級SUVの『XC90』やEセグメントモデルの『V90』などと同様に、最新プラットフォームであるSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)を活用。先代よりボディ全長を125mm延長すると同時に全高は45mm低く下げて伸びやかなスタイルとした上で、全幅を1850mm(先代比-15mm)に抑えるなど、日本市場の道路環境にも配慮したサイズとなっている。
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一方のインテリアも上級モデル同様の高品質な仕立てとなり、直感的な操作が可能なインフォテイメントシステム“SENSUS(センサス)”を搭載。インパネ中央には赤外線方式タッチスクリーンを採用し、手袋をしたままでも操作可能な9インチのセンターディスプレイを配置したほか、ドライバーが必要な情報は12.3インチ・ドライバー・ディスプレイ(メーターパネル・4モード選択式)とヘッドアップディスプレイにも表示可能となっている。
また、ボルボの代名詞でもある最新の安全技術も全グレードに標準装備となり、乗員のみならず車外の人をも守る16種類以上の先進安全・運転支援機能“IntelliSafe(インテリセーフ)”を搭載。2019年の改良では後方の死角から近づく車両を知らせる運転支援機能“BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)”にステアリングアシスト機能も追加し、車線維持支援機能の“パイロット・アシスト”には、ステアリングホイールの微振動により運転者に一時解除を知らせる新機能も追加されている。
■7速DCTの搭載によって燃料消費率が12.4%向上
一方のパワートレインでは、導入当初より出力の異なる『T4』『T5』2種類の2.0リッター4気筒直噴ターボエンジンや、同じくディーゼルの『D4』『D5』や、プラグインハイブリッド(PHEV)の『T8ツイン・エンジン』『T6ツイン・エンジン』などが展開されてきたが、現在は改称されたPHEVの『リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6』と48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載する『B4』『B5』系に整理されている。
今回は、そのうち2リッター直列4気筒直噴ガソリンターボ(197PS/300Nm)に48V電装系を持つ電気モーター(10kW/40Nm)の組み合わせとなるエントリーグレード『B4モメンタム』に新開発の7速DCTを搭載し、ドライバビリティと燃費の大幅な向上が図られた。
このトランスミッションは、同じく11月に導入されたコンパクト・プレミアムSUV『ボルボXC40』のB3モメンタム(FWD)にも採用されたもので、湿式デュアル・クラッチ方式となる電子制御の機械式ギヤシフトアクチュエーター採用し、優れた燃費性能と走行性能とを両立。一定の条件下では、アクセルオフによるコースティング時にエンジンを停止させることにより、さらなるエネルギー効率の改善が図られている。
この7速DCTの搭載によって、WLTCモードによる燃料消費率は前述のとおり従来の13.7Km/Lから15.4Km/Lへと12.4%も向上し、令和12年度燃費基準65%達成(パノラマ・ガラス・サンルーフ装着車:70%達成)により、エコカー減税(自動車重量税)25%軽減、環境性能割税率2%が適用となった。
この最新トランスミッション搭載『V60 B4モメンタム』の価格は、従来モデルから変更のない499万円に。引き続きトルクコンバーターを持つ8速の電子制御ATを採用する『B5』系、そしてPHEVの『リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6』を含めたラインアップのカタログ価格は624万~799万円(いずれも税込)となっている。
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みんなのコメント
ATの進化によりどちらも変わらず逆にDCTの寿命が短い事が分かって、一般車ではほぼ絶滅していると聞く。
なぜ今ボルボはDCTなんだろう?
親会社である中国ジーリー製の、メイドイン・チャイナDCTへの切り替えだそうです。
言うまでもなく、従前のアイシン製8速ATの方が良かった。
実態は、価格据え置きのままの改悪、コストダウンですね。