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【さまざまな思惑が絡む?】ランボルギーニに1兆円の買収案 スイスの投資会社 VWグループは売却拒否か

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【さまざまな思惑が絡む?】ランボルギーニに1兆円の買収案 スイスの投資会社 VWグループは売却拒否か

背後でポルシェ関係者の関与も?

フォルクスワーゲン・グループは、アウトモビリ・ランボルギーニに対して75億ユーロ(約1兆円)のオファーを受けたことを、AUTOCARに明かした。

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このオファーは、今月初めにフォルクスワーゲン・グループに送られた予備的合意書(LOI)により示されたもので、書類の中ではクァンタム・グループAGによるランボルギーニの買収条件が記されていたという。

スイスの持株会社であるクァンタム・グループAGは、ロンドンの投資会社セントリカス・アセット・マネジメントとコンソーシアムを組み、「Outlook 2030」という仮称の下で、「テクノロジーとライフスタイルの投資プラットフォーム」の構築を目指している。

クァンタム・グループAGは、ランボルギーニの買収提案において、2019年のジュネーブ・モーターショーで公開されたピエヒ・マークゼロGTを開発したチューリッヒのピエヒ・オートモーティブの共同設立者であるレア・スタークが代表を務めている。

なお、ピエヒ・オートモーティブの役員には、フォルクスワーゲン・グループの元会長フェルディナンド・ピエヒの息子であるアントン・ピエヒと、元ポルシェCEOであるマティアス・ミュラーが名を連ねる。しかし、彼らが今回の買収提案に関与しているかどうかは、現段階では不明だ。

アウディとのサプライヤー契約も

イタリアのサンターガタにある歴史的な製造拠点やモータースポーツ活動を含むランボルギーニの買収は、クァンタム・グループAGの投資対象として中心的な存在であるとされている。同社はデューデリジェンス(投資対象の価値やリスクを調査すること)を行うため、フォルクスワーゲン・グループとの協議を求めている。

フォルクスワーゲン・グループのヘルベルト・ディースCEOとアウディのマルクス・ドゥスマンCEOは、ランボルギーニに対する買収提案を認知していると言われている。買収提案の主要な要素をまとめた、いわゆる「ビジョンブック」を含む機密文書を英AUTOCAR編集部は入手している。

ランボルギーニは、フォルクスワーゲン・グループ傘下のアウディの支配下にある。フェルッチオ・ランボルギーニが1963年に設立したランボルギーニの現行モデルには、ウラカン、アヴェンタドール、ウルスなどがあるが、いずれもフォルクスワーゲン・グループの部品に大きく依存している。

クァンタム・グループAGが提示したビジョンでは、ランボルギーニブランドは「クリーンなドライブトレインの新技術を一貫して導入することで、イノベーションの先鋒となる」とされている。

58年の歴史を持つイタリアのスーパーカーメーカーであるランボルギーニの将来的な運営については、クァンタム・グループAGとフォルクスワーゲン・グループが戦略的パートナーシップを結ぶための条件が設定されている。その中には、「ワン・アームズ・レングス条項」と呼ばれるアウディとの5年間のサプライヤー契約も含まれている。

提案されたパートナーシップでは、知的財産とEV技術を共有し、ドイツのニーダーザクセン州にバッテリーセルとバッテリーパックの開発・生産を行う先進自動車イノベーションセンターを設立することが求められている。

クァンタム・グループが構想しているランボルギーニの開発センターでは、ソフトウェアや自動運転技術のほか、合成燃料(eフューエル)や水素を含むグリーン技術の開発も行われる。

業績好調のスーパーカーブランド

買収が実現すれば、ランボルギーニは過去23年間傘下にあった親会社から切り離されることになるが、クァンタム・グループAGは、同ブランドの既存の経営陣を維持するとしている。買収提案には、既存の従業員に対する最大5年間の雇用保証も含まれているほか、ドイツにイノベーションセンターを設立することで、最大850人の新規雇用を創出するとしている。

事業計画では、2025年までにランボルギーニを「アップスケール」し、「EVソリューション」にすると表現されている。

アウディは1998年、ランボルギーニを、当時のスハルト大統領の末っ子であるフトモ・マンドラ・プトラが共同経営するインドネシア企業、メガテック社から1億1000万ドルで買収した。

これまでの報道では、フォルクスワーゲン・グループがランボルギーニの売却に興味を持っていると言われていたが、今回の進展に関連してAUTOCARが接触したアウディの広報担当者は「ランボルギーニは売り物ではありません(Lamborghini is not for sale)」と答えた。

以前、アヴェンタドールをはじめとするランボルギーニの後継モデルの開発費用が予算を超えているとAUTOCARに語っていたディースは、イタリアに拠点を置くグループ傘下のドゥカティとイタルデザインとの「法的構造」に組み込む可能性を示唆したことがある。

しかし、ランボルギーニの売却案は、2020年12月に開催されたグループの監査役会において、同ブランドの日常業務はベントレーとともにアウディの管理下に置かれることになったため、公式に否定された。

その少し前、グループはブガッティの社長であるステファン・ヴィンケルマンをランボルギーニのCEOに任命した。ヴィンケルマンは2005年から2016年まで同職を務めており、その後アウディ・スポーツの責任者を経てブガッティの社長に就任した。現在はランボルギーニとブガッティのトップを兼任している。

ランボルギーニは2020年に7430台を販売した。過去最高の年間販売台数を記録した2019年(8205台)からは減少したものの、パンデミックの影響でサンターガタ工場が70日間の操業停止に見舞われた中、16億1000万ユーロ(約2145億円)の売上高を記録し、過去最高の年間収益を達成した。

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みんなのコメント

2件
  • 投資会社「ランボルギーニ 売るス!」
    VW「売ランボルギーニ!」
  • 今のうちに売った方がいい。
    自動運転、電動化のスーパーカーが面白くないし、このブランドは脱炭素化の足かせになるぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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