現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > F1第10戦木曜会見:ボッタス、ラリー転向の可能性を問われるも一蹴「タイトル獲得に向け、選択肢はチーム残留しかない」

ここから本文です

F1第10戦木曜会見:ボッタス、ラリー転向の可能性を問われるも一蹴「タイトル獲得に向け、選択肢はチーム残留しかない」

掲載 更新 3
F1第10戦木曜会見:ボッタス、ラリー転向の可能性を問われるも一蹴「タイトル獲得に向け、選択肢はチーム残留しかない」

 F1全10チーム中7チームが本拠地をイギリスに構え、エンジニアやメカニック、その他多くのスタッフが、この国に住んでいる。過酷な3連戦を終えて久しぶりに自宅に戻り、さぞホッとしたことだろう。

 2021年F1第10戦イギリスGP開催前には、テニスのウィンブルドンやサッカーのユーロ2020など、さまざまなイベントが開催された。ユーロ2020決勝戦の行われたロンドン・ウェンブリースタジアムで、ひどい目にあったのがランド・ノリス(マクラーレン)だった。試合終了直後に強盗に襲われ、リシャール・ミルの超高級腕時計を奪われたのだ。

マクラーレンのCEOブラウン他2名が新型コロナ陽性。チームは予定どおりF1イギリスGPに出場

 木曜会見では司会者が、「大丈夫ですか」とノリスの様子を気づかった。「ありがとう。元気だよ」と答えたノリスだが、さすがにいつものような元気いっぱいな感じはない。

「完璧な体調とは言えないかもしれないけど、でも落ち着いている。なにより本当によかったと思えるのは、こうやってシルバーストンに来ることができて、違う仕事に集中できることだ。明日になれば、本調子になっていると思うよ」

 この会見の前にはフィルム撮影でサーキットを周回し、すでに満員近くまで詰めかけていた大観衆の声援に、大いに元気をもらったとのことだった。

 一方ダニエル・リカルド(マクラーレン)は、ウィンブルドンの決勝戦を観戦。こちらはなにごともなく十分に楽しんだとのことだが、違う種類の騒動に巻き込まれていた。来季から大幅に変更される技術規約に沿ったコンセプトマシンが発表され、その模様がオンラインで生放送されたのだが、リカルドがその2022年マシンを中傷したと、SNSで拡散されたのだ。

『「ひどい」とか「クソだ」とか「最悪だ」とか、あなたが言っている音声が流れています。映像がないので、どんな状況で、何を指して言ってるのか不明ですが』

「え? 僕がなんて言ったって?」とリカルド。

 そこで質問者がもう一度繰り返すと、リカルドは「ああ、わかった」と受けて、その時の状況をこう説明した。

「おそらく、誰かと他のことを話していたのだと思う。正直言って何のことだったか思い出せないけど、でも来季のクルマについてじゃなかったのは確かだよ。隣にはランドがいたし、まだ若い彼に対し、F1マシンについてそんな言い方をするはずがない。少なくとも来季のマシンについてそんな否定的な印象は持っていないよ」

 リカルドの人柄からして、この言葉はそのまま信じていいのではないか。
 一方、来季の去就が注目を浴びるバルテリ・ボッタス(メルセデス)には、こんな辛辣な質問が飛んだ。

『もし来季メルセデスに残留できず、さらに競争力のあるチームへの移籍がかなわなかった場合、ラリーへの転身も視野に入っていますか?』

 フィンランド人であるボッタスは確かにラリーも大好きで、2年前にはWRCのアークティックラリーにも参戦している。しかし「F1がダメならラリーに行く?」というのは、別次元の話だ。ボッタスはきっぱりとこう答えた。

「まず言いたいのは、そういう考え方は好きじゃないということだ。僕はいつも前向きに生きてきたし、今の自分が何を望んでいるかもよくわかってる。ひとことで言えば、今のチームに残留することが、最大の望みだよ。レースに勝ち、タイトルを獲ろうとしたら、選択肢はそれしかない」

「もしそれが叶わなかったら、他のチームをあたるだろう。でも僕は今でもF1が好きだし、F1マシンの運転を楽しんでる。少なくともあと数年は、F1に留まるつもりだ」

 このやりとりで、会見は少し重い雰囲気に支配された。ボッタスもそれを感じたのか、次の質問で思いがけないジョークを繰り出したのだった。

『シルバーストンのストレートに今回、ハミルトンの名前がつけられました』

「ルイスほどの実績があれば、当然のことだ」

『ではもしあなたの名前をつけていいと言われたら、どのサーキットのどこにつけますか?』

「う~ん……(しばらく考えて)もし将来的にフィンランドGPが開催されたら、そのコーナーのひとつに、僕の名前をつけてくれたら嬉しいね」

 と、ここまで答えたところで、「いや、いいのがひとつある!」と言い出した。

「レッドブルリンクのピットレーンを、僕の名前にすることかな」と、ニヤリと笑ったのだ。いうまでもなくシュタイヤーマルクGPのフリー走行でスピンを喫し、グリッド降格ペナルティを受けたことへの自虐ギャグだった。謹厳実直なイメージのボッタスだが、こんなギャグもかますのである。

関連タグ

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

日本育ちの新星ラッツェンバーガーの事故死から30年。遅咲きの逸材が歩んだF1までの道のりと悲劇
日本育ちの新星ラッツェンバーガーの事故死から30年。遅咲きの逸材が歩んだF1までの道のりと悲劇
AUTOSPORT web
D’station Racing、スーパーGTでのチャーリー・ファグの第3ドライバー起用を正式発表
D’station Racing、スーパーGTでのチャーリー・ファグの第3ドライバー起用を正式発表
AUTOSPORT web
両側スライドドア採用 VW新型キャンピングカー5月7日公開へ 「カリフォルニア」初のPHEVも
両側スライドドア採用 VW新型キャンピングカー5月7日公開へ 「カリフォルニア」初のPHEVも
AUTOCAR JAPAN
アイルトン・セナが所有していたホンダNSXが中古車サイトに。約9800万円で売りに出される
アイルトン・セナが所有していたホンダNSXが中古車サイトに。約9800万円で売りに出される
AUTOSPORT web
限られた選択肢のなか、2025年に向けF1チームとの交渉を行うボッタス。他カテゴリーへの転向は考えず
限られた選択肢のなか、2025年に向けF1チームとの交渉を行うボッタス。他カテゴリーへの転向は考えず
AUTOSPORT web
トヨタ新型「“セダン”SUV」発表! まさかの“シャコ上げ”&ゴリゴリフェンダー採用! タフすぎる「新クラウン“RS”」誕生に販売店でも反響アリ
トヨタ新型「“セダン”SUV」発表! まさかの“シャコ上げ”&ゴリゴリフェンダー採用! タフすぎる「新クラウン“RS”」誕生に販売店でも反響アリ
くるまのニュース
アイルトン・セナは「マールボロ」だけでなく「JPS」のF1にも乗っていた!! 没後30年を記念して3台のF1とホンダ「NSX-R」が集まりました
アイルトン・セナは「マールボロ」だけでなく「JPS」のF1にも乗っていた!! 没後30年を記念して3台のF1とホンダ「NSX-R」が集まりました
Auto Messe Web
レッドブルF1、ニューウェイ離脱に備え、上級職員の移籍を阻止か。テクニカルディレクター&空力責任者と新契約との噂
レッドブルF1、ニューウェイ離脱に備え、上級職員の移籍を阻止か。テクニカルディレクター&空力責任者と新契約との噂
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン、『ポロGTI』に誕生25周年を祝う限定車を設定。日本へは227台が上陸
フォルクスワーゲン、『ポロGTI』に誕生25周年を祝う限定車を設定。日本へは227台が上陸
AUTOSPORT web
そういえば街の郵便車がキレイになったような… なんと全国通達「8000台コーティングせよ!」 大仕事の舞台裏が明らかに
そういえば街の郵便車がキレイになったような… なんと全国通達「8000台コーティングせよ!」 大仕事の舞台裏が明らかに
乗りものニュース
グラベルのWRCポルトガルにトヨタが4台エントリー。オジエとロバンペラが今季初の両出走へ
グラベルのWRCポルトガルにトヨタが4台エントリー。オジエとロバンペラが今季初の両出走へ
AUTOSPORT web
10月にバレンシアで開催のFIAモータースポーツ・ゲームスに欧州最高峰トラック“ETRC”の追加が決定
10月にバレンシアで開催のFIAモータースポーツ・ゲームスに欧州最高峰トラック“ETRC”の追加が決定
AUTOSPORT web
マツダ新型「ロードスター”最強形態”」実車公開! まさかの「2.0リッターエンジン」搭載車! 爆速仕様&技術結集の「スピリットRS」登場
マツダ新型「ロードスター”最強形態”」実車公開! まさかの「2.0リッターエンジン」搭載車! 爆速仕様&技術結集の「スピリットRS」登場
くるまのニュース
トラックの高速道路の最高速度を90km/hに引き上げ……ってホントに効果ある? 物流業界関係者からは疑問の声も噴出!
トラックの高速道路の最高速度を90km/hに引き上げ……ってホントに効果ある? 物流業界関係者からは疑問の声も噴出!
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol36. 溝端淳平さん(前編)
愛車の履歴書──Vol36. 溝端淳平さん(前編)
GQ JAPAN
現行型ハリアー、初のお色直し。ハンマーヘッドフェイスへ
現行型ハリアー、初のお色直し。ハンマーヘッドフェイスへ
グーネット
待望のスーパーGT開幕戦は「muta Racing GR86 GT」が逃げ切りトップフィニッシュ!岡山ラウンドGT300クラスリポート
待望のスーパーGT開幕戦は「muta Racing GR86 GT」が逃げ切りトップフィニッシュ!岡山ラウンドGT300クラスリポート
LE VOLANT CARSMEET WEB
【ギャラリー】音速で駆け抜けた34年の生涯。アイルトン・セナの輝かしいキャリアを秘蔵写真で振り返る
【ギャラリー】音速で駆け抜けた34年の生涯。アイルトン・セナの輝かしいキャリアを秘蔵写真で振り返る
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

3件
  • メルセデス残留を目指しているボッタスが自分からラリー転向なんて口が裂けても言うわけないじゃない。
    これは明らかに報道陣のいじめでしょうが。
  • ウィリアムズからラッセル取り上げ、出涸らしとまでは言わんけど用済みのボッタス返却やろなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村